イタリアンでも食べルッカ

おいしい物と個性豊かな料理人達に囲まれた料理学校での日常記

君よ知るやシエナの西 野生のフェンネル咲き

2007-11-13 16:38:01 | 料理学院
11月11日(日曜)

生徒さんの遠足は、午前中シエナ、昼食後ちょこっとシエナ時代の本拠地・チェンニーナに寄り、それからサン・ジミニャーノという行程。チェンニーナと聞いて反射的に思ったのが「野生のフェンネルが欲しい!」だった。車のめったに通らない空気のいい所に、あれほど香り高く群生している場所は貴重なのだ。火曜・水曜の講師であるナポリのマリーザ先生も、チェンニーナ時代で一番恋しがっているのは野生のフェンネル。ナポリ近郊には生えていないか、あっても大気汚染のため使う気にならないシロモノしか手に入らないそうなので、シチリア生まれの先生が故郷の伝統料理「野生のフェンネルとイワシのブカティーニ」を作るには、あそこのフェンネルを摘むしかなかったのである。お願いしてすこし摘んできてもらおうとも思ったが、ブカティーニに使うには大量に必要だし、先生がナポリに戻る木曜まではもちそうにないので言い出さなかった。夕食の時にチェンニーナ時代を知る(今回なんとこれで4回目の参加!)生徒さんがいるのでいちおう聞いてみると、野生のミント(ネピテッラ。水曜日にColle Verdeに行った時に生えていたのでみんな写真を撮った)には気がついたがフェンネルはあったかどうか「全然記憶にない」というのでちょっとがっかり。さらに翌日のレシピを読むと「栗を野生のフェンネルといっしょに皮ごとゆでる」工程が出てきたのでさらにがっかり。今ならちょうど穂先がいい具合に立ち枯れているはずなのだ(運がよければ香ばしいフェンネルシードも採れるし)。他にもピンピネッラ(サラダバーネット)、野生のチコリなどのハーブがいろいろ見られる、とても勉強になる場所なのに……。やっぱり誰か料理に詳しい人が案内にいないとダメだなあ、と思った。

16日目の夕食:
Focacce フォカッチャ 日曜日はパン屋が休みなので、レストランで焼いてもらうのが恒例になりつつある。
Insalata verde グリーンサラダ これも恒例になりました。
Cotechino e lenticchie コテキーノ(イタリア風「豚足」)とレンズ豆の煮合せ お正月の定番料理だが、なぜか登場。保存がきき栄養価が高く、やせた土地でも実るレンズ豆は古代から重宝な食べ物で、貨幣の代わりに通用したこともある。旧約聖書には、レンズ豆の煮物食べたさに兄が長男の権利を弟に譲ってしまう話さえ出てくるほどだ。日本で「マメに暮らせるように」と願いながら黒豆を食べるように、イタリアでは新年の繁栄を願って食べる。元旦までイタリアに残る人はほとんどいないから、ここで食べておくのもいいでしょう。
Sformatino di cardi カルドンのスフォルマート アーティチョークの親戚筋にあたる、蕗の親分みたいに細長い野菜。鉄分が多くて黒っぽくなりやすいので、レモン汁を絞った鍋の中でゆでてからマッシュし、ベシャメルソース等と混ぜて型焼き。
Flan di cioccolato caldo con salsa d’arancia 温かいチョコレートのフラン、オレンジソース
Caffè エスプレッソコーヒー

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