9月15日(金曜)
講師:ブルーノ先生(トスカーナ州ルッカ)
朝7時30分の勉強会に珍しく6人も来たので何事かと思ったが、リディア先生の担当する初心者クラスでは、まだ2週間目(しかも初日はクラス分けのテストをやったし、警察に行った日はあまり授業にならなかった)だというのに早くも再帰動詞を習っているらしい。日本語にはない発想の動詞なので(まあ、「(人を)制する」と「自制する」の違いetc.に例えられないでもないが)悩む人が何人か出たわけである。しかしわずか8回ほどの授業でここまで進むとは、この先どこまで行くのだろう。そのうち「保護者授業参観」に行かなくては。
調理講習のほうも、今日はリディア先生なみに?「疾走するシェフ」第2弾ブルーノ先生。遺伝性の糖尿病が出て昨年店を売り引退したが、孫の相手をするだけでは長年培った「エネルギー多量摂取(たくさん食べる)・高速排出(マッハのスピードで働き消費する)体質」を満足させられないらしく、朝はマリエッラよりも早く8時30分に来てキッチンを下見に行くし、講習中はレシピに書いてあること以外にほとんど何の説明もなくバリバリと調理にまい進するし、アルバロ先生もいずれ引退したらこうなるのかなァと思わず余計な想像をする。メニューは例によってジビエ特集。おりしも今イタリアでは狩猟シーズンなのだが、ちょうどいいのは手に入らなかったらしく冷凍ものを使用した。
14日目の昼食:
Pappardelle con ragu’ di germano selvatico 野ガモのラグーソースを、幅広の手打ちロングパスタ「パッパルデッレ」と合わせる。本来レシピではルッカ独特の長方形のパスタ「タッコーニ」と合わせるとあるが、タッコーニは月曜にも作るのでパッパルデッレに変更。
Budino di funghi ポルチーニのプディング ポルチーニもいいのがなく今回は冷凍もので。火を通した後ピューレにして生クリームなどと合わせ湯煎で焼いたが、塩味が強かった!先生、血圧の方は大丈夫なのだろうか……。
Insalata di lepre con pinoli e aceto balsamico 野ウサギ肉と松の実、バルサミコ酢風味のサラダ サラダ菜の上に盛りつけて。飼いウサギ(coniglio)にくらべてクセがあるため、ちょっと苦手という人多し。月曜にはconiglioでラグーを作るから違いを見比べてもらおう。
話がそれるがこの間見たイタリア映画で、無人島生活を余儀なくされた男性がウサギを捕まえて焼いて食べる場面があったが、「lepreを捕まえた」とはっきり言っているのに写っているのはどこからどう見てもconiglioだったので興ざめであった。おまけに最初のクレジットを見ていたら、最初の方でひとりだけで名前が登場する(かなり重要そうな役を与えられていそうな)女優さんの名に見覚えがあった。この映画より約10年後に『マカロニ』でマルチェッロ・マストロヤンニの奥さんの、いかにもナポリの下町のママという感じの役で、さらにその5年後に『ニュー・シネマ・パラダイス』でアルフレード(フィリップ・ノワレ)の奥さん役で出ていた女優さんだ。どう考えても庶民的な南イタリアの女!という役しかできそうにないと思われるが(経歴を全然知らずに書いているので違ってたらスミマセン)、映画の方に登場する女性軍はミラノのセレブな女性たちばかり。ということは……で、開巻20分にして後半のオチがわかってしまったのだった。仮に劇場公開時に見ていれば素直に楽しめたと思うのだが、食材に限らず何事にも旬と賞味期限が大事だと思ったことである。
Charlotte di lamponi con crema alla robiola 昨日のデザートの残り。今日が誕生日という人、3日前が誕生日という人がいるので合同のバースデーケーキがわり。
Spumante スプマンテ 同じく、誕生日の乾杯用。
Caffe’ エスプレッソコーヒー
