一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

オブラートで包む

2013-03-03 17:39:30 | 健康


     「オブラートで包む」とはよくいったものだ。
     これは本心を隠して婉曲的ないい方をする場合の
     比喩として使う。


     今年は年明け早々、花粉の被害に見舞われている。
     杉花粉で(皮膚科でそういわれた)目の周りが赤く
     ただれたことは以前に触れたが、それが治まった
     2月初めからは、鼻がむずむずし出して、明らかに
     花粉症の症状を呈してきた。

     例年のように市販薬でしのごうと思ったが、これが
     曲者で、鼻水やくしゃみは一時的におさまるものの
     朝から飲むと体がだるく眠くなる一方で、何をする
     気も起こらない。

     そこで今年は思いきって病院の漢方外来を訪れた。
     漢方ははじめて。
     そこでもらったのが花粉症をやわらげ、体力もつける
     漢方薬なのです。

     聞いてはいたが、私は薬を飲むのが大の苦手。
     1日に何粒もの健康食品を飲むなんて、もってのほか。
     2~3粒の風邪薬でさえ、ちょっと気合いを入れないと
     飲めない。

     漢方の先生からいくつか飲むコツを教えてもらいました。
     その1つ。オブラートで包むという方法です。
     (オブラートは薬局で売っている)

     薬をオブラート2つか3つに分け、湯のみに水(また
     はぬるま湯)大匙1くらい入れ、そのなかに(薬をく
     るんだ)オブラートを落として飲む。

     
     ははあ、オブラートはつるっと喉を通過して漢方独特
     の匂いはしません。
     (なんか、あんかけのお料理を食べているみたい)
     おいしいわけではないので、味気ないけど。

      
     今のところ日に2回。ちょっと面倒ではあるが、まあ何
     とか漢方入門もクリアした気持ちではあります。

     
     以前はアメやキャラメルでお馴染みだったけど、
     今どきの若者には通じないらしい。


     この柔軟性のオブラートは明治35年、小林政太郎と
     いう医師が、薬を飲むのに発明したのだとか。
     そういえば、大河ドラマなどでよくせんじ薬をすり鉢
     のようなもので、煎じているシーンを見かけます。

    
     「良薬は口ににがし」というけれど、いかにもにがそ
     うで、昔は薬を飲むのも大仕事でした。
     反面、いかに現代人が甘ったれてるか、ってことでもあ
     りますけど。

  
     そういえば国木田独歩の句にこんなのがあります。
    
        恋は多く人生の苦痛を包むオブラアトなり
                        「病床録」


     明治41年の句ですから、オブラートが世に出て6年目の
     句。それだけオブラートは画期的でハイカラだったの
     でしょう。