一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

風の又三郎

2014-12-20 18:18:31 | 読書


  午前中、ある集まりがあって
  「今年はこれでお終いだね。
   佳いお年を!」
  といって別れた。

  言葉ではいっても実感が湧かない。
  感覚としては、あと2カ月くらい
  あるような気持ち。
  それだけ現実についていけない
  ことなのだ。

  このところ全国的に気圧の配置
  がおかしくて、雪のニュースも
  多い。
  雪国の方、大丈夫でしょうか。

  2~3日前、
  こちらも風の強い日があった。
  用足しついでに遠回りして
  いつもの散歩コースを通ると、
  風がざわーっとなって、頭上
  の樹木が呻る、しなる。
  怖いくらいだった。

  それで宮沢賢治の
  「風の又三郎」を思い出した。

  あれは、
  「どっどど どどうど 
       どどうど どどう」
  と鳴るのだった。

  谷川の岸の分校に風のように
  やってきた転校生。
  その子がいると、不思議なこと
  ばかり起きる。
  村の子どもたちは
  「風の又三郎」と命名する。

  ♪青いくるみも吹きとばせ
   すっぱいかりんも吹きとばせ
   どうどど どどうど
       どどうど どどう

  やがて又三郎は去っていった。
  「あいつ、やっぱり風の又三郎
   だったんだ」

  子どもたちのさびしいような
  気の抜けたような気持ち……

  私の好きな本の一つである。

  今日の関東地方は氷雨、
  師走の雨は冷たくてやりきれない。