一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

「ぶあいそうな手紙」

2020-09-13 17:27:48 | 雑記

       久しぶりに映画をみた。
       というより、所要で横浜に出た折、
       要件が早くすんだので 映画館に入ったのである。

       コロナ禍にあって、貸し切り状態、
       もったいない。

       「老い」をテーマとしたブラジル映画(女性監督)。

       ブラジル南部に住むエルネスは 78歳。
       隣国のウルグァイから移住してきて 46年になる。

       妻に先立たれ、頑固で融通の利かない彼は、
       離れて住む息子とも疎遠。
       視力もほとんど失ったので、大好きな読書も
       ままならない。

       そんな彼のもとに、かつて思いを寄せていた
       女性から手紙が届く。
       そして ひょんなことから知り合った 23歳の
       女性・ビアに手紙の代読と代筆を頼むようになる。

       彼が「拝啓」と書こうとすると、
       「そんな他人行儀はよくない」とダメ出し。

       映画はユーモアに満ち、決して暗くはない。

       世代も性別も異なる二人の交流。
       もしかしたら 社会の片隅で ひっそり死んで
       いったかもしれない 一人の老人が、
       生き生きと輝き、
       ビアもまた 抱えていた悩みが、
       老人によって癒されていく。

       いろいろ考えさせられたが、
       現代の78歳は こんなに老いぼれていないぞ、
       と思ったことはたしか。