午前中、ある集まりがあって
「今年はこれでお終いだね。
佳いお年を!」
といって別れた。
言葉ではいっても実感が湧かない。
感覚としては、あと2カ月くらい
あるような気持ち。
それだけ現実についていけない
ことなのだ。
このところ全国的に気圧の配置
がおかしくて、雪のニュースも
多い。
雪国の方、大丈夫でしょうか。
2~3日前、
こちらも風の強い日があった。
用足しついでに遠回りして
いつもの散歩コースを通ると、
風がざわーっとなって、頭上
の樹木が呻る、しなる。
怖いくらいだった。
それで宮沢賢治の
「風の又三郎」を思い出した。
あれは、
「どっどど どどうど
どどうど どどう」
と鳴るのだった。
谷川の岸の分校に風のように
やってきた転校生。
その子がいると、不思議なこと
ばかり起きる。
村の子どもたちは
「風の又三郎」と命名する。
♪青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どうどど どどうど
どどうど どどう
やがて又三郎は去っていった。
「あいつ、やっぱり風の又三郎
だったんだ」
子どもたちのさびしいような
気の抜けたような気持ち……
私の好きな本の一つである。
今日の関東地方は氷雨、
師走の雨は冷たくてやりきれない。