好きだったものが好きでなくなっていく瞬間っていうのは切ない

僕はとあるブランドが好きで
そこの服をよく購入していました。

いわゆる新興ブランドという感じで歴史も浅く、発足当初は吹けば飛ぶような状況でしたが、
それでも実直な物作りでじわじわながら確実に取扱いの店舗も増えていきました。

しかし
ある時期を境に僕の好みとは方向性がずれ始めました。

デザインが一般受けしそうなものが増えていきました。
同じ会社で全くコンセプトの違う別ブランドを立ち上げ、明らかにそっちに注力している雰囲気が感じられました。

でもこの辺りはまだ単に経営方針というだけの話ですのでそれほど気にしてはいませんでした。

ところが・・・
在庫ありとなっているはずが注文後必ず数週間から数か月かかるようになりました。
生地が変わりました。
手書きの塗りというか、獣の毛先、鳥の羽先、炎のゆらぎ、そういったところが、なんとなく『浅く』感じられるようになりました。
ヘタるのが早くなっているような気がしました。
同じサイズなのに誤差が大きいような気がしました。
全体的に細くなっていました。

そして
オフィシャル店舗の閉店の告知は閉店後３カ月ほど経過してからでした。

まだ人気ブランドとしては存続していると思いますし、
僕としてもまだ好きなモデルはあります。
ただ一時期ほどに全身そのブランドで固めるかと聞かれれば、おそらく否になると思います。

もちろん
生地が変わったのも柄の感じが変わったのも
僕の好みに合わないというだけで向上と言えるのかもしれません、
サイズが細くなったのも平均的な体型に合わせて普通の人が着やすくなった結果かもしれません。
店舗の閉鎖も発表できない何かがあったのかもしれません。

好きも嫌いも自由ですし
沢山の顧客の一人に過ぎないわけですから意見を言うのも筋違いです。

ただ、少しの寂寥感を感じているだけなのです。


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