名南将棋大会ブログ 名古屋

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20180609今日の一手(その701);広く読む必要性

2018-06-09 | 今日の一手
20180609今日の一手

2月25日の名南将棋大会から、AさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。
玉の堅さというか囲いが同等です。28玉と23玉の違いは、上から攻めるならば先手玉のほうが遠く、横から攻めるならば後手玉のほうが遠いという関係です。
先手の攻め駒は68角と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は82飛66角と持ち駒銀で3枚。

総合すれば互角か後手もちです。

☆ 大局観として

後手は天守閣美濃から64銀の急戦でした。66で銀交換をして角をさばいたところはまずまずの戦果でしょう。
玉の堅さが同等なので、ここからの数手で優劣が決まってしまいます。しっかり読んでおきたいところです。
後手のねらいは99角成ですね。香を取って馬を作るというのは結構大きな手なので、それを防ぐか、代償を得るか、という対応を考えます。


× 実戦は25歩で

(元)天守閣美濃の急所を突きました。でも22角がいないので少し受けやすくなっています。99角成24歩33玉77角

77同馬同飛25香

取ったばかりの香を使う手があり、後手有利になりました。27銀打55角46角同角同歩27香成だったので27同飛

と応じていれば難しかった(後手は銀を取るタイミングを間違えた)のです。55角と35歩同歩34歩の攻め筋が残っています。

実戦では27香成を銀で取って、玉頭の攻防になりましたが

後手は銀得なので反撃が強力です。38金に49銀48金左38銀成同金49角

急所に角を配置されて寄り筋です。


○ 軽く46角とのぞいて

86飛88歩(これを角でも飛でも取りにくい)55銀37角35歩77銀

というようなやり取りならば互角以上に戦えそうです。後手は46角の筋を止めにくい(から銀を打つ)のです。

55銀を打たずに69銀ならば

68飛58銀成同飛56歩

というのが一例で、56同飛39角成同金56飛25歩

飛車を素抜かれましたが角と交換になっただけです。攻め駒が4枚なので後手玉を攻めれば結構指せそうです。


△ 74歩の取り込みは初志貫徹という感じで

73歩成を受けさせれば利かしです。99角成73歩成89馬82と78馬

先に桂香を取られました。66桂が厳しいので46角、25歩があるので33銀打81と

これは桂香を取り返して馬を作って長期戦、形勢互角です。


△ 76飛と浮いて

99角成74歩だと

(74歩99角成76飛としても同じですが)73歩成を受けると(72歩とか)46角が良い反撃になります。
57歩同角75歩同角55馬46歩65馬

などとけん制されて形勢不明です。


× 99香を守るならば77角が普通の応手ですが

77同角成同飛86飛87歩36飛

86飛に87歩と打つのが感触の悪い手です。この場合はさらに横歩を取られていても嫌な感じです。


× 98香は振り飛車らしくはありますが

99角成に77角とぶつけても、77同馬同飛86飛87歩36飛

98香を余計に指していますが影響はなさそうです。

98香99角成に74歩のコースは、前と同じように89馬73歩成78馬82と と進んで66桂

98香を取られていないのですが、後手番になっているので66桂を打たれてしまいます。59金引には58歩なので金を逃げられず、明らかな駒損になります。


△ 77銀と打つのは筋悪ですが

55角なら46角、角交換は悪くないです。44角なら46角55銀

銀の打ちあいで互角です。


○ 77飛は自分から移動するので違和感がありますが

この形は急戦の定跡でよく出てきますね。77同角成同角33銀打25歩

25同歩ならば24歩22玉35歩

王手飛車の筋を見つつ後手玉を攻略できます。先手としては飛よりも角の方が使いやすいのです。

77飛に86飛は

67飛(飛車取り)55角46銀

46同角同角89飛成ならば25歩や91角成があるので先手十分です。

88歩が嫌な感じですが

66角の利きがさえぎられたので76飛55角46角

とさばけばまあまあ指せそうです。


× 77桂だと

86飛53歩42金寄(53同金には65桂)46角89飛成68飛

というさばきがあります。でも77角成63飛成は後手のほうが先行している(先に桂香を拾っている)感じで寄せ合いに自信なしです。

また69銀も気になります。

46角86飛68飛58銀成同飛57歩

先手玉を薄くされてしまうので、寄せ合いでは自信なしです。


△ 工夫としては53歩

を先にして53同金ならば77桂というのも考えられますが、そこまでやって77桂を狙うほどでもないような気はします。ほかの変化に持ち込むならば得になっているものがあるかもしれません。


△ 98飛はおとなしい手ですが

87に空間があるので指しにくい手です。でも87銀ならば46角55歩68飛99角成25歩

87銀が取り残されているので先手もちです。

87歩のほうが嫌で

67金55角46角

左金が離れて行くのが嫌ですが、角交換は先手の得ではないかという感じです。


☆ まとめ

私が振り飛車党ではないのでこう思うのでしょうが、そもそも振り飛車は急戦、持久戦の選択権が居飛車側にあり、自玉が堅い場合と相手玉が堅い場合と同等の時に分かれてその時々で違う感覚を求められます。共通する手筋があっても有効な場合と無効な場合があり、なんとも難しい戦法だなあと感じています。
特に美濃囲いVS左美濃、振り飛車穴熊VS居飛車穴熊というのはどちらを持っても難しく、理解しにくいです。玉の堅さが同等になるほど中盤の攻防で小さな差が大差になるので、かなりの読みを要求されるわけです。適当に指しても玉の堅さで優るから終盤で何とかなる、という指し方が通用しなくなります。

とぼやいてみましたが、さて問題図は玉の堅さが同等で、28玉と23玉の差がどうなるか。
実戦では25歩と駒損覚悟で後手玉を攻略しようとしたのですが、駒損のほうが大きくて簡単に負けてしまいました。
同じく99角成を許すのですが、74歩から飛車の取り合いに持ち込むのはなんとか互角になりました。

やはり99角成を許さない指し方のほうが無難です。
77角、77飛、77桂、98飛、さらには77銀、これらを比較検討して指せる順を探すのでしょう。ちょっと違和感のある77飛や77銀が結構有力です。こういうのは「振り飛車の感覚」という説明では納得しにくいところでしょう。(先手のほうが角の使い道が多いという背景があります。)やはり中盤から終盤にかけての局面で読みの力を要求されてしまいます。長手数読まなくてもよいけれど、それなりの応酬を2,3通りは読んでおかないとならないとおもいます。

「振り飛車は感覚の将棋である」というのを私は疑っています。その域に達するにはかなりの経験が必要です。読みに自信がなければ居飛車をもって定跡を研究すべしというのが持論です。
ジャンル:
レトロ
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