最近購入した美しい本の自慢。
近頃ではアマゾンだのなんだのとインターネットで物を捜して、買える便利さの誘惑に少しずつ負けてしまい、立て続けに何冊か買ってしまった。
かなり抑えているのでまだ恐ろしい借金地獄に陥っているわけでもないし、言うほどに大げさな話ではないのでここで自慢するといってもささやかなものだ。
オリジナルはイタリア。ドイツ語訳Partas出版
絵画の中の植物、昆虫、動物などのシンボル性について。
この手の本はパラパラと暇を見つけてページをめくってつまみ食いするのが楽しい。これはシリーズの中の一巻で絵画の中の”シンボルとアレゴリー”、”天使と悪魔”、”聖人と伝説”などが又面白そうだから、いづれ揃うといいと思っている。
オリジナル英国。Frederking & Thaler出版
。。。とりこになった視線。はそれだけに思い入れがこもってそれほど珍しくも無い一枚の葉でさえも、不思議な魅力をまとってしまう。実際道端に咲いている花もその仕組みを改めて眺めれば,神秘的な”生命”のシステムに目を見張るばかりである。ここには魅了された画家達の視線を感じる。
昔から自然を捉えようと、自然科学資料としても描かれてきた細密画はもちろんそれだけに終わっていない魅力的な作品群なのだ。
作家自身探検家でもあったり、自然科学者であったり、探検家と共に旅をし採集し記録した人達。
話から描きあげた不思議な絵などはなんとも楽しい。写真という手段が無かった頃、唯一の記録方法であった頃の事だ。
今のように写真やフィルムで見ることも出来、運よければ実物を見る機会も少なくない我々が見ているものと彼らの視線が捕らえたものは同じものが対象であっても、どこか違うのではないかと思ってしまう。
異国への憧憬と神秘という味付けが加わっているのかもしれない。
マリア シビラ メリアン ”昆虫の本”
銅版画家であり自然科学研究家であったマリア シビラ メリアン(1647~1717)は有名な銅板画家マテアス メリアンの娘だ。オランダ領だった南米ガイアナの植物と昆虫の(特に蝶の孵化についての観察)調査と銅板画の記録で知られる。当時活躍した女性は数々いたはずだかあまり取り上げられる事が無かった。中でも彼女の功績はなかなかなもであったと思う。500ドイツマルク札には彼女の肖像画印刷されていたが、500マルク札と言うのは普段それほど使われないものだし私自身あまり見かける事が無かったもので残念だ。
先日見た展覧会、ランブール兄弟の時祷書の展覧会のカタログ。英語版とオランダ語版のみ
これはもう数年前に買ったカール ブロスフェルドの写真集。
植物の部分写真。最終的に採用される写真を選ぶ前に並べられたもののようだ。アチコチに編集中の印だろうか、○だの×だの数字が青や赤のペンで書き込まれている。ブロンズのように撮影された植物は限りなく金属的、硬質なイメージを持っていて不思議な感じがする。Schirmar-Mosel Produktion
これは以前にも美しい図鑑の自慢話を書いた時に既にあげているマルコポーロの”東方見聞録 驚異の書”。
何故もう一度ここにあげたかというと、 実は絵ばかり眺めて満足していて解説を読まなかった私がいまさら驚いた事はあったからだ。 それと言うのもこの本はベリー候(”いとも美しき時祷書”)の甥であるヨハン(ジョン)無怖候が発注して作らせた羊皮紙299枚(598ページ)の大作で、ベリー候に贈った本であるというのを知らなかったからだ。どういうわけだか作家についての記録が残っていないらしい。
他にフロレンス、シエナにおいてペストが与えた影響が社会経済にばかりではなく信仰や芸術にどんな影響を与えたか?というようなテーマの本とフロレンスに観るイタリアルネッサンス美術の痕跡というような内容の本が安売りだったので買ってしまった。
その上図書館で4冊。
時祷書についての本2冊、中世絵画の中の”木”だけを取り上げた本。これらは図版が殆どで読むところも少ない図鑑のようなものだ。眺めて楽しい本。
