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寂しいのにどこか温かい世界

2016年12月12日 | いろいろレビュー
今回の漫画は
『終末少女旅行』

WEB漫画のサイトで連載されているものですので
あまり一般的な知名度はありませんが、雰囲気の良い作品ですので読んでほしいなと思います。

ジャンルとしては所謂『終わってしまった世界』です。

主人公は生真面目なチトと楽天家のユーリ、
唐突に話は始まりますが、そもそも二人にとっても『ここがどこか?』という認識はなく、
ユーリが「あの穴に入ってみよう」と誘ったのがきっかけで、気が付くとそんな世界になっていた・・・というものです。

物語は最初は出口を探すための移動と
途中で食料を補給して、移動用の車を修理&補給し、階層型になっている世界を上方へと移動していきます。

そして二人以外の人間も全滅しているわけではなく
ある程度は存在しているようで、彼らもそれほど危機感や悲壮感を持っているわけではなく
そんな日常をなんとなく受け入れたり、自分のやりたいことをやっていたりします。

ちなみに2人がそこに来る前の世界についてはほとんど描写されておらず、
沢山の人で賑わっているような記憶は二人にはおそらくありません。

廃墟のようになったような世界を見ても
生真面目なチトでさえも狼狽するようなことはほとんど無く
寂しさを感じることはあってもどこか感情の一部が欠けているかのように
自分の周りにあるものを思い留めようとしています。

また、この二人が何者かということも、どういう関係かも説明はありません
とりあえず銃火器の扱いも当たり前のようにこなしていますしので軍属なのは確かな一方
軍用非常食については知っていても『チョコ』という名称が分からなかったり、『イモ(芋)』が何かも知らなかったりするのは2人の境遇に何か関係しているのかもしれません。

タイトルからも分かるように、大きな波のあるストーリーではなく
ある種の日常を描いていますが、もちろん大なり小なり事件も発生します。

死んでしまった街の中でもう意味の無くなってしまった・・・のかもしれない作業を繰り返す機械や
それを制御する人と会話できるレベルの人工知能、その場所に最後に生き残っていたらしき魚、ちなみにユーリは魚がどんなものかも知りません。

静かな世界の中で街そのものはまだ生きているような地響きを聞きながら
夜に光を見て綺麗だと感じたり、雨音の楽曲で心が癒されたり、

なんだかよくわからないけれど世界はちゃんと実存している。
その世界の中でまだちゃんと生きているということを感じながら
成長ともまた違う、二人の心の広がりみたいなのを共有できる雰囲気を持った漫画だと思います。

壮絶なバトルもないし超能力者も出ません
変な生き物は出ますが今のところラスボスがいるわけでもありません
実際のところ目的地すら分かりません。

戦争の後というのは分かっても、
遺物と二人の年齢で考えると少し計算が合いません。

現在4巻まで刊行されていますが
寂しさと優しさがセットになった日常が重ねられていく様子は
謎が解けなくても良いかなと思えるほどに、不思議な感覚に没入できます。

シンプルなようでも奥深さを感じられる絵柄は西島大介氏に雰囲気は似てますね。

ゆっくり雰囲気を味わいたい方にお勧めしたい漫画です。

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