第2回インキュベーション・ウィーク関西のシンポジウムの交流会に参加、
その後、大阪・扇町インキュベーションプラザでの「第65回産業クラスター
研究会」に行きました。
シンポジウムの交流会でビックリ、初めての方((独)産業技術総合研究所
のYさん)に名刺を交換したら「ブログの方ですね?」「うん?」、
お話を聞くと確かに私のブログの内容です。隠れ読者でした。
最近、ブログにコメントをしないで直接メールを頂いたり、会ったときに
最初の言葉が「見てますよ」が多くなりました。 さて、
今回の産業クラスター研究会は、経済産業省出身で、2005年度まで
(独)経済産業研究所のファカルティフェローとして活躍し、現在は
京都大学経済研究所でご活躍中の児玉俊洋さんにお聞きしました。
話題提供者:児玉俊洋さん
京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター教授
テーマ:『製品開発型中小企業』をテコとしたクラスター形成
~京滋地域における調査結果を踏まえて~
気になることとメモ:(活動報告を一部転用)
・関東通商産業局時代にTAMA協会の立ち上げに関わられたご経験から、
製品開発型中小企業がクラスター形成の核となることに着目し、
京滋地域でも同様の視点で調査を進めてきた。
・日本の政策におけるクラスターの概念:
産業集積の構成主体(企業、大学・研究機関等)間に新技術・新製品開発
とその事業化のための連携からなるネットワークが発達している状態
・定義の要素と特徴:
-産業集積の存在
-ネットワークの形成
単なる生産分業ネットワークではない、イノベーションネットワーク
-特定産業分野は必須ではない、多様な技術や知識の連携を目指す
・製品開発型中小企業:設計能力があり、自社製品の売上がある中小企業
・基盤技術型中小企業:研磨、プレス、メッキ等製造業の加工を担う中小企業
・TAMA(技術先進首都圏西部地域)協会:1998年発足
1996年度に関東通産局が「広域多摩地域の開発型産業集積に関する
調査」の結果、行政の仕掛けもあったが自主的な推進団体が出来た。
・TAMA協会の事業
①TAMA-TLOの設立 ②インキュベーション施設との連携
③バーチャルラボラトリーシステムの開始 ④人材マッチィング事業開始
⑤TAMAファンドの設立 ⑥販路開拓・海外展開支援事業の本格化
⑦若者とTAMAの企業とのネットワーク構築事業開始 ⑧製品・技術
連携スクエア構想など
・京滋地区アンケート調査の目的と方法
目的:製品開発型中小企業の把握、その結果から政策提言
対象企業:中堅、中小企業 2183社 大企業 14社
実施時期:2006年11月
・その結果、製品開発型中小企業は、受発注取引関係、研究開発投入指標、
研究開発成果指標、新技術・新製品開発のための連携指向性のいずれに
おいても高い傾向があり、ネットワーク形成志向が強いことが分かった。
・産学連携へのニーズと課題
①新分野進出に伴い新たな技術課題に遭遇、大学や公的研究機関との
連携ニーズは強い
②自力で連携先の探索に成功している企業は少ない
③連携先の情報についての探索の仕方や有効な探索環境が必要
④大学、公的支援機関のリエゾン機能の利用が鍵
⑤その先の課題として、技術人材の不足が障害となる
・製品開発型中小企業をコアとする産業クラスター形成のための課題
①産業クラスター形成の担い手となる企業を探す(製品開発型中小企業)
②提携先の効果的な探索の仕組みの構築(事例TAMA協会)
③大企業のニーズとのマッチィング
④技術人材の確保
最後の④の提案として「大学若手研究者派遣制度の提案」を出されましたが、
非常に魅力的で興味があります。もし、TAMAで実施したように授業単位
として認定されるならば、大学、学生、中小企業にメリットのある制度に
なると思います。ぜひ母校にも提案してみたいです。
報告後は、私も含めて参加者から活発な質問が出され、時間が足りない