最後の一冊は”Steinerne Raetsel、Geheimnisse mittelalterlicher Bauwerke ‐ 石質の謎、中世建造物の秘密” 図版は少ない。
日本語で読めたら楽だろうにと思うけれども、仕方ない。目次を見ているとなんとなく楽しそうな本だが、前書きを読んでいてちょっぴり偏り気味かもしれない気もしてきた。謎物好きの向きには多分楽しいかもしれないが、学術的にはどうなのだろう? 最も私は謎好きだけれど。
他にも読みかけが少なくとも、忘れていないだけで片手の指の数ほどある。 忘れた分も思い出せばもっとあるわけだ。魔法が使えてパチンと指をならせば全部和訳に変換できるといいのに、と夢見てもかなわぬ事なので、端から少しずつ齧る努力をするしかない。
そう思いながらも面白そうな本がすぐに見つかるので困る。だからインターネットで本屋をのぞくというのはしばらくやめておいたほうが良いようだ。
特に、ランブール兄弟の時祷書の展覧会のカタログが欲しいです。
何だか、僕も自慢したくなりましたが、自慢するものがないような。(笑)
>魔法が使えてパチンと指をならせば全部和訳に変換できるといいのに
激しく、同意です。でも、ドイツ語が堪能なseedsbookさんはまだしも、語学が苦手な僕はどうすればいいのでしょうか。(苦笑)
ルドゥテだけだと、多勢に無勢なので、ランブール兄弟つながりで、もう一つTBさせていただきます。
よろしくお願いします。
奇遇ですね、わたしもこの最初の本、買ったんですよ。スイスのバーゼルの美術館で購入しました。いろいろな花や植物がどのような意味を持っているのか、何を象徴しているのか、キリスト教に詳しくないわたしでも読んでいると面白いです。他のご紹介の本もとても興味深いです。ご紹介ありがとうございます。
ちょっと新しいのが届いたので自慢しました(笑)
Lapisさんの本棚には自慢するものが沢山あるでしょうが、多分捜すのが大変なのでは無いかと想像します。
ランブール兄弟時祷書のカタログはハードカバーもありましたが、高いのと重たいのがサラに重たくてこれにしてしまいました。
私は図鑑や辞書が好きですからこの手のものには弱いのです(笑)
他のシリーズも欲しいのですが、ちょっとそうそう買っていられません。
シンボルとしての小道具は興味深いものです。
コメント有難うございました
時祷書のカタログは、私もlapisさん同様、是非とも欲しいかも?英語版なら辞書ひきひき読めるし。そういうのは是非アマゾンで売って欲しいですね!
異国の地の知られていない植物や昆虫の本、いいですよねぇ~。人びとの好奇心と憧れが一緒になって渾然としつつも、なんか素敵。
中世建造物の秘密もなんか表紙からして、関心をそそりますね。読めないけど…残念!
いつも思いますが自然の作る美に人はかないませんね。
色の使い方などもそう思います。
昔の人々もそう感じたのでしょうね。
それにそれを絵に描き残す事がなされた訳で
当時の方々がその美しさや巧みさに心打たれて
書き残されたのでしょう。
こっと遠くて難しいですね。
私もalice‐room さんの本の紹介を読んでたびたび思いますから。。(笑)
美しい本、素敵な本は沢山ありますね。
昨日も目の毒を沢山見てしまいました。
中にはすぐに色を塗れないので色のコードを編み出して記入し後日塗るという人の下図もあって驚きました。昔の旅だから時間はかかったでしょうし、旅の後には印象があやふやになりそうですが凄いものです。
そういうことなども想像しながら絵を眺めると又楽しい。
美しい本を自慢されたので、僕も記事を書いてみました。seedsbookさんのコレクションほど美しくありませんが、画集つながりと言うことでTBさせていただきます。よろしくお願いします。
ただ、残念なことは、全部揃っていません。(苦笑)
ふぞろいなので不完全なコレクションです。
自慢どころか、自爆になってしまいました。(笑)