「秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる」
ご存じ古今和歌集(169)の
藤原敏行朝臣(あそん)の歌である。
今朝、起きて窓を開けたら、
さっと涼しい風が入ってきた。
昼日中(ひるひなか)は暑いけど
朝晩に秋の気配を感じる一瞬である。
よくしたもので、夕刻になると
草むらから虫のすだくのが聞こえる
ようになった。
とはいえ、子どもたちの夏休みもあと
半月もある。9月に入ったからとて
きびしい残暑が待っているから油断
は禁物。
クーラーも氷もなかった古(いにしえ)
の人は、打ち水をし、御簾(みす)を
垂らし、蚊帳をつってホタル狩りなん
ぞをして涼をとっていたのだろう。
だからこそ、
ちょっとした風のささやきに季節の
移り変わりを敏感に感じとったに
ちがいない。
万事に忙しく、エアコンのある部屋
で食事を摂り、
昼寝をむさぼり(私の場合)、
コーヒーを喫んでいては、季節の
移ろいにも鈍くなるわけだ。
※ 虫たちのひそむ草むら
(近所で)
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