内村特殊法務事務所、ただいま営業中

免許取消の回避&軽減、つまり免許停止にしたり処分無しにすることに関しては日本一を標榜しています。

男たち、感謝せよ!そして号泣せよ!

2012年08月02日 | いろいろレビュー
今日のおやつは
城山三郎著
『そうか、もう君はいないのか』です。

この小説は著者が奥さまに先立たれ
出会いから別れまでを振り返っていく私小説です。

荘厳な城山節はあまり感じられず
どちらかと言うと抑えた筆致で描かれる奥様像は
やりたいことをやる夫を陰日向に支える伴侶として
理想の夫婦像ともいえる関係を紡ぎ出しています。

特に最初の出会いでは
奥様の第一印象を『天から妖精が降ってきた感じ』と表現しているが
筆者にとって奥さまは今際の時にあってもやはり妖精だったんだろうなと思わせてくれる。

取材ついでの旅行など
何気ない日常の風景ではあるのだけれども
亡くなったこと
『当たり前にそばにいてくれたことの感謝』を再確認するのだろう。

もちろん
普段から感謝の言葉もかけている
でも、そこにいないという現実におかしくなってしまいそうな自分に
心の均衡を失わないように改めて亡き妻への思いを反芻しているようにも読み取れるほど、
静かな語り口により一層苦しさを共有してしまうのです。

そして
奥様が入院して昏睡状態になっている最中
かねてより引き受けていたテレビの特番の仕事『NHK年末特番【総理と語る】』のために
病院のある茅ケ崎から東京の首相官邸に行く予定でした。

筆者の気持ちは
「東京に行って帰ってくる間に容子(奥様)は死んでいるかもしれない、総理なんかと話している場合ではない」
と断じてる。

しかし
すでに意識のない奥様はあらかじめ予定を把握しており、
娘さんに『その時どうしてほしいか』を伝えています。

ちなみに
その二日後に奇跡的に奥様は意識を回復していますが
その時の娘さんとの会話も「この妻あり」と頷かされるものでした。

この本は全体で170ページほどの短い小説ですが
そのうち後書き部分の21ページは娘さんからの寄稿で構成されています。
そこでは大作家城山三郎が駄々っ子のように奥様の死という現実から心の目をそらそうとする様子や
喪失感に苛まれていく様子が描かれます。

そして
物語は筆者自身の死までが描かれますが
やはり最期まで奥様のことを想い続けていたことが読み取れます。

恋愛小説においてただひたすらにリアルを追求したとき
最後に残るのは『ありがとう』なんだなと
そんな気持ちになれる名作だと思います。

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小渕恵三総理(当時)

『優しい』の反対語

2012年08月01日 | 雑談
反対語辞典というのがあります。

暑い⇒寒い
みたいな感じです

『優しい』の反対は『厳しい』だったんですが、
僕は違うと思いますので
辞典に真っ向勝負を挑みます。

優しいの反対は『無関心』です。

これに対して『必要以上に近づきすぎない適度な距離を置くという意味の日本的な無関心も優しさ』と返されたことがありますが
それは関係を円滑にするために相手に配慮しているのでつまるところ
無関心と感じさせるために関心を持って配慮しているということになり
言葉としての無関心とは違う意味になります。

厳しさの中に優しさがあることはありますが
無関心に優しさが入ることはないと思います。

子供にとって一番苦しい虐待って体罰じゃないと思います。
暴力に対しては「お母さんも苦しいから」とか
「自分が何とかすれば」みたいに、先が見えるんですよ。

ですが
無関心には先はありません。

ましてや『いらない子』って言われることは
自分自身の存在意義を全否定されてしまうのです。

昨今のいじめも同じような構図があると思います。

苦しい時に言えなかったり、つまり言えるような関係ができていなかったり
言えたとしても「貴方も問題があるんだから」とか「ふざけてるだけだから」などと言われてしまうと
小さい世界の中でやっぱり自分で自分のことを『いらない子』って思ってしまうんですよ。

無関心っていうのは
強制的に孤立させることです。

そうなると
仮に両親が「何かあったの?」と聞いてきたとしても
心配かけさせるのがいやだったり
弱い自分=いらない存在の自分を知られることがいやだったりするんですよ。

大人、特に親なんていうのは
構いすぎるくらいでちょうどいいと思います。

べったりが嫌になれば自然と自立します。

だから僕は自分に近しい奴がなんかいつもと違ったら
多少強引でも「おいおい~なんか喋れよぅ」と構います。
なんか危ないなと思ったらあらかじめ情報を集めておいて
ちょっと飲んだりした後に帰ろうとするのを呼び止めて
「今日の本題がまだだな(笑)、〇〇の話聞きたいんやけど」と
切り出します。

ウザがられても
知ったこっちゃないです。

「お前は俺にとって『いらない奴』じゃないぞ」ってことを伝えるためなら逆説的ですが無理矢理でも構わないと思いますし
そんな直情野郎が一匹くらいいてもいいんじゃないかと思うのです。



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「そういうお前は大丈夫だな(笑)」と安心しますので