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「スタンドアップ」

2006-01-25 | 過去に観た映画
新年早々、またも大好きな作品に出逢ってしまいました…(爆)
でもこれは事実を元に描かれた「集団セクハラ訴訟」を
題材とする社会派ドラマです。女性には辛い内容なのは然り。。

これを観ようと思った大きな理由は主演のシャーリーズ♪
「モンスター」でアカデミー賞を受賞し、今後もSF大作が
続く売れっ子女優ですが、前回同様、容姿とかけ離れた役どころ。
鉱山で働く、女性労働者の役です。だけどね!キレイですっ!
美人っていうのはどんな格好をしたところで美人なのねー(^_^;)
私はそれが功を奏した感もあるのですよ…だってその方が、
余計にセクハラに対しての説得力が出ますから(爆)
鉱山で働くような見た目に男らしい男性たちが、いかにセコくて
汚くて、ケツの穴の小さいボンクラ男であるかを描いた本作。
(同業者の皆さま、映画の中でのことですのでゴメンなさい。)
メス豚どもが、自分たちの仕事場を乗っ取った!とくるのです。
当時は、確かに時代的にも閉鎖的な環境だったのでしょうが、
何しろ稼ぐためには、女性だの男性だのに構ってはいられません。
そこに働く女性たちは皆、家族のために食い扶ちを稼ぐ労働者でした。

私は、アメリカでセクハラ訴訟が起こり女性が勝訴した!というニュース
を聞いた時、もっと女性優位の状況で起きた裁判なんだと思っていました。
でもこの作品で描かれる最初のセクハラ訴訟は、そうじゃなかった。
誰も手助けをしてくれず、クビを宣告され、父親にも見放された女性の
誰かがこの状況を変えなければ!という孤独な闘いでした。
それを演じたのが先ほどの美人女優、シャーリーズなのです。
彼女だからねぇ…という先入観は感じないほど、見事な熱演でした。

私は当初、彼女が可哀相な女性だとか被害者(なのですが)的な発想は
持ち合わせていませんでした。彼女は十代で父親の分からない子供を
妊娠出産、その後結婚した男性は暴力亭主。父親の違う子供二人を連れ、
命からがら実家に帰った彼女に父親の目は異常に冷たい…。でも仕方ない。
そんな娘に育てた覚えはない!お前は恥さらしだ…!とまで言い切る父親。
このあたりはかなり辛かったです。自分の身から出た錆は、肉親でも
フォローはしてくれません。父親の働く鉱山で働き始めた彼女に、
早く辞めるよう促し続ける父親の頑固さに、なぜか自分の父親を連想(汗)
だけど彼女は稼ぎ続け、念願のマイホームをローンで手に入れるまでに♪
これで終わればハッピーエンド…そこに横たわるのがセクハラ問題でした。

からかう程度のものから始まり、だんだんと異常な行動に出始める男たち。
女性たちに落ち度があったか?確かにセクシーな格好をしたり(仕事外で)
ダンスを楽しんだりする余裕はあっても、仕事は仕事でこなしています。
私目に見て、彼女たちに落ち度があるとは思えない。むしろ、何かの
はけ口として女性を標的にしている彼らの精神状態を疑いたい気分でした。
エスカレートしていく男たちの行動に、ついに彼女が立ち上がりますが…。
裁判が始まったあたりから、彼女の過去が次々と暴かれてゆきます。
そして実は彼女が子供に関する重大な秘密をもっていたことも発覚し…。
クライマックスはやはり泣けてしまいました。彼女の受けた試練とは、
すでにずっと過去に存在していたのでした…。

社会派ドラマですがN・カーロ(「クジラの島の少女」)監督作だけに、
親子の繋がりや友情、病との闘いも挿入されていて、観やすいと思います。
彼女の同僚=親友としてF・マクドーマンドが大好演!素晴らしいです。
彼女の存在があって、初めてスタンドアップが成立するくらい。そして
その夫にあの♪ショーン・ビーン(いい夫役!)がこれまた素晴らしい演技。
シャーリーズの母親にはS・スペイセク。娘の問題に心を砕き、孫の為に
衣食を手伝い、頑固な夫に尽くし続ける、貞淑で優しいお母さん役です。
でも一度だけ反抗するのです…(爆)これで夫の考え方にも変化が…(^_^;)

セクハラそのものに腹の立つ部分も確かに多いのですが(女性として)
でもそれ以上に、親子関係・人間関係について考えさせられる力作でした。
父と娘の確執、親友とその夫の言葉…など目に心にグサグサと突き刺さり、
本当に闘うべき自分の弱さと、それに対する勇気をも実感できました…!

(なんかこういう逆境ものって好きだぁ・・・自分がそうなのか!?^^;)

公式サイトはこちら




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