散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

煮る干す漬ける。。。

2017-07-23 11:09:03 | 飲食後記












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アトリエの近くにブラックベリーがわさわさと茂っている。
散歩中、近所のブラックベリーをつんでいる人を何人か見かけたので、もうそんな季節なのだと気がついた。アトリエの茂みに行くとやはり真っ黒でつややかな実がたわわに実っていた。
ぎっしりと枝に生えている棘はなかなか手強く、少々摘みにくい場所でもあり、思うようには手が届かないものの苦労の甲斐があって、ジャムが壜に五つほど出来た。
数年前の今頃、今は亡き母と甥が我が家にしばらく滞在した事があった。アトリエのブラックベリーを楽しそうに、そして一生懸命摘んでいた母は作ったジャムなぞどうでも良くて"摘む"のが楽しいと言った。完熟の潰れたベリーの色で手を染めてニコニコしていた母を思い出す。
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ドイツには梅の木はない。だから梅干を作ることは出来ない。しかし梅の代用に杏を使う事もあって、かなり梅干に近い杏干を食べたことがある。
ひと月ほど前、あなたは肝臓が草臥れているようだから杏を食べると良いといわれて素直に杏を一箱買った。それを食べながらふと塩漬け杏に挑戦したくなって急遽仕込んでみたら、上出来とは言えないまでも、なんだか少しずつそれらしくなってきている。残念ながら赤紫蘇が無いので色白のままだが、来年は赤紫蘇の種も蒔かねばならない。種を入手しなければならない。来年の杏干の作りは紫蘇の種蒔きからはじまる。
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ドイツのキャベツは日本の柔らかなキャベツと違って葉がしっかりとしている上、巻きが固い。頭の上に落とされたら。。。まあ、命は無い。武器に出来るほど固い。ざくざく切ってソースをかけて食べるような柔なキャベツとは違うのだ。しかしザウアークラウト(キャベツの漬物)にはこの石頭なキャベツが良いのだ。これが発酵すると煮ても焼いても具合良いしっかりした歯応えの漬物に変化する。
ドイツに来てしばらくたってからやわらかいサラダ用のキャベツが出回るようになった。(それでも日本のキャベツより葉がしっかりしているように思う)そのサラダ用のキャベツでザウアークラウトを作ってもみたが何か物足りない気がする。大きな専用甕で作ると場所の確保も量も大変なので、500ml入るガラス壜を使う簡易的方法を選んだ。醗酵キャベツはしばらくすると壜の中で泡が動き始め、かすかにプチプチと囁き始める。その時の野菜によって醗酵の具合も変わるのが面白いのだ。今も何か囁いているのが聞こえる。
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テラスのローズマリーや月桂樹、ヘメロカリスの葉で納豆も作ってみたが、これもなかなかそれらしく出来た。
納豆菌はどこにでも存在する。売られている納豆の菌と葉っぱに付いている菌は厳密に言ったら違いがあるのだろうか。。その点気になるところではあるけれど大豆は納豆にしっかり変身し、美味しい。
大豆をしっかり蒸して瓶の中に入れ植物を乗せる。どの植物でも出来るのかどうかわからないが、上手く行く葉とそうでない葉があるかもしれない。
思い出せば子供の頃納豆が大嫌いだった。ついでに味噌、蕎麦、饂飩が嫌いだったが、今ではどれも好きな食べ物リストに並んでいる。


箱庭で作っているハーブや小さな野菜を摘んでママゴトのような事をしているひとときは至福。





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2 コメント

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豊かな暮らしですね。 (オバタケイコ)
2017-09-01 18:53:28
杏の塩漬けがとても気になります。美味しそうですね。私も5年前から味噌を仕込んでおります。ケーキはいつも手作りです。安上がりですしね(^-^)出来上がりも楽しみですが、作る工程がとても楽しいですね♪
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オバタさんへ (SB)
2018-02-11 20:41:05
ずいぶん昔にいただいたコメントのお返事をいまさらするのはどうなのかと思いましたが、一言。笑
手作りの味噌はおいしいでしょうね。味噌は作ったことがありません。作ってみたいです。
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