午後、月曜日の講師であるマリエッラのレシピの確認。同じルッカの伝統的レシピでも人によって少しずつ作り方が違ったり、はたまた呼び方が変わるため別の名前でPCに保存されていたりするから、どのバージョンをコピーするかの確認が欠かせない。Passatina di piselli なんてレシピ見たことない!と思っていたらシエナのアントネッラ先生やジャンルーカがよく作る Crema di piselli だったし、ウサギのラグーのタッコーニはジュゼッペ先生、パオロ先生、ジャンルーカいずれのレシピもマリエッラのとは違い、結局PCではなく昨年「タダメシの会」のエッダおばさまが編集した本からコピーすることになった。ジャンルーカとマリエッラが作るのをメモしたものからおこしたレシピなので、一番彼女のやり方に忠実に書いてあるのだそうだ。もっともドルチェを除き、たいていのレシピはその場その場のインスピレーションでどんどん手が加わる運命にあるのだが。
14日目の夕食:
Farinata garfagnina ガルファニャーナ地方のファリナータ トウモロコシの粉(farina gialla)を振り入れて作る、ポレンタを湯のかわりに野菜スープで煮込んだみたいなプリモ。先生は冷やしておいて夜にオーブンまたはフライパンで焼く食べ方が好きみたいだが、今日はとろみのあるスープのようにして普通に深皿に盛って出した。たまたま近くのテーブルにいたオランダの男性が興味を示し、たくさんあったのでジャンルーカがよそってあげたら気に入って、レシピが欲しいと言い出したそうだ。
Fagiano in umido con olive キジのトマト煮込み 黒オリーブ入り こちらもみなお腹がすかないせいか、はたまたジビエのくせがあるせいか結構残った。
Tortino di ricotta con cioccolato caldo リコッタをベースにしたカップケーキ。温かいチョコレートのソースで。味といい焼き加減といい別に失敗でもなんでもないのだが、裏ごししていないので食感が良くなく、見かけがきれいでもないのでていねいに作った日本のデザートに慣れた生徒さんにはちょっと不満な一品だったようだ。
Caffe’ エスプレッソコーヒー
こんど独立して岡山で店を出す「マッシー」さんは一足先に日本に帰るため、今日が最後の講習。食後ホテルのバーに場所を移し、日曜日の遠足の打ち合わせに来たガイドのカヨコさんにも残ってもらってMoscato d’Astiで乾杯。ちょうどいい機会なのでエノテカの Carta dei vini…を全員に1冊ずつ贈呈する。
講師:ブルーノ先生(トスカーナ州ルッカ)
朝7時30分の勉強会に珍しく6人も来たので何事かと思ったが、リディア先生の担当する初心者クラスでは、まだ2週間目(しかも初日はクラス分けのテストをやったし、警察に行った日はあまり授業にならなかった)だというのに早くも再帰動詞を習っているらしい。日本語にはない発想の動詞なので(まあ、「(人を)制する」と「自制する」の違いetc.に例えられないでもないが)悩む人が何人か出たわけである。しかしわずか8回ほどの授業でここまで進むとは、この先どこまで行くのだろう。そのうち「保護者授業参観」に行かなくては。
調理講習のほうも、今日はリディア先生なみに?「疾走するシェフ」第2弾ブルーノ先生。遺伝性の糖尿病が出て昨年店を売り引退したが、孫の相手をするだけでは長年培った「エネルギー多量摂取(たくさん食べる)・高速排出(マッハのスピードで働き消費する)体質」を満足させられないらしく、朝はマリエッラよりも早く8時30分に来てキッチンを下見に行くし、講習中はレシピに書いてあること以外にほとんど何の説明もなくバリバリと調理にまい進するし、アルバロ先生もいずれ引退したらこうなるのかなァと思わず余計な想像をする。メニューは例によってジビエ特集。おりしも今イタリアでは狩猟シーズンなのだが、ちょうどいいのは手に入らなかったらしく冷凍ものを使用した。
14日目の昼食:
Pappardelle con ragu’ di germano selvatico 野ガモのラグーソースを、幅広の手打ちロングパスタ「パッパルデッレ」と合わせる。本来レシピではルッカ独特の長方形のパスタ「タッコーニ」と合わせるとあるが、タッコーニは月曜にも作るのでパッパルデッレに変更。
Budino di funghi ポルチーニのプディング ポルチーニもいいのがなく今回は冷凍もので。火を通した後ピューレにして生クリームなどと合わせ湯煎で焼いたが、塩味が強かった!先生、血圧の方は大丈夫なのだろうか……。
