ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

4月19日政府交渉の報告

2019年04月27日 | 活動報告
報告が大幅に遅れましたが、
4月19日(金)に防衛省、環境省と交渉を行いました。

古宇利島周辺に生息していたジュゴンBが亡くなり、
嘉陽海域のジュゴンAと辺野古・大浦湾を回遊していたジュゴンCが行方不明になり、
沖縄ジュゴンが危機的な状況の中、政府交渉を行いました。

ジュゴンは餌場を中心に生息していることは明らかです。
ジュゴンの餌は海草(うみくさ)です。

海草は光合成をするので、「太陽の光」と「海水の透明性」、「陸からの栄養分」が必要で、
清らな沿岸域に分布しています。

すなわち、ボーリング調査や埋め立て土砂の投入がジュゴンに影響を与えていることは間違いありません。
沖縄防衛局の環境監視等委員会が、ジュゴンの生態をふまえて工事の在り方を検討していないことに原因があります。


米国連邦裁判所でジュゴン訴訟の控訴審が始まっています。
国防総省が沖縄県をはじめ地元住民と協議せずに一方的に工事を行っていることが問題になっています。
また、沖縄ジュゴンの危機的な状況にIUCN(国際自然保護連合)種の保存委員会などでは検討が始まっています。

私たちはジュゴン訴訟を支援するために、
米国政府の第3者機関である海洋ほ乳類委員会や国家歴史保存諮問委員会への働きかけを行っています。
OKINAWAジュゴンを救え!大騒ぎキャンペーン!にご協力をお願いします。

以下、政府交渉を報告します。

1. 防衛省
*軟弱地盤などの工事上の問題は国会質問以上の回答はありませんでした。
伊波洋一議員の参議員外交防衛委3月下旬の質問と答弁(3回)を参考にしてください。


*ジュゴンBの死亡、A、Cの行方不明について「工事の影響ではない」と
沖縄ジュゴンの生態(餌場を中心に生息する。人間活動回避のため夜に行動する)を無視しました。
環境監視等委員会第18回議事録
p18~19をご覧ください。

嘉陽沿岸域に定住しているジュゴンAの行方不明は重要な問題です。
ジュゴンはどこの餌場に行ったかの調査は環境省の仕事だと逃げています。
また、がれきや土砂の海上輸送によるジュゴンへの影響(ストレス)があったことは間違いありません。
このことを追及しましたが、工事の影響ではないとの環境監視等委員会の助言をふまえた見解だとして認めませんでした。

*環境監視等委員会で作業船の音の周波数が、ジュゴンの鳴音と周波数と同じかどうか、
コミュニケーションを妨害していないかを調べる必要があるとの意見を出しましたが、事務局は環境アセスの項目にはなかったと逃げています。
しかし、ジュゴン訴訟では「(日本政府は)ジュゴンは音に敏感だ。調査する」との回答していることから、
今後この点を裁判でも追及することになると思います。


2. 環境省

*世界自然遺産登録推薦書にある「北部訓練場の自然環境保全に関する米軍との協力」の「合意文書」 p.1183が、
国際的合意文書の体裁を整えていない(日付がない、サインがないなど)と追及しました。
環境省は「経緯などは公表できないが、合意文書だ」と強調。
私たちは「合意文書」を手掛かりに運動で補強してく立場から「合意文書」であることを確認し、
日米合同委員会環境分科委員会などで努力することを求めました。

(注)「合意文書」の正式名は
「5-53 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産への推薦について米側との合意文書 」です。

*「ジュゴンの行方不明については危機的な状況であることは認識している。
 八重山諸島の波照間で、ジュゴン親子が発見されたとの目視情報が昨年夏にあったことはまだ希望がある」としました。

私たちは環境省が嘉陽の海草調査を行ってきたことをふまえて、
独自にジュゴンA、Cの行方を調査すべきであると要求しました。
IUCN種の保存委員会などが沖縄ジュゴンの危機的な状況について調査などを検討している。
私たちはIUCN、ジュゴン研究家など来日の招請を検討していると早期に取り組むことを求めました。

そこで、環境省に3点を要請。
1.ジュゴンA、Cの行方不明の調査をするために工事中止を防衛省にすること、
2.嘉陽の海草も場の調査の実績をふまえて、ジュゴンAの行方不明調査を行うこと、
3.ジュゴンBの死亡を環境省HPにアップすること。

 以上、最後まで読んでくださって有難うございました。
  ジュゴンの保護者より

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