まるで魚屋さんそのものをラーメンにしたような一杯。
これぞ本当の魚系ラーメンなのかも?
今最も食べてみたいラーメン屋さんを求めて、はるばる羽村へ!(この時点で「あ、あれか」と思った方は相当ラーメン通ですね・・・)
羽村駅は、立川から青梅線に乗って30分。一つ前の駅には有名な『雫』がある。このあたりは都心以上のハイレベルなラーメン屋が多々あり、各ラーメンフリークたちも注目している。その突破口を切り開いたのがまさに先述の「雫」であろう。
さて、2007年、最も話題の新店の一つ、『いつ樹』だ。ラーメン界の名門、『渡なべ』で働いていた方が(凪などでの修行を経て)万を期して独立。しかも、渡なべとは全く違うアプローチで勝負に出た(ここに強く感動するわけだが・・・)。修行先で学んだ味をそのまま再現すれば、ある程度はやっていけるし、そっちの方が安全・・・かもしれない。しかし、いつ樹はその道を歩まなかった。自分なりのラーメンを作り上げたのだ。まずこの点は知っておきたい。
そんないつ樹だが、何とも聞き慣れない『鮮魚系ラーメン』のお店として話題になっている。石神さんが提唱している新ジャンルの一つ。いつ樹の場合,本当の生の鯛頭(アラ)をスープに使用しているとのことだった(店主さんのお話より)。・・・実際どうなのか全く分からない。生の鯛の頭の味なんて体験したことないし・・・ 鰹節とか焼き魚くらいだったら、自分でも作れるから分かる。あら汁も分かる。けれど、生の魚の頭の出汁なんて・・・ 想像を絶している(そこがすごい!)
是非この新世界をみんなに堪能してもらいたい!そう思う超個性的なスープだった。まさにお魚屋さんの味♪ 一口飲むだけで,なんとも形容しがたい魚の荒々しい風味が口に広がる。 僕はもう『お見事!』としかいいようがない。
味は強烈だが,食べ進むと,意外にも慣れてくるのだ。で、慣れてくると,だんだんこの味がすごく美味しく感じられてくるのだ。ここがポイント。鮮魚と鶏がらスープのバランスでいうと、鶏がらスープがのちのちに際立ってくるのだ。W感覚スープというか… 最初は抵抗が若干あるのに、食べるうちにこのラーメンの味にひきつけられていく。
麺はもちろん自家製。通常のラーメンで170グラム,つけ麺で270グラムとのこと(このお店、つけ麺も超個性的。隣りのお客さんが「うむ」と言いながら、美味しそうに食べていた)。
オープン当時はなんかちょっと奇妙な肉をトッピングしていたようだが、現在は普通のチャーシューになっていた。普通のチャーシューとはいえ、柔らかくて、弾力性があって、味のしみた素敵なチャーシューだった。このチャーシュー、僕は好みだった。これでチャーシュー丼が食べたい~と。。。
都内からは遠いが,駅からは近い。行くなら今がいいかもしれない♪(秋以降にリリースされるラーメン本でおそらく大々的に紹介されるだろう。そうすると・・・)
店主さんも、都内のお店じゃないってこともあってか、すごくのびのびやってるように見えた。渡なべやex六坊って、結構都会的で、クールな感じで、お店とお客に見えない壁が聳え立っている。でも、羽村ののんびりした雰囲気の中にあるこのお店は、どこかのどかで、都会のラーメン屋さんが失った大切な何かを手にしているように思えた。
素直に応援したいと思うラーメン屋さんだった。また行きたい!
・・・なんか、とっても幸せな気分になる鮮魚系ラーメンでした!