熊本地震から一週間過ぎ、エコノミー症候群で
亡くなるひとが出るなど、被害は広がる一方で
ある。
地域によってはボランティア態勢が整ったとの
情報もあるが、豪雨のため行方不明者の捜索も
滞りがちだ。
水、食糧、そして体を横にして寝る場所の確保
など、一日もはやく救援態勢が急がれる。
あれを思い、これを思い、今朝も八重桜の散った
山路を歩いてきた。
そしてふと、ある詩を思い出した。
「さくら」
今年も生きて
さくらを見ています
ひとは生涯に
何回ぐらいさくらを見るのかしら
ものごころつくのが十歳ぐらいなら
どんなに多くても七十回ぐらい
三十回、四十回のひともざら
なんという少なさだろう
(中略)
あでやかとも妖しさとも不気味とも
捉えかねる花のいろ
さくらふぶきの下をふらっと歩けば
一瞬
名僧のごとくわかります
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼
茨木のり子『おんなのことば』より
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