慶応ボーイの植木屋修行

ランドスケープアーキテクト福川成一のエッセイとオーベルジュ・スミの庭の記録

春の種蒔き

2012-03-23 15:53:37 | エッセイ
春がやってきた。桜の咲く頃ほとんどの種蒔きをする。
今年になってからすでにハナビシソウ、二ゲラ、レタスを2月末に蒔き、3月始めにポリポットに植え替えた。
 御殿場は寒いのと湿度を保つためにプラスティックの収納のふたつきのものに入れ、発芽温度に合わせて室内で発芽させる。いくつも重ねることも出来るので場所を節約することが出来る。
発芽しそうになったら日の当たる場所に置き、夜だけ蓋をして寒さを防ぐ。発芽に気づかずにいると徒長してしまうのでこのタイミングが一番大切。

この方法を採用してから発芽率がとても良くなり、種蒔用セルトレーに耳掻きで二粒程度蒔く。
用土は種蒔き用土が安全で成績が良い。

 苗を買ってくるのが一番簡単な方法だが、大抵の苗は売り物にするため根が詰まっている状態になっているので、その後の生育が思わしくない。私達は庭の土壌と同じ構成の土でポット植えし、根が詰まる前、まだ花が一輪も咲かないうちに庭に定植することで健康で長期間咲かせることに成功している。

 これから蒔くのはサルビア、アゲラタム、アフリカン・マリーゴールド、ひまわりなどでスイセンやチュウリップなどの球根の花壇の植え替え用の花達である。

 今は温室に秋に蒔いたカンパニュラやデルフィニウム、ルピナス、キンギョソウや ゼラニュームなど路地では冬越し出来ない者たちによって占領されているが、霜が下りないようになると夏から秋に咲く苗の置き場となる。

 昨年は長年可愛がってきたゼラニュームを早く温室から出し、低温で全滅させてしまった。何十年もかけて赤の素晴らしい品種に統一していたのに一本の苗も残らなかった。探したが見つからず余り気に入らないゼラニュームで昨年は我慢したが秋にやっと似たものを見つけて、温室内で挿し木して増やしている。ちょっと春には間に合わなかったが、6月末のオープン・ガーデンにはきれいに咲くだろう。

毎年のことだがまだ春の庭仕事を始める前が今年の素晴らしい庭を夢見て最高にワクワクするときだ。やがて作業が始まるとまた年を取って、体力の低下を嘆き、強風や長雨、害虫やモグラに悩ませられることになる。





最新の画像もっと見る