一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

対談

2012-09-12 14:23:07 | 読書


      不器用で話下手な私だが、なぜかこのところ対談づいて
      いる。
      先週お話させていただいたのは澤宮優(さわみやゆう)
      という方である。

      彼はスポーツライター、ノンフィクションライターとして
      知られ、まだ40代。
      現役バリバリの物書きなのである。
      
      新聞雑誌にさまざまなスポーツ記事を書かれ、『巨人軍
      最強の捕手』ではミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞
      している。

      最初お話をいただいたとき、困ったなと思った。
      なぜなら私はスポーツはチンプンカンプン、プロ野球は
      セリーグとパリーグがあることは知っていても、誰がどの
      チームでどんなすご腕を持っているかなんて、さっぱり
      なのだ。
      (あ、イチローと松井選手は知ってます)

      どの選手が年俸いくらで契約したかなんて、あまりの桁違
      いで、興味の外というほかない。
      スポーツニュースでいう「勝ち通し」「負け通し」が「勝ち
      投手」「負け投手」だと知ったのは大人になってからだ。

      でも「勝ち通し」はともかく「負け通し」はねえ。
      子供の頃からずっとそう思っていたので、いまだにそのよう
      に聞こえて、笑ってしまうといったレベルなのです。

      当日ご本人に聞いたところによると、一度スポーツ関係で
      賞をとってしまうと、どうしてもそちらの方の需要が多く
      なるということだった。

      澤宮氏の経歴には、
      「陰の世界で懸命に生き抜く人物を描くことに力を注ぐ」
      とあって、それがスポーツであろうと芸能であろうと関係
      ないというのが真相らしい。

      スポーツ、文学、映画、歴史、教育と幅がひろいのはその
      ためかと納得した。
      さらに中学生の頃から苦しんできた「強迫性障害」を克服
      したという体験が教育問題とつながるらしいのである。

      今回の対談のテーマは「高木護」についてである。
      澤宮氏には、
      『放浪と土と文学と 高木護/松永伍一/谷川雁』
      『昭和の仕事』
      という高木についての2冊の本がある。
      
      高木護は都心に棲息(笑)していながらほとんど知られ
      ていない、伝説の人。最後の詩人といわれる人物なのだ。

      対談の模様は雑誌ができてから見ていただくとして、当日、
      高木の天才、奇才ぶりに多いに盛り上がったことはいうま
      でもない。
      そして、ごくマイナーなものしか書けない私は、若手のライ
      ターである彼から多いにエネルギーをもらった日であった。
      これからは澤宮優氏の活躍から目が離せない。

      目下、私はその原稿をまとめるのに四苦八苦している状況
      である。