一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

神宮の森

2015-06-13 17:31:36 | 自然


    毎日のように溢れるニュースに、
    そうかそっか、とその場かぎり
    でスルーしてしまう私。
    忙しいのか余裕がないのか、
    はたまた年齢とともに無感動に
    なってしまったのか。

    そんな私が珍しく、心に残って
    ホットになる記事が新聞に
    載っていた。

    東京のど真ん中に位置する明治
    神宮の森の写真である。
    
    これは1915年(大正4)から
    5年の歳月をかけてつくられた
    いわゆる人工の森、ということ
    もはじめて知った。

    広さ70㌶
    競争に敗れた樹木が消え、造営
    直後約12万本の樹木は、いま
    4分の1の3万本あまり。
    

    ここにも自然の淘汰があったの
    ねえ。
    現在はシイやカシ、クスノキなど
    に覆われる見事な常緑広葉樹の
    森になった。

    調査は2011年から2年にわた
    って行われた。
    そして、東京の都心とは思えない
    ほどの生命の営みがあふれていた
    ことが分かった。

    オオタカの幼鳥がハシブトガラス
    を襲った場面もあった。
    ところがせっかく獲物をとらえる
    も、タカの仲間のノスリに奪われ
    てしまった。

    タヌキも新種のカタツムリも、
    きれいな流水でしか生きられない
    日本最大のトンボ・オニヤンマも
    いた。
    

    私も学生時代から何回となく
    この鎮守の森をおとずれ、
    それこそスルーしてきたのだが、
    これほど凄絶な生き物の宝庫だ
    とは、一度も考えたことが
    なかった。

    最近は明治神宮を訪れる機会
    もとんとないが、
    想いを馳せるだけでも
    リフレッシュされる気がする。


    ※ 写真は林床から生える
      タマゴタケ
      毒々しいが食用でおいしい
      という。
    (新聞写真掲載)