毎日のように溢れるニュースに、
そうかそっか、とその場かぎり
でスルーしてしまう私。
忙しいのか余裕がないのか、
はたまた年齢とともに無感動に
なってしまったのか。
そんな私が珍しく、心に残って
ホットになる記事が新聞に
載っていた。
東京のど真ん中に位置する明治
神宮の森の写真である。
これは1915年(大正4)から
5年の歳月をかけてつくられた
いわゆる人工の森、ということ
もはじめて知った。
広さ70㌶
競争に敗れた樹木が消え、造営
直後約12万本の樹木は、いま
4分の1の3万本あまり。
ここにも自然の淘汰があったの
ねえ。
現在はシイやカシ、クスノキなど
に覆われる見事な常緑広葉樹の
森になった。
調査は2011年から2年にわた
って行われた。
そして、東京の都心とは思えない
ほどの生命の営みがあふれていた
ことが分かった。
オオタカの幼鳥がハシブトガラス
を襲った場面もあった。
ところがせっかく獲物をとらえる
も、タカの仲間のノスリに奪われ
てしまった。
タヌキも新種のカタツムリも、
きれいな流水でしか生きられない
日本最大のトンボ・オニヤンマも
いた。
私も学生時代から何回となく
この鎮守の森をおとずれ、
それこそスルーしてきたのだが、
これほど凄絶な生き物の宝庫だ
とは、一度も考えたことが
なかった。
最近は明治神宮を訪れる機会
もとんとないが、
想いを馳せるだけでも
リフレッシュされる気がする。
※ 写真は林床から生える
タマゴタケ
毒々しいが食用でおいしい
という。
(新聞写真掲載)