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背中に青いまだらのある白い犬の話。

幼い頃、私は
その星と友達だった。
星はいつも私に素敵な物語を
語ってくれた。
ある日、私の眠りはどこか遠くに
出かけてしまい、
いつまでも眠る事が出来なかった。

   「おやすみ 
    おやすみ 
    今夜は私の光の毛布を
    たっぷりかけてあげよう。」

   「背中に青い斑点のある白犬の話を聞いたかい?」

私はそんな犬を見たことも
聞いたこともないので
首を横に振った。

   「その犬は真っ白な背中に
    真っ青な5月の空のような
    まだら模様があって、
    フレックと言う名前だった。
    彼はほんとに遊び好きで
    元気いっぱいの気のいい奴だけど
    時々ちょっとばかり調子に乗って
    とんでもないことをしでかしたりもした。
    どんなことを仕出かしたかって言う話は
    また別の日にすることにしよう。」

そこで薄い雲がすうっと寄って来て
星を隠したので話が少し途切れた。
やがて薄雲は去り再び星は語り始めた。

フレックは走る事が何よりも大好きで、
ふざけながら
飛び回りながら
いつまでもいつまでも
走り続けることがあった。
ある日
彼は彼の影と
追いかけごっこをして遊んでいた。
走って走って
頭の中が
空っぽになるほど走り続け、
気がつくと知らない星に
一人たたずんでいた。
その星は生まれたてで、
名前も無く、
真っ白なキャンバスのように
しみ一つ見当らず、
人っ子一人いなかった。
空っぽの星。
何も無い誰もいない。
そこにはフレックがいるだけだった。
だけどフレックは
そんなことを気にもとめず、
お腹はペコペコ,
喉がカラカラになるまで
遊び続けた。
その走りっぷりたるや
全く気持ちの良いものだった。
やがてお腹が空いて喉が渇いた。
だけど彼と彼の影以外に
何も見当らない。
そこには何も無い。
生まれたての星には
何も無い。
時が流れて、
彼の命はとうとう
“体”を脱ぎ捨ててしまった。
太陽の光が彼の体を
そっとくるんだので
まるで金色の繭玉のように見えた。
時は流れて
フレックと星は
ひとつになり、
やがて
彼の背中にあった
“空色のまだら”だけが残った。
例の5月の青空の様な奴だ。
5月の青空は
生まれたての星に
ペタンと張り付いた。

ある日、
フレックを捜して旅立った
“金色に輝く胸を持った鳥”が
とうとうその星にやってきた。
彼は小さな星を
くまなく飛び回ったけれど
フレックは見つからない。
素晴らしい天気でもあったし、
金色に輝く胸を持った鳥は
空を力の限り
きりきりと高く高く
舞い上がり、
ゆうゆうと落下を楽しんだ。
それはいつもフレックと
愉快にやっている時にした遊びだった。
彼が空の高みから
何気なく地上を眺めた時、
見覚えのあるものに気づいて
目をこらすと
それは湖だった。
とても美しい
生き生きとした
真っ青な湖だった。
水の中には沢山の生き物が住んでいて
喜びにあふれている。
金色の胸の鳥は思わず楽しくなって
得意の歌を歌いながら
再び空を飛びまわり
湖の上を高々と飛びあがる。
鳥はその美しい湖が
フレックの背中にあった空色のまだらに
うりふたつであることを歌いながら
飛び続け、
やがて
私の肩に止まってからも
歌い続けた。

その金色の輝く胸を持つ鳥にも
素敵な物語があるけれど、
それは又
この次にしよう。


    「おやすみ 
     おやすみ 
     今夜は私の光の毛布を
     たっぷり掛けてあげよう。」

そんな風に
星はいつも
私に語り続けてくれた。
あるときは楽しく
あるときは悲しく
そして残酷な話もあったけれど、

私は
星の話を聞くのが
大好きだった。



-2月6日、りゅう へ-
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (shigeyuki)
2006-02-07 21:44:09
「おやすみ

 おやすみ」

ってね。。。



seedsbookさん、

ちょっと感動してしまったんですけど。

 
 
 
shigeyukiさんへ (seedsbook)
2006-02-08 00:57:09
そんな風に言っていただくととても

嬉しかったりしますが、

昨日甥っ子の誕生日でプレゼント「?」

のようなものでした。



絵本なんか作れるといいな。とも。。。。





 
 
 
Unknown (hendayo)
2006-02-08 03:05:39
seedabookさん!そうそうそう!絵を描くべきだと思いました!
 
 
 
hendayo さんへ (seedsbook)
2006-02-08 05:28:24
そうですか?

自分で書くのもいいけれど、他の人に書いてもらおうかな?何て思ったりしています。
 
 
 
絵本!! (がんちゃん)
2006-02-08 07:02:22
絵本ですか!

激しく期待しています。
 
 
 
がんちゃん へ (seedsbook)
2006-02-08 17:14:24
そう、絵を書いてもらおうと思ってるんだけど、”先生”がね忙しすぎてだめなのよね。



期待しないで待ってね。
 
 
 
次回が楽しみ! (lapis)
2006-02-08 23:43:31
このような幻想的な物語は大好きです。とても面白かったので、これは是非とも、次のお話も書いていただきたいと思います。

色彩がとても美しいので、絵本にした方が楽しさ倍増でしょうね。こちらのほうも、気長に待っています。
 
 
 
Lapis さんへ (seedsbook)
2006-02-09 02:06:16
楽しんでいただけましたか?

嬉しいです。

絵本ですね。

いいなあ、と思うのですが時間が。。。



続きの話は書きかけがありますが、完成していません。(笑)



そのうち

そのうち

。。。。

 
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