Insalata di lepre con pinoli e aceto balsamico 野ウサギ肉と松の実、バルサミコ酢風味のサラダ サラダ菜の上に盛りつけて。飼いウサギ(coniglio)にくらべてクセがあるため、ちょっと苦手という人多し。月曜にはconiglioでラグーを作るから違いを見比べてもらおう。
話がそれるがこの間見たイタリア映画で、無人島生活を余儀なくされた男性がウサギを捕まえて焼いて食べる場面があったが、「lepreを捕まえた」とはっきり言っているのに写っているのはどこからどう見てもconiglioだったので興ざめであった。おまけに最初のクレジットを見ていたら、最初の方でひとりだけで名前が登場する(かなり重要そうな役を与えられていそうな)女優さんの名に見覚えがあった。この映画より約10年後に『マカロニ』でマルチェッロ・マストロヤンニの奥さんの、いかにもナポリの下町のママという感じの役で、さらにその5年後に『ニュー・シネマ・パラダイス』でアルフレード(フィリップ・ノワレ)の奥さん役で出ていた女優さんだ。どう考えても庶民的な南イタリアの女!という役しかできそうにないと思われるが(経歴を全然知らずに書いているので違ってたらスミマセン)、映画の方に登場する女性軍はミラノのセレブな女性たちばかり。ということは……で、開巻20分にして後半のオチがわかってしまったのだった。仮に劇場公開時に見ていれば素直に楽しめたと思うのだが、食材に限らず何事にも旬と賞味期限が大事だと思ったことである。
Charlotte di lamponi con crema alla robiola 昨日のデザートの残り。今日が誕生日という人、3日前が誕生日という人がいるので合同のバースデーケーキがわり。
Spumante スプマンテ 同じく、誕生日の乾杯用。
Caffe’ エスプレッソコーヒー
午後、月曜日の講師であるマリエッラのレシピの確認。同じルッカの伝統的レシピでも人によって少しずつ作り方が違ったり、はたまた呼び方が変わるため別の名前でPCに保存されていたりするから、どのバージョンをコピーするかの確認が欠かせない。Passatina di piselli なんてレシピ見たことない!と思っていたらシエナのアントネッラ先生やジャンルーカがよく作る Crema di piselli だったし、ウサギのラグーのタッコーニはジュゼッペ先生、パオロ先生、ジャンルーカいずれのレシピもマリエッラのとは違い、結局PCではなく昨年「タダメシの会」のエッダおばさまが編集した本からコピーすることになった。ジャンルーカとマリエッラが作るのをメモしたものからおこしたレシピなので、一番彼女のやり方に忠実に書いてあるのだそうだ。もっともドルチェを除き、たいていのレシピはその場その場のインスピレーションでどんどん手が加わる運命にあるのだが。
14日目の夕食:
Farinata garfagnina ガルファニャーナ地方のファリナータ トウモロコシの粉(farina gialla)を振り入れて作る、ポレンタを湯のかわりに野菜スープで煮込んだみたいなプリモ。先生は冷やしておいて夜にオーブンまたはフライパンで焼く食べ方が好きみたいだが、今日はとろみのあるスープのようにして普通に深皿に盛って出した。たまたま近くのテーブルにいたオランダの男性が興味を示し、たくさんあったのでジャンルーカがよそってあげたら気に入って、レシピが欲しいと言い出したそうだ。
Fagiano in umido con olive キジのトマト煮込み 黒オリーブ入り こちらもみなお腹がすかないせいか、はたまたジビエのくせがあるせいか結構残った。
Tortino di ricotta con cioccolato caldo リコッタをベースにしたカップケーキ。温かいチョコレートのソースで。味といい焼き加減といい別に失敗でもなんでもないのだが、裏ごししていないので食感が良くなく、見かけがきれいでもないのでていねいに作った日本のデザートに慣れた生徒さんにはちょっと不満な一品だったようだ。
Caffe’ エスプレッソコーヒー
こんど独立して岡山で店を出す「マッシー」さんは一足先に日本に帰るため、今日が最後の講習。食後ホテルのバーに場所を移し、日曜日の遠足の打ち合わせに来たガイドのカヨコさんにも残ってもらってMoscato d’Astiで乾杯。ちょうどいい機会なのでエノテカの Carta dei vini…を全員に1冊ずつ贈呈する。