初めて見たのは新宿伊勢丹でのコラボフェアでした。
CGアニメの美麗な絵柄が初見だったので原作のシンプルな描線は最初少しとっつきにくかったですし、独特な筆致はかなり好き嫌いが分かれると思います。
未読の時には日本刀擬人化みたいに宝石擬人化と耽美的なキャラ回しでやや高年齢層の腐女子を萌えさせているのかと思いきや、序盤の展開はどこからともなく現れては一言も発せず、人の姿になった宝石たちを『装飾品にするため』あるいは『道具として加工するため』にさらっていく〔月人(つきじん)〕たちとのバトル漫画でした。
原作漫画は戦闘描写は少し読みにくいですしスピード感や爽快感はやや欠けますし、カラーでないページではキャラの描き分けももう一つだったりもしますが、画風でそう感じるだけで最初にとっつきにくさはあるかもしれませんがこの絵ならではの味ともいえます。
一方アニメ版ではこのマイナスが一気に解消されていて、スピーディーな展開と、CG技術とカメラワークの上手さなのか一連の場面を切り替え無しで、全方位視点からの映像で魅せるのは思わず唸りました。
そして原作ではシンプルな絵柄だったのが見違えるように美しくなり、脆さや儚さの演出も綺麗で宝石感も増し増しになっています。
２巻で『月人の正体』を知ってから途中にやや中だるみ感のある部分もありますが６～８巻くらいからこの世界の本質に触れる展開はその時の気持ちも伏線の一部にしてしまうように思えますので、絵柄が受け付けないというのでなければ面白いと思います。
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