散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

Inception

2010-08-01 19:01:14 | 映画の話




映画の気分になったのでインセプションを観にいった。
実は見るまではそれほど期待していなかったのだが、なかなか面白かったので満足。
”Matrix”“Dreamscape”“Dark City”や”The Cell"にMission Impossibleで味付けしたと言ってしまったら、あちこちから素材を頂いて良い所盛り合わせお子様ランチ。。。と聞こえるかもしれないけれどそうでもない。奇想天外目から鱗が飛び落ちる程ではないにしても独創的だしこれだけ良くまとめたものだと感心する。
好みは千差万別、退屈してしまう人も多い事だろう。
後半でのアクションシーン(誰が誰とも見分けのつかぬ雪景色のなかでの銃撃戦)は少し長すぎるようにも思えたり、いくつか気になる点は出てくるものの、あんまり重箱の中ばかりつついていても仕方のないこと。
エンターテインメントな映画ではあるけれど、設定状況が高速テンポで移行するのとわかり難さで、このタイプの映画を好まない人には苦痛になるかもしれない。
簡単に言えば他人の夢に入り込み或るアイディアを植え付ける話で、予想外のファクターがミッションを難航させる。
夢は幾つかの階層に分かれて、それぞれの夢の段階でタイムラグがあると言う設定で、4つの夢の中で起こっている事が同時に上手くかかわりあいながら進行する。(夢が深くなるほど体感時間は長い。。浦島太郎現象の逆)
夢か現実かの区別を確認する為にそれぞれのメンバーは『トーテム』を携えているという設定も魅力的。(主人公のトーテムは美しい形の金属の独楽で、夢の中で回したら決して倒れない)-ここで私がトーテムを選ぶとしたら何かなあ。。。などとのんびり考えていると置き去りになるので注意-
このミッションを遂行するチームは目的達成はできたのだけれど、その点は物語が進行する内に二次的な物になって途中から彼らの戦いは違う方向に向かっている。
夢から覚める為に『キック』が必要と言う設定で、それは『落ちる』ことだったり『死』であったりする。その時の合図にEdith Piafの"Non, je ne regrette rien"が使われていて、この曲の選択も意味深に思う。
最近CG特殊効果をこれでもかと見せられて食傷気味だったのでそれが少ないのも悪くないなと思った次第。
ラストシーンでは『一体真実はどちらに?』と言う場面で観者達にその選択をゆだねて終わる。
結末放り投げ型には時々がっかりしたりするものだけどこれに関しては悪くないな、と思う。



以前私は夢の中で『これは夢の中だから、この窓から飛び降りても死なない』と考えながら飛び降りた事がある。
普通は地面に叩きつけられるところあたりで恐怖の針が飛び跳ねて目が覚めると言うところなのだけれど、その時は確実に夢だと信じていた所為か、地面に落ちた。
落ちる事は『キック』にはなっていなかった。落ちても痛くはないし、アスファルトは暖かく乾いた感じでむしろ気分が良かった。
確かその後は気まぐれに場面が変わっていったように記憶しているのだけれど、『これは夢だ』と勘違いしているのだとしたら?とこの夢をたまに思い出す。
私も『トーテム』を作っておくことにしましょうか。。。。何が良いかな?



追記:

音楽担当はHans Zimmerでなかなか良かったが、こんな分析をした人があった。
実際Zimmer氏がどう作曲したか真相はわからないけれど、このテーマが『キック』の合図であるフレーズを極端にスローダウンしたものだったとしたら、夢の階層ごとにのびて行く時間を象徴しているようにも思える。
どうなのだろう? 
面白い事を思いつく(気が付く?)人もいるものだ。







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6 コメント

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De Caprio (LE)
2010-08-03 21:53:26
が好きじゃないのでへーんと思っていたけれど、seedsbookさんの解説読んで面白そうだなとおもった。今晩みてくる~!

なるほどねぇ、スローにしただけだったのか。よく気がついたね、ほんとに。
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LE さんへ (Seedsbook)
2010-08-04 01:40:31
私もDe Caprio が好きじゃないのです。
(私の周りには同意見がおおいなあ)
でも、面白かったよ。
結構長い映画だったけれど、私は退屈せずに観られた。
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観てきました (LE)
2010-08-05 23:42:18
わたしはすっごく面白くて、子供のようにかんかんになって観ていましたが、ザッハは、ふっ!けっ!ってかんじで、必死になってみているわたしをみて、君のインテリジェンスを疑うとかなんとか。SFやフィクションの世界に溺れることができない理性がんじがらめ派、かわいそう~。絶対に面白かった!DVD買って分析視聴したいわ。

だって、ほんとに夢の一瞬って人生全部の長さを観れるぐらいだもんねぇ?

DeじゃなくてDi Caprioだったね。なかなか好きになれないよね、あの人。あまりにタイタニックのときのつまらん演技が後を引き過ぎている。
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LE さんへ (Seedsbook)
2010-08-06 05:00:27
そうでした。Di Caprio。。。。
タイタニック。。。ね。あの映画は彼だけじゃなくてあの女主人公も好きじゃなかった。というか、あの映画自体がね。。。今ひとつ。何であんなに売れたのかとおもってました。
面白かったでしょう?Inception、SFを侮る人たち多いです。ま、私など実際インテリジェンスと縁遠い人間かもしれんなあ。。。笑
SFだってアクションで終わってしまうものでどうしようもないのあるけれどね。。。なかなか深遠ですよね。同じテーマを器を変えたら見て感心する人もいると思う。でも好みは色々。。。

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ほんとうに (LE)
2010-08-06 07:10:10
ときどき夢と現実がどちらが夢で現実なのかわからない、と思う時、あるもんねぇ?

最近みる『怖い夢」というのは、いつも彼方の空がまっ暗になっていて、単に雨が振るのではなく「なにか」が(襲いに)やってくるという恐怖感でいっぱいになる夢。子供の頃から、空から「なにか」が襲ってくる夢みるんだけど、なんだろうね?ほんとはそういう次元に魂がとんでいってるのかもしれないし。(あ、また、インテリジェンスを疑われる発言。)
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LE さんへ (Seedsbook)
2010-08-06 17:58:36
夢は分析すると色々に言われるけれど、あんまり深く分け入って分析する気はないです。いたずらにそんな話はするけれどね。
何事も決まった引き出しに整理整頓されるのが嫌というだけだけど。。。
平行宇宙に移動しているくらいのことは考えたって良いもの。
インテリジェンス疑われてもいいさ!ってね。
でも、人間は寝ている間に 海馬に収められている今日あった物事を要素としてラ ンダムに組み替えながらおさらいする。。。という本を読んだそうで、すると記憶する夢が減っている最近というのは日頃印象的に受け止める事柄が減ったという事かな?なんて思ってしまった。
そういう話じゃないかもしれないけれど。。。
やっぱり、嫌。。。といいながら、分析しちゃう。。。?笑
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