一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

比嘉加津夫といふひと (1)

2011-11-05 20:29:14 | 読書



    山口健二の突然の訪問を<いたち臭い
    ものがやってきた>といったのは谷川
    雁だが、
    (「権力止揚の回廊
        ーー自立学校をめぐって」)
    私も昨年の春、同じような経験をした。

    ただし、<いたち臭いもの>ではなく、
    上質の毛皮をもった本物の<いたち>
    だったかもしれない。

    なにしろほぼ忘れかけていた旧著の
    『谷川雁のめがね』の書評を書いたか
    ら感想を聞かせてくれ、というような
    要件だった。
    しかも、メールで突然!
    (メールはいつも突然だが)

    私は早鐘をうったような胸の動揺を抑
    えきれず、明記してあったアドレスを
    クリックした。

    それは『脈』という書評誌を出してい
    る比嘉加津夫といふひとで、
    谷川雁について私なんかよりずっと
    詳しい人であった。

    比嘉加津夫ってWHO?
    どうしてラボのことにそんなに詳しい?
    どうやら友人の情報によると、
    比嘉氏とは沖縄在住で、筋金入りの詩人
    らしい。しかもそこらのへなちょこ(失礼!)
    とちがい、大先輩だとか。

    私はワケあって12年間『谷川雁のめがね』
    を封印してきた。
    (それは今度の新刊をお読みになれば
    お分かりでしょう。
    または雁研機関誌「雲よ」5号にも記載)

    おまけにこれまたワケありで、
    ここ数年、私は神経を病んでいた。
    (ふふふ、インチキくさい物書きほど
    こんなことを好んでいいたがる)

    ともあれ、それがはじまりだった。
    封印をといて読みなおし、改めて書きな
    おさなければならないと強い決意をいだい
    たのは。

    それが今回の、
    『新刊 谷川雁のめがね』
    と相成った次第。
  
    ああ、やっぱり<まがいもののいたち>
    ではなく本物だった。
    そして今日、その本物のいたちさんから
    写真のような雑誌が送られてきた。
    (『Myaku』9号 2011年11月)
     「吉本隆明という像」 
     「谷川雁という像」
     バーチャル・インタビュー
     「島尾敏男との関係」)
    
    
    補)比嘉氏の書評は、
     「内田聖子 谷川雁のめがね 上下」
     を検索して下さいますよう。
     (リンクつけられなくてすみません)