医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

「PCR検査を皆に行うのは有益でない」ことは、頭が悪い人には理解できないと思う

2020年05月14日 | 感染症
新型コロナウイルス感染の統計が徐々に明らかになってきています。
理解することを容易にするために数字は簡単に近似して考えてみます。これまで新型コロナウイルスに感染した人は約1万5千人で治癒した人が約5千人ですから、現在の感染者は約1万人です。日本の人口を約1億人とすると、有病率は0.1%です。

これが日本全体を母集団とした有病率です。PCR検査の感度(真の感染者がPCR検査で陽性と出る確率)は約70%です。百歩譲って80%とします。特異度(真の非感染者がPCR検査で陰性と出る確率)は99%です(有病率10%以上だったクルーズ船下船時の検査で陰性でも下船後濃厚接触がないのに陰性的中率=200\200+8910=2.1%の確率で陽性が判明・発症した原因です)。

このPCR検査を日本全体を母集団として行った場合が上の図の左です。(本来は縦軸と横軸は逆ですが、この方が理解しやすいのでこうしています)
理解しやすいように1万人の母集団で考えてみます。有病率は0.1%ですから、真の感染者は10人、非感染者は9990人です。PCR検査の感度は80%ですから、陽性に出るのは8人、陰性に出るのは2人です。同様に、PCR検査の特異度は99%ですから、陽性に出るのは9990人の内100人、陰性に出るのは9890人です。

さて、この母集団ではPCR検査の陽性は108人です。しかし、図を見てわかるように実際に感染しているのはたった8人です。陽性的中率(PCR検査で陽性だった人が本当に感染している確率)はたった7%なのです。つまり皆に網羅的にPCR検査を行うと93%の人は感染していないのに感染していると判断され、病院や軽症者用のホテルに収容されることになります。こんなこと皆さん嫌ですよね。それにこんなことしていたら病院の病床やホテルの部屋がすぐに満員になり確実に医療崩壊を起こします。これがPCR検査を闇雲に行ったニューヨークで医療崩壊が起きた理由です。

一方、医者が判断して「この人は怪しそうだ」という人に限ってPCR検査したとします。その際の有病率は正確にはわかりませんが、仮に10%まで上がるとします。それが上の図の右です。
理解しやすいように1万人の母集団で考えてみます。有病率は10%ですから、真の感染者は1000人、非感染者は9000人です。PCR検査の感度は80%ですから、陽性に出るのは800人、陰性に出るのは200人です。同様に、PCR検査の特異度は99%ですから、陽性に出るのは9000人の内90人、陰性に出るのは8910人です。

さて、この母集団ではPCR検査の陽性は890人です。そして図を見てわかるように実際に感染しているのは800人です。陰性的中率(PCR検査で陰性だった人が本当に感染していない確率)は98%に低下しますが、陽性的中率(PCR検査で陽性だった人が本当に感染している確率)は89%まで改善します。つまり医者が判断してこの人は怪しそうだという人に限ってPCR検査を行えば本当に感染している人に絞って病院の病床やホテルの部屋に収容することができ、ニューヨークで起きたような医療崩壊を防ぐことができるのです。

その一方で、陰性的中率(PCR検査で陰性だった人が本当に感染していない確率)が98%というのは陰性と出ても2%の人を見逃して市中に逃していることになります。これが現在感染者が未だに多少出ている理由の1つです。

ニューヨークで起きたような医療崩壊を防ぐためにも、医者が判断してこの人は怪しそうだという人に限ってPCR検査した方がよい理由がここにあります。

頭の悪い人たちは、「皆にPCR検査しろ!」と言いますが、このようなことが理解できていないのです。


福山哲郎もその一人で、日本人に帰化したものの、どうして元朝鮮人に日本をかき乱されなければならないのか、本当に腹が立ちます。

【福山哲郎 国会】尾身氏への恫喝質問で批判殺到中

頭の悪い人たちは、「PCR検査を増やさないから死亡するのだ!」とも言いますが、これも誤りです。これも私が新型コロナウイルス感染を魚の油EPA製剤エパデールの研究での「死亡」から再考するで示しました。医療従事者なら誰でもわかることですが、確実な治療法はなく、原因不明の肺炎で危篤になっているのに新型コロナウイルス感染を調べないことなどなく、新型コロナウイルス感染の死亡者数を見逃すことなどないからです。

ここにも詳しく解説されていました。

新型コロナウイルスPCR検査は国民全員に行うべきなのか
PCR検査の特性と限界 | 公益社団法人神奈川県医師会
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査の意義をEBM的思考で考える

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コメント (1)
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