くらいでした。
その後、大阪・扇町インキュベーションプラザでの「第65回産業クラスター
研究会」に行きました。
シンポジウムの交流会でビックリ、初めての方((独)産業技術総合研究所
のYさん)に名刺を交換したら「ブログの方ですね?」「うん?」、
お話を聞くと確かに私のブログの内容です。隠れ読者でした。
最近、ブログにコメントをしないで直接メールを頂いたり、会ったときに
最初の言葉が「見てますよ」が多くなりました。 さて、
今回の産業クラスター研究会は、経済産業省出身で、2005年度まで
(独)経済産業研究所のファカルティフェローとして活躍し、現在は
京都大学経済研究所でご活躍中の児玉俊洋さんにお聞きしました。
話題提供者:児玉俊洋さん
京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター教授
テーマ:『製品開発型中小企業』をテコとしたクラスター形成
~京滋地域における調査結果を踏まえて~
気になることとメモ:(活動報告を一部転用)
・関東通商産業局時代にTAMA協会の立ち上げに関わられたご経験から、
製品開発型中小企業がクラスター形成の核となることに着目し、
京滋地域でも同様の視点で調査を進めてきた。
・日本の政策におけるクラスターの概念:
産業集積の構成主体(企業、大学・研究機関等)間に新技術・新製品開発
とその事業化のための連携からなるネットワークが発達している状態
・定義の要素と特徴:
-産業集積の存在
-ネットワークの形成
単なる生産分業ネットワークではない、イノベーションネットワーク
-特定産業分野は必須ではない、多様な技術や知識の連携を目指す
・製品開発型中小企業:設計能力があり、自社製品の売上がある中小企業
・基盤技術型中小企業:研磨、プレス、メッキ等製造業の加工を担う中小企業
・TAMA(技術先進首都圏西部地域)協会:1998年発足
1996年度に関東通産局が「広域多摩地域の開発型産業集積に関する
調査」の結果、行政の仕掛けもあったが自主的な推進団体が出来た。
・TAMA協会の事業
①TAMA-TLOの設立 ②インキュベーション施設との連携
③バーチャルラボラトリーシステムの開始 ④人材マッチィング事業開始
⑤TAMAファンドの設立 ⑥販路開拓・海外展開支援事業の本格化
⑦若者とTAMAの企業とのネットワーク構築事業開始 ⑧製品・技術
連携スクエア構想など
・京滋地区アンケート調査の目的と方法
目的:製品開発型中小企業の把握、その結果から政策提言
対象企業:中堅、中小企業 2183社 大企業 14社
実施時期:2006年11月
・その結果、製品開発型中小企業は、受発注取引関係、研究開発投入指標、
研究開発成果指標、新技術・新製品開発のための連携指向性のいずれに
おいても高い傾向があり、ネットワーク形成志向が強いことが分かった。
・産学連携へのニーズと課題
①新分野進出に伴い新たな技術課題に遭遇、大学や公的研究機関との
連携ニーズは強い
②自力で連携先の探索に成功している企業は少ない
③連携先の情報についての探索の仕方や有効な探索環境が必要
④大学、公的支援機関のリエゾン機能の利用が鍵
⑤その先の課題として、技術人材の不足が障害となる
・製品開発型中小企業をコアとする産業クラスター形成のための課題
①産業クラスター形成の担い手となる企業を探す(製品開発型中小企業)
②提携先の効果的な探索の仕組みの構築(事例TAMA協会)
③大企業のニーズとのマッチィング
④技術人材の確保
最後の④の提案として「大学若手研究者派遣制度の提案」を出されましたが、
非常に魅力的で興味があります。もし、TAMAで実施したように授業単位
として認定されるならば、大学、学生、中小企業にメリットのある制度に
なると思います。ぜひ母校にも提案してみたいです。
報告後は、私も含めて参加者から活発な質問が出され、時間が足りない
くらいでした。