へやわけのできるまで・その1

2011-07-03 23:52:37 | ペンシルパズル諸々
ここ最近は、ブログに書く内容といえば
マジック関係(及び、それに関わる心情)ばかりなのですが、
決してパズルに対する情熱が無くなったわけではありません。
本当です。

しかしながら、私の制作ペースの関係上、
ブログに載せるためのパズルを定期的に作るのも、なかなか厳しいものでして。

なんとか一問のパズルで、複数回にわたって更新できないものか、
いろいろ考えてみました(しかし、なんという発端でしょうか)。



というわけで、今日から何回かに渡って、
私がパズルを作る過程を解説してみようかと思います。

「作り方講座」みたいなことは他の方もやっていますし、
あまり人に教えられるようなことはしていないので、
あくまで「自分はこう作っている」ということを見せられればと思います。

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さてさて。
まずは「何を作るか」が問題です。
数独や波及効果のような、まともに完成させるのが難しいものは流石にきついので。
作りやすくて、私も好きなパズル、へやわけを取り上げてみたいと思います。

今回のために一例として作った問題が、これです。
カンペンへのリンクはこちら



難易度としては、そこそこ難しめになりました。
では、実際の制作の流れを‥‥。



手順0.準備&イントロダクション

パズルを作るには、まずは作るための道具が必要になりますね。
Pencil Boxなどでいきなり作るという方も居るようですが、
私は基本的にアナログな人間なので、方眼紙を使って作ります。
大きな問題だと時間も手間暇もかかるので、今回は10×10にしておきましょう。

ついでに、大体の難易度も考えます。
とりあえずは、nikoli.comでいうところの「おてごろ」レベルで。



なお、実際の制作では完全に手書きですが、
ここでは説明の都合上、Excelで作った図を使います。
自宅にスキャナーなど無いのです。

また、これ以降では制作手順を以下のような流れとします。
 入り口
  ↓
 展開
  ↓
 合流
  ↓
 更に展開
  ↓
 締め
  ↓
 検討



手順1.序盤その一(入り口→展開)

へやわけに限らず、ニコリの数字パズルのほとんどは
「入り口」と呼ばれる導入部があります。
要はわかりやすい初級定理でして、ここが足がかりとなって次々と解けていくわけです。
この、入り口から次々解けていく部分を、便宜上「展開」と呼ぶことにします。

へやわけは入り口の多いパズルでして、
「角の2×2の2の部屋」や「端の2×3の3の部屋」がよく使われています。
この他、「1×1の1の部屋」や「3×3の5の部屋」も有名ですね。

私がよく使うのは、通称「廊下」と呼ばれている「1×奇数マスの部屋」です。
いろいろと使い勝手が良く、易しくも難しくもしやすいので重宝してます。
とりあえずは、「1×3の2の部屋」を盤面の適当なところに置いてみましょう。



ここでちょっと注目。
2の部屋の中心が白マスになっていますね。
へやわけ特有の「白マスが三部屋にわたって続いてはいけない」(以下「三連続禁」と略します)
ルールのため、左右どちらかのマスは必ず黒マスになります。

これを利用した中級手筋もありますが、個人的にあまり好きではないので、
早々と片方が黒マスになるように展開をさせていきます。
なので、この部屋の隣に「1×3の1の部屋」を。



いい感じに白マスが増えてきました。
せっかくなので、左上の角も攻めてしまいましょう。
「2×3の部屋」に分割して、黒マスを2つ入れさせます。





手順2.序盤その二(入り口→展開)

ニコリが採用する問題のスタンスとして、入り口が一つだけよりは
複数ある方が望ましいと某スタッフさんから伺ったことがあります。
小さいサイズですが、もう一箇所だけ入り口を作ってみます。
使うのは、一つ目と全く同じ「1×3の廊下」を。



こちらも、一個目と同じ理屈で、中心と接するマスのどちらかを黒マスにします。
ただし、展開のさせ方は少し変えてみます。
こういう、入り口は一緒でも展開が異なる問題って、好きなんです。
というわけで、「2×2の2の部屋」を。



なんとなく、それっぽくなりましたね。
どうでしょうか。

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というわけで、今回は序盤の流れを解説しました。
これから一体どうなるのか、それは次回のお楽しみということで。



今日はこんなところで。裄紘でした。

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2 コメント

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なるほどー (アンパンマ……ちみかな)
2011-07-04 12:39:28
自分とは違う感じな作り方ですね。
こういうのは見てて楽しいです。

その2も期待
こんばんは。 (裄紘)
2011-07-04 19:56:47
>アn‥‥ちみかなさん
どうもです。
私の作り方など知って、一体誰が得するんだとも思いましたが、
こういうのも一度やってみたかったのです。

あまり期待できる内容ではありませんが、楽しんでもらえれば幸いです。

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