できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「ツイッター」を見ていて気づいたこと

2011-03-10 12:26:18 | ニュース

昨日、このブログに書いたことの続きです。その話をする前に、以下に示す青字で書いた部分を見てください。

朝日新聞に問う。在日朝鮮人が多く住む大阪の地において、拉致問題未解決、北朝鮮砲撃事件勃発という今の状況で、学校と大阪が共生できる具体的方策を提示せよ。子どもがかわいそうなんて、平松市長やその取り巻きが言いそうな無責任なサロン的会話をするな。

この言葉は、ツイッターで、2011年03月09日(水) 11:28:46に、橋下徹氏が発した「つぶやき」です。

正直なところ、ツイッターでの橋下氏の「つぶやき」は、「大阪維新の会」の代表としての発言なのか、それとも大阪府知事としての発言なのか、そこがよくわからない(これ自体、よく考えてみると、そもそも大きな問題のようにも思うのですが・・・・)。

でも、上記の「つぶやき」がもしも府知事としての発言であれば、これ、かなり問題があるのではないでしょうか。

おそらく、府知事としての彼は、朝鮮学校への補助金支給の問題について、「自分たち行政側が決めたのは補助金を出すか出さないかだけであって、行政側の決めた条件を満たさない朝鮮学校に対しては、その補助金を出さないことを決めただけだ。だから、これは府知事というか、行政サイドの裁量権の行使の問題なのだ」という説明をするのでしょう。

しかしよく考えてみたら、これって補助金をちらつかせつつ、「自分たち行政側の決めた条件を満たすかどうか」を「踏み絵」にして、相手に「言うことをきかせる」という、まさに「権力」の行使がむき出しになって現れている場面ですよね。要は、こちらから見れば、行政サイドが補助金と支給条件を使って、相手側を権力行使をちらつかせている、という風にも見えるわけです。

そして、そもそも大阪府知事選挙の時点において、彼にこういうことをすることを求めて、府知事に選んだのでしょうか? 彼を選んだ人々は「子どもが笑う大阪」というキャッチフレーズと、テレビに繰り返し登場する彼の明るいキャラクターが、何か停滞状況にある大阪を変えてくれるのではないか・・・・というような期待で一票を投じたのではないでしょうか。

一方、そもそも、今まで大阪府内において朝鮮学校が地域社会に存在し、一定、近隣住民と「共生」をしてきた事実を、彼はどう考えているのでしょうか? また、自分のとった措置が、その「共生」を壊してしまう危険性については、彼はどのように考えたのでしょうか?

あるいは、国家間の外交問題として拉致問題が未解決であること、近隣諸国における金曜関係の問題として砲撃事件があったことと、府内の朝鮮高級学校へ府が補助金を出さないということとの間に、どのような政策的な整合性があるのでしょうか?

すなわち、国家レベルでの外交において未解決の問題や緊張関係をはらむ問題を理由にして、地方自治体の長が、その自治体に暮らす住民である在日外国人に対して、なんらかの不利益措置をとりうる論理的な根拠は、いったい、どこにあるのでしょうか?

とりわけ、昨日もこのブログで書いたように、特に朝鮮学校を含む在日外国人の教育に対する日本政府の施策については、国連子どもの権利委員会の総括所見でも改善が強く求められているところです。そのような状況について、彼はどのような判断をしたのでしょうか?

そして、こうしたことに対する説明責任は、そもそも、大阪府知事の側にあるかと思うのですが。また、マスコミなどからの批判に対して「具体的な方策を示せ」という彼の反論の仕方は、まるで「八つ当たり」のような印象も受けます。

いかがでしょうか? このわずかな「つぶやき」を見ていて、私が感じたことは以上のとおりです。

ちなみに、大阪都構想になかなか納得しない平松大阪市長に対して、彼はツイッター上で、繰り返し挑発的な「つぶやき」をしているます。でも、平松市長側が「おとな」というのか、まともにとりあっていません。また、大阪都構想やこれに関する議論については、橋下氏や大阪維新の会側からの諸提案に対して、ツイッターを見ている限り、さまざまな異論・反論・批判が出ています。そのことも、あわせて指摘しておきます。

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