今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

米朝一門会 IN野洲

2015年06月25日 | 「暮らし」のひきだし
すっかり6月の恒例行事となりました、米朝一門会です。
軽くお昼をすませるつもりが、話が弾み開演ぎりぎり、あわてて駆け込みました。

本日の出演者は5人、いつもより一人多いな、得した気分♪

その中で大変興味深かったのは、南光さんの「抜け雀」
東京落語ではお馴染みですが、上方のは初めてです。
~あらすじ~
舞台は、小田原のとある宿屋、主人が引っ張ってきた客人は、身なりもみすぼらしい浪人風の男。
毎日酒を飲んでは、ゴロゴロ・・・・堪りかねた女将さんにせっつかれて宿賃を請求に行くと、一文無しだという。そこで自分は絵師であるからと、宿賃の代わりについたてに雀を5・6羽描いて行っちゃった。
その雀が、朝になるとついたてを飛び出して、えさを食べ終えるとまたついたてに戻ってくると言う。
噂が広まり一目見ようと、客が押し寄せ、雀のお宿などと呼ばれ大繁盛。
ある日、その絵を見せて欲しいと一人の老人がやってきた。
見るなり、雀はこのままでは疲れて死んでしまうと言って、止まり木を書き足し、帰っていく。
またしばらくして、絵師がやってきて書き足された止まり木を見て、「うぅ・・・わしは父親を○○にしてしまった」と反省して終わるのですが、東京落語では鳥かごを書き足して、「父親を駕籠かきにしてしまった・・・」となります。
駕籠かき・・・雲助などとも呼ばれ一段下に見られていたのですね。職業差別ですが・・・
ところが南光さんのは、駕籠を描かずに止まり木を描きました、オチはどうなるのかな、と思っていましたが、ぼ~~として・・・・聞きのがしてしまったぁ~~~  えっ? 終わった? どうやった?
「・・・ようわからんかった」と友達。

ネットで調べてみますと、杉の梢を止まり木として描き、鞍馬の杉の梢・・・天狗になるな。と言ういさめでオチ、らしいです。ふ~んそうやったんか。

もう一つ感心したのは、小田原の宿の主人がなんで関西弁やねん、と心の中でつっこんでいますと、主人は大阪から養子に来たんですと。女将さんがあんたはいっつもろくでもない人ばっかり引っ張ってくるとかなんとかぐちぐち言われる下りで言っていました。女将さんも移ってしまって関西弁なんですて。

そして我らが米團治さん、演目は「掛け取り」借金取りのことです。
年末の話なのですが、6月は1年の区切りということで、と言うお断りを言われました。
それぞれの借金取りを、好きなもの興味のある話を持ち出し、煙に巻いて追っ払おうという噺です。
クラシックが好きな番頭さんには、作曲家や曲目のだじゃれを折り込んでのやりとり、芝居の好きな番頭さんには、役者になりきっての一芝居と、まさに米團治さん十八番のお話です。
滋賀の名所や名物、はてはスーパーまで持ち出しての大サービス。大いにわきました。
品があって知性的で艶もある、ええですね~米團治さん。

3月に米朝師匠がお亡くなりになり、喪中と言うことで黒い着物をお召しでした。
喪中というなら、一門全員喪中だと思うのですが、塩鯛さんはオレンジ、吉弥さんは黄緑のお着物でした・・・
でも皆さんそれぞれ思い出話をなさり、米朝さんはみんなに慕われてはったんやなぁ、と改めて思いました。


~~~演目~~~

桂 團治郎・・・・・狸の賽
桂 塩鯛・・・・・・宿題
桂 南光・・・・・・抜け雀

    中入り
桂 米團治・・・・・掛け取り
桂 吉弥・・・・・・崇徳院

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする