できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「×印」の数で見ていくしかないか。

2012-12-01 23:44:37 | ニュース

先月半ばに衆議院が解散され、総選挙が近いということで、いろんな政党が離合集散して新しい党が出来るとか、「第三極」がどうとか、マスメディアでは連日、政治関連の報道が続いています。総選挙が本格的にスタートするとこういうことも書きづらくなるので、今のうちにあえてはっきりと、自分の総選挙への思いを書いておきます。
正直なところ、私は子ども施策や教育政策に注目して各政党のこの間の主張などをマスメディアを通じて見ているのですが、「ここには票を入れたくない」と思う度合いの強い政党は多々あるものの、積極的に「ここを支持したい」と思う政党は、あまりでてきません。
これに憲法改正や再軍備、労働者の最低賃金見直しといった問題や、原発問題などへの対応、貧困問題への対応などに関する各政党のこの間の主張などへの評価を加えれば、ますます「ここには票を入れたくない」と思う度合いの強い政党がしぼられてきます。ですが逆に、「ここを支持したい」と思うところは、あまりでてきません。
ちなみに、この夏以来のいじめ自殺問題に関連させて教委廃止論をぶち上げているような政党や、あるいは、いじめ問題への対応にひっかけて「心の教育」とか「道徳教育」の充実とかいうような政党も、とても支持できるものではありません。前にも書いた「惨事便乗型教育改革」をやりたがっているような政党には、むしろ「お引き取りいただきたい」というのが率直な思い。
今、必要なのは、子どもたちが学校の内外で落ち着いて暮らせる生活環境をつくること。そのために、保護者や地域住民、学校の教職員や保育士、ソーシャルワーカーやカウンセラー、その他子どもに関わる仕事に従事する人々、そして子ども施策に携わる行政職員などが、落ち着いて過ごせる環境を整えること。そういう環境を整えた結果として、子どもとかかわるおとなたちが落ち着き、子どもとの豊かな応答的かかわりを取り戻すことによって、子どもが心身ともに豊かに育ち、おだやかな人間関係を取り結ぶ。そして、このような人間関係のなかで過ごすことを通じて、誰かをいじめたり、いじめられたりという関係から脱する道を、子どもたち自身がそこから見つけ出していくのではないでしょうか。
だから、子どもと、子どものまわりにいるおとなたち(この夏に見せていただいたドキュメンタリー映画のタイトルに沿って、「隣る人」といってもいいかもしれません)が落ち着いて過ごせる環境づくり、これにつながるような政策を提案している政党以外、私はとても支持する気にはなれません。あとは、それに逆行する政策を提案している政党に、どんどん×印をつけ、投票したくないという思いを増やしていくだけになるでしょう。
そして、たとえ今回の総選挙で投票した政党であっても、その後発足する政権与党になろうがなるまいが、上に書いたような方向性に逆行するようなことをするのであれば、やはり×印をつけていくだけ。ましてや、政権与党になり内閣を構成するようになったところには、その政策の具体的な中身を見て、やっぱり×印をつけていくことになるでしょうね。
以上、総選挙を前にして、今、私が思うことを書き記しておきます。


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