「ゆきあい」とは艶っぽい男女の仲をいうのかと
思っていたら、本来は二つの季節が行き交う空を
「ゆきあいの空」ということからきたらしい。
ここ数日、たしかに季節が変わりました。日中の
陽射しはつよいけど、風はすっかり秋のそれ。
一葉紀行の宿は知人を通しての画家T氏のアトリエ
でした。
山梨県の山あいのM村、塩山からさらに高地の
大菩薩峠に近いところ。標高は600㍍で、谷
から吹く風は肌に心地よく、近くの温泉もGood。
民家風のアトリエにはコレクションの骨董品が
ぎっしり、それらの話を聞かせてもらいながら
氏の料理に舌つづみをうった(料理の腕前はなか
なかのもの)。
夜、静まりかえった家の戸をコツ、コツと叩く物
音がする。何とカブトムシがぶつかる音だそうな。
そういえば、翌早朝、散歩に出たら、道路に立派な
カブトムシがいました。
連れて帰ろうかと一瞬、思ったけど、果たして?
帰りにまだいたら、ということに賭けて散歩を続け
たら、何と帰りは別の道を通って見事、忘れてし
まいました。
あのカブトムシは無事、山に帰ったでしょうか。