SEIKO’s photo gallery from ALEXANDRIA 

エジプトの第二の都市、アレクサンドリアで暮らしながら中東の写真を撮っています。

エジプトの民衆デモ~アレクサンドリアより 3

2011-02-04 07:15:49 | 写真






29日から「軍隊」が街のあちこちに見られるようになりました。
装甲車や戦車が道路わきや、ミーダーン(広場)に停まっています。
「軍」は国民にはいっさい手出しをしないと正式に発表したので、とても好意的に迎えられています。

海岸道路でキャタピラが外れて、立ち往生した戦車を見かけました。
住民が取り囲み、心配そうに見つめています。
そのうち世話好きそうな中年男性が、何もできない若い兵士に代わって、なんとか直そうとし始めました。
通りかかる一般車も何かできることはないかと次々立ち止まり聞いています。





アレクサンドリア図書館の前に停まっている戦車は、地元の学生などが集まりさながら記念撮影の場となっていました。
実際に兵士が乗っている戦車を目の当たりにして少々興奮気味にポーズをとっています。
兵士の方も追い払うこともなく、好きなようにさせています。 




この日も(29日)まだインターネットは遮断されたままで学校、銀行なども再開のめどが立っていません。
BBCのニュースでは食料品やガスが足りなくなり始めたと言っています。
スーパーは買いだめをする人でごった返していました。 



2月1日。この日、アレクサンドリアで交通整理をする警官が街に戻ってきたとテレビニュースが流れました。
夜間は家の前の広い海岸道路に、壊れたプランターや拾ってきた缶などを並べた手作りの検問が作られるようになりました。
朝まで少年7~8人に責任者と見られる大人2~3人がついて、交代で通る車を止め、不審な車がないか警戒しています。
これが「自警団」です。
これはどの通りでも見られることで、こうやって無警察状態でも犯罪を最小限に抑えようとしているのだと思います。




※2月2日。私はカイロにやってきました。
騒乱の激しいカイロでも、困難な状況に負けず、持ち前の明るさと調子のよさとおせっかいすぎるほどの優しさは同じです。

しかし、この数日、状況はどんどん悪くなる一方です。
あれほど底抜けに明るく、笑顔の素敵な彼らが、暗い表情を見せることが多くなっています。

私はこのエジプト民衆デモのシリーズの最初にモノクロの写真を初めて使いました。
このブログでただ一度です。
実は私はこの写真はあまり好きではありません。
「民衆」といってひとくくりにするある種の怖さを感じるからです。
カラーにして、またもっと近くに寄って見れば、ひとりひとりが違っていて、それでも繋がってよりよく生きていこうとがんばっている「人間」です。

少しでも早く彼らに明るい笑顔が戻ることを願っています。


4日、ムバラク支持派が外国人が泊っているホテルを焼き討ちすると言っているというニュースが流れ、実際にナイル川沿いのホテルが焼き討ちされたというニュースも出たため、いったんエジプトを離れて、国外退避することになりました。私がいま泊っているホテルからは、今夜、「部屋の電気をつけるな」と言われ、真っ暗な中にいます。エジプトがこんなことになるのは本当に残念でなりません。

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2 コメント

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Unknown (月桃ママ)
2011-02-08 19:36:55
ご無事で何よりです!

私も毎朝CNNを通してエジプトの状況を見ています。他のブログのコメントでは知り合いの旦那さんがカイロでデモに参加し、最初の警察の威嚇発砲の流れ弾にあたり死亡したというコメントを読み、大変悲しい気持ちになりました。
親米国家となり毎年何千億ドルというお金は市民の豊さには繋がっていませんものね。よりよい道が開ける事を祈って止みません。
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これから・・・ (SEIKO)
2011-02-09 23:01:28
たくさんの死傷者が出てしまったのは、ほんとうに悲しいことです。
私たちはその方たちのためにも、エジプトのこれからをしっかり見届けなくてはけないと思っています。
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