一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

真っ赤だな

2015-12-06 14:31:13 | 雑記



      
       街路樹の紅く紅葉したのを見ると
      思わず

      ♪ 真っ赤だな 真っ赤だな
        蔦の葉っぱが真っ赤だな
        もみじの葉っぱも真っ赤だな
 
     とつい歌ってしまう。
     温暖化の影響か、ここ50年で15日
     も遅くなっているという紅葉だが、
     その自然界の妙には人間がいくら頑張
     っても及ばないものがあるような気が
     してならない。
     
     紅葉は秋になって日照時間が短くなり、
     気温も下がって、光合成の効率が落ち
     るためだといわれる。

     つまり、落葉樹は休眠に向け葉っぱを
     落とす準備をするのだ。

     この際、イチョウの黄色とカエデの
     紅いのとは違う。

     緑のクロロフィルは分解されて枝や
     幹に回収されるが、黄色のカロテノ
     イドは長く葉にとどまる。
     このため葉っぱが黄色に変わる。

     一方、カエデのように紅くなるのは、
     光合成で作られた糖分はふだん、
     管を通って葉から枝へと運ばれる。
     落葉が近づくと、葉と枝の間に
     この管をふさぐ層ができ、糖分が
     葉っぱにとどまるようになる。

     この糖分が紅い色素の「アントシアン」
     に変化するのだという。
     イチョウにはこの回路がないので、
     紅くはならない。

     いずれにせよ、紅葉がすすむためには
     葉がたっぷりと光を浴びておく必要
     がある。
     これがいわゆる「昼は日が当たって
     暖かく、夜は冷える」と紅葉が美しい
     ということだ。

     あくまでも樹木の紅葉は休眠のため
     だが、私はつい、人生の終末期を
     重ねてしまう。

     人間はなにゆえに、自然の樹木の
     ように静かに潔く終われないのか。
     紅葉のように美しく身をかざり、
     とまではいかなくても、
     安らかに静かに息を引きとること
     ができたら、どんなにいいか。

     そんなことを云うヤツに限って
     ジタバタする?
     ああ、そうかもしれない。

     毎年、紅葉を見るたびに、この愚か
     な私は思うのだ。
     
     

     ※ 長谷寺の三地蔵も真っ赤
     (知人が撮って送ってくれた)