一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

この刻(とき)だけは

2012-12-16 16:47:09 | 自然


    「食べる」「寝る」を最優先させるので、いつも
    ではないが、私はたいてい早起きである。

    午前4時に起きて(これはほとんど趣味!)簡単
    な朝食や洗濯機をまわし、机に坐るのが4時半、
    新聞をパラパラめくり、パソコンを起動し、
    前日書いたことなどをチェックし、
    またまたコーヒータイム。

    カーテンをあけると窓から見える山の稜線が少し
    明るみはじめる。
    今の季節でいえば、夜明けは6時2~3分から
    15分の間。

    
    コーヒーをすすりながら暁光をながめる。
    この刻だけはポジティブシンキングになって、
    あれやこれやの憂さを忘れて、よし今日も元気で!
     な~んてけなげに思ったりする。
    
    
    しかしそれも束の間、
    陽が昇ればすっかり現実にもどって、もとのもくあみ
    なのだが。   

    ほんの10分少々の時間。
    私にとっては至福の時間なのだ。

    (写真は10日間ほど前の夜明け。
     ついこの間までは月の下に「明けの明星」
     が見えたのだが、天体ショーもどんどん
     変わる) 

  ※ 「夜明け」で思い出した。
    藤村の『夜明け前』である。出だしは、
    「木曽路はすべて、山の中である」
    ではじまる。
    1886年までの幕末、明治維新の激動期を中山道
    の宿場町であった信州木曽路の馬籠宿
    (現在の岐阜県中津川市馬篭)
    を舞台に、主人公の青山半蔵をめぐる人間模様を
    描いた小説である。

    藤村晩年の大作で、よほど根気がないと読めない。
    私も何度も挫折して、途中でやめ、また読んでは
    やめしたことを思い出した。

     かくほどに本当の「夜明け」を迎えるのは大変な
    ことなのである。