「ここは通れない」
この1週間ほど毎日タハリール広場に通っていますが、大規模デモが予想されたこの日(4日・金曜)いつもの道路は若者のグループによって封鎖されていました。
これは考えていたよりも大変なことになっているかもしれないと思いながら、ぐるっと遠回りして通称「ライオン橋」と呼ばれる橋のほうから行ってみることにしました。
広場の手前、橋を渡ってすぐの辺りから、にぎやかな音楽が聞こえてきます。
タブラ(アラブの太鼓)やタンバリンのようなもので拍子をとりながら歌っているグループが見えました。
彼らはエジプト人の大好きなコシャリ(パスタと米と豆のトマト味どんぶりのようなもの)を売っています。
広場に入ると10万人はいるでしょうか。
ものすごくたくさんの人が集まっています。
金曜の集団礼拝が終わるとその数はますます増えていきました。
手には国旗や様々のプラカードを持ち、みんなにこやかです。
豆や焼き芋を売る屋台もあちこちに出ています。
私が想像していたデモとは違い、昨日、発表された旧政権の首相の辞任と新首相の就任もあり、タハリール広場はお祝いムードです。
人々の顔はみんな革命を成し遂げた喜びとエジプト人としての誇りに満ちているように見えました。
歩いている人たちもデモに参加しようとしている人とは思えないような家族連れが多く、まるでお祭りのようです。
いろいろな人が私に話しかけてきました。
みんなこれからのエジプトに大きな希望を持っていることが分かります。
しかしエジプトにはこれから解決しなければいけない問題が山のようにあります。
私たち外国人にもしなければいけないこと、できることが何か必ずあると思います。
それが何かをこれからも考え続けるでしょう。
そしてこの瞬間にここで時間を共有できたことを私は忘れないと思います。