ぶらっと散歩

訪れた町や集落を再度訪ね歩いています。

山口市徳地の八坂は旧石州街道沿いに集落

2019年10月15日 | 山口県山口市

            
        この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分1地形図を複製したものである。(承認番号 令元情複 第546号)
         八坂は西部を佐波川が大きく湾曲し、東部から三谷川が地内で佐波川に合流する。佐波
        川の左岸を国道489号線が走り、旧道は防府と石州を結ぶ街道であった。地名について
        川の傍で坂というものはなくはっきりしないという。
(歩行約3.4㎞) 

           
         堀バス停から防長バス佐波川行きバスに乗車して、横野バス停で下車する。

           
         下八坂集落には庭の広い農家住宅が旧道に沿う。

           
         右手に妙見社の大イチョウを案内する木柱がある。

           
         土蔵の先に大イチョウが見えてくる。

           
         鎌倉期の1244(寛元2)年に創建された妙見社が、火災により焼失した際に植えられた
        と伝えられている。樹齢700年余りと推定され、高さ37m、目通り幹回りは約12m
        の巨樹である。
         遠方からよく望まれるため、昔はこの樹の黄葉によって麦の蒔きつけ時期を知ったとい
        う。

           
         災難を取り除き、人の寿命を延ばす福徳があるとされる妙見社。

           
         長閑な里風景が広がる。

           
         旧石州街道であるが石碑等は少ない。(猿田彦と地蔵尊) 

           
         一旦、国道489号線に出て、右手の旧三谷川商店街に入る。

           
         1955(昭和30)年代には右手に旧農協や中国電力の散宿所があった。

           
         洋品店、豆腐屋、精肉店などが建ち並んでいた界隈。

           
         当時の面影は失われている。

           
         三谷川手前の左手には、料理屋だった看板が残されているが、いつ頃まで営業されてい
        たのだろうか。

           
         隣はタクシー営業されていたようで車庫が現存する。

           
         三谷川に架かる三谷川橋。

           
         郵便局、派出所は三谷川の南側に移転しているが、過去の中心地はこの先にも続く。

           
         この付近に医院2軒と薬局があったとされる。

           
         有近家住宅の対面には、映画館と3軒の旅館があったようだ。(旅館は看板もあって営
        業されているようだ) 

           
         有近家(国重要文化財)は江戸時代から酒造業を営むとともに、明治時代には周辺の農地
        や山林を所有する当地方有数の地主であった。

           
         1892(明治25)年築の主屋は街道に面して建てられたが、1924(大正13)年に曳屋
        して現在地に移したとされ、現在の屋敷構えが整えられた。
         1933(昭和8)
年には防府の毛利本邸を手本にしたとされる表座敷が増築された。(左か
        ら長屋、漬物小屋、米蔵)

           
         醸造場の敷地最奥に建つ長大な仕込蔵及び留蔵は、1923(大正12)年の建築である。

           
         1889(明治22)年町村制施行により、三谷村、八坂村、引谷村、船路村が合併して八
        坂村となり、この地に村役場が置かれた。

           
         村役場の対面に鍛冶屋、新聞屋、米屋などがあったが、現在は空地となっている。

           
         警察派出所だったとされる建物である。

           
         酒店だったのか下田日進堂の看板が残る。右の空地には防石バス八坂駅があった。

           
         地蔵堂の先に水路。

           
         理髪店だった先に大歳神社。

           
         八坂小学校のある集落に入る。

           
         妙壽院の山門(曹洞宗)

           
         茅葺き屋根をもつ山門は、高さ約6m、幅約7m、奥行きが約5mで、2012(平成2
        )年に屋根修理が行われた。

           
         天文年間(1532-1555)に大内氏の家老・陶興房が創建し、当初は大幻院と称し
ていた。

           
         墓標のようなものが並べられているが、案内板もなくわからないままとなる。

           
         国道に合わすと正面に旧八坂中学校。

           
         佐波川右岸を散策する予定であったが、佐波川沿いに道がないことが判明し、サッカー
        広場バス停より堀バス停に戻る。  


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