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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

このパブリック・コメント募集の方法って、本当にいいの?

2012-05-27 22:18:35 | 受験・学校

http://www.city.osaka.lg.jp/shiseikaikakushitsu/page/0000166819.html

いま、大阪市役所が「市政改革プラン(素案)」に対するパブリック・コメントを実施しています。29日(火)が受け付けの締め切りなので、とにかく急いで出さねばということで、今日、ひととおり思うことをまずは書いてみました。

とはいえ、上記のサイトにアクセスしてもらえればわかりますが、膨大な資料です。これを全部読みこなすだけで、相当な苦労をすると思います。こういう文書類を読みなれていない方にとってみれば、もう見ただけでものを言うのをあきらめるのではないか。そう思えてきました。

また、私がアクションプラン編別冊を読み、必要なところにコメントをつけるだけでも、ほぼ今日一日かかりました。ここまでするだけでも相当な根気が必要だったのですが、まだ基本方針編などが残った状態です。

なにしろこの資料の提示のしかた自体が、市政改革プラン(素案)を作った側の利便性にもとづいてホームページなどに載せられていて、これに意見を言う市民の側の事情などはまるで考慮されていない感じです。どの事業が、あるいはどの施設がどの部署の所管なのか。あるいは、どの事業やどの施設が、どういう観点から見て予算削減や統廃合の対象になっているのか。こういったことは、ある程度、大阪市の施策に詳しい人でないと、もしくは、こうした行政施策に関する文書を読みなれていないと、けっこう見つけづらいのではないでしょうか。少なくとも、PDFファイルなどで「概要編」などもつくられていますが、「あの概要を見て、私らのような研究者はさておき、市民の多くの方は理解できるのだろうか?」と思ってしまいました。

このような次第で・・・・。私は以下のように思った次第です。

「パブリック・コメント」という形で、市民に広く意見を求める形をとっていながら、実質的には資料の分量も多い上に、市民の方には読みづらい書き方になっているし、読みこなしてコメント書くまでの期間が短い。市民の意見を聴くのにあたって、こういう方法って、ほんとうに妥当なんでしょうかね?

どうやら今後、大阪市は「オープン市役所」なるものをすすめるそうですが・・・・。

http://www.city.osaka.lg.jp/shisei_top/category/2055-0-0-0-0.html

しかし、今回のパブリック・コメント募集のような情報の出し方、見せ方をしている限り、いくらオープンにしたって、情報はきちんと伝わらないのではないか。そう思ってしまいました。

なお、大阪市議会(大阪市会)は、このようなパブリック・コメント受付の在り方について、下記のとおり議会決議で問題が多いと指摘しています。市議会としてきっちり、このような対応の在り方まで含めて、大阪市長以下、行政サイドに指摘を続けてほしいと思います。

http://www.city.osaka.lg.jp/shikai/page/0000170383.html

あと、私が市政改革プラン素案のどういうところに、どんな意見をつけたかについては、後日お知らせします。まだ「基本方針編」とか、見ていないところもあるので・・・・。


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