一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

つながる

2020-03-14 10:45:17 | 雑記
       このところないほどのうれしいニュース。

       2020年3月14日、
       まさに今日、   
       原発汚染で分断されていた常磐線がつながったのだ。

       2011年3月11日の東日本大震災と
       東京電力福島第一原発事故による影響で、
       一部(富岡ー浪江間 20.8キロ)が
       汚染のため復旧せず、
       9年間、乗れなかったのである。

       他の地域の方々には関係なく、
       単なるローカル線のように思えるかもしれないが、
       私にとっては青春も、成人してからも
       無くてはならない鉄路なのである。

       常磐線は東京と仙台(宮城県)をむすぶ線。

       受験のために一人で上京したのも、
       学生時代、何回か帰省したのも、
       すべて常磐線の電車だった。
       家庭をもってからも何回も往き来した。

       震災以降(常磐線が不通になってから)、
       故郷で冠婚葬祭がある折は、
       (最近はもっぱら葬祭関係になっているけど)
       福島駅まで新幹線に乗り、
       そこから峠を越えるバス(日に2便往復)で
       海辺の南相馬まで帰らなければならなかった。

       とてつもない時間、
       面倒で、切なくて、どんなに煩わしく、
       悲しかったことか。

       これからは品川、東京、または上野駅から直通で行ける。

       しかし、
       被災した故郷の人たちは、
       そう単純に喜んではいられないだろう。

       私の知っている人たちにも、
       すでに故郷に帰るのをあきらめ、
       県をまたいで別の地に引っ越した家族も少なくない。
       
       長年家族で住んだ家を捨て、ものを捨て、
       家畜やペットとも別れて、
       新天地とはいえ、馴染みのない土地に居住することが、
       どんなに大変でストレスを感じるものか、  
       経験した人しか分からないだろう。

       そういう人たちは、
       今回の常磐線全面復旧を
       どんな思いで聞いているのか。

       そう考えると複雑な思いに駆られる。