今日の棋譜20190803
昭和43年12月、加藤一二三先生と第7期十段戦第5局です。
大山先生の中飛車です。
お気に入りは57銀型で、左金は守りに使います。
前の2局と似ていますが、加藤先生が31銀のままなので少し違います。大山先生から動き
加藤先生は反撃しますが、中央は金銀の数が違うので先手優位になりやすいです。
駒がぶつかってから玉を固めるというのが戦いの呼吸です。
86歩に同角というのもいつもの応手です。加藤先生は攻め続けるのが難しそう。
桂を跳ねると
助からないので飛を切って
角を打ち込みますが、桂を取られて58角成では自信なし。
桂香の取り合いですが、22角が遊んでいる(壁になっている)から先手有利です。
2筋には先に香を打ったほうが有利になりやすいです。22角がなければ22香~24歩~25歩を見て難しいのですが。
大山先生は桂を打ち込み
51成桂同金53歩成という攻めがあります。加藤先生は65馬では間に合わず
5筋を連打して飛を取り
66桂から88飛で勝負。でも攻め駒は3枚だけなので
手筋で攻めていくのですが
78歩もあってどうでしょうか。
ここで攻め足が止まります。
大山先生は77角から
66桂を外して受けました。58歩は取れないですが
44角の筋がずれたので取ることができました。
角取りに対して52歩、これを手抜いたので
角金を取られても41と は厳しいです。26香が働いているので
26角に31と同銀。何もしなければ先手玉は安全ですが
26角を取ると詰めろをかけられます。ということは後手玉が詰むのでしょう。読めますか?
持ち駒が豊富なので33香から詰んでいました。
振り飛車よりも堅い形で攻める居飛車の急戦は優秀ですが、22角が働かないままで攻めるのは無理がありました。大山先生の受けを学べます。受けばかりではなく、はっきりすれば寄せに出るというのも特徴です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/12/12
手合割:平手
先手:大山十段
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 3四歩(33)
15 6六歩(67)
16 5二金(61)
17 5七銀(68)
18 7四歩(73)
19 6八金(69)
20 6四歩(63)
21 4六銀(57)
22 7三桂(81)
23 5五歩(56)
24 6五歩(64)
25 6七金(68)
26 5五歩(54)
27 4八銀(39)
28 4二銀(31)
29 6五歩(66)
30 8六歩(85)
31 同 角(77)
32 5六歩(55)
33 5五歩打
34 6五桂(73)
35 5六金(67)
36 8六飛(82)
37 同 歩(87)
38 6七角打
39 6五金(56)
40 8九角成(67)
41 8一飛打
42 9九馬(89)
43 9一飛成(81)
44 7七馬(99)
45 2六香打
46 5一銀(62)
47 5四歩(55)
48 7六馬(77)
49 5三桂打
50 3一金(41)
51 6一桂成(53)
52 5七歩打
53 同 銀(48)
54 5六歩打
55 同 銀(57)
56 5八馬(76)
57 同 金(49)
58 6六桂打
59 4八金(58)
60 8八飛打
61 6七銀(56)
62 2八香打
63 7八歩打
64 2九香成(28)
65 同 玉(38)
66 8九飛成(88)
67 2八玉(29)
68 5九龍(89)
69 4九香打
70 4四角(22)
71 7七角打
72 6九龍(59)
73 6六金(65)
74 5八歩打
75 5一成桂(61)
76 同 金(52)
77 5三歩成(54)
78 同 角(44)
79 5八銀(67)
80 7八龍(69)
81 5二歩打
82 7七龍(78)
83 5一歩成(52)
84 6六龍(77)
85 4一と(51)
86 2六角(53)
87 3一と(41)
88 同 銀(42)
89 2六歩(27)
90 2七香打
91 同 玉(28)
92 1五桂打
93 2八玉(27)
94 2七金打
95 2九玉(28)
96 4六龍(66)
97 3三香打
98 同 玉(32)
99 3一龍(91)
100 4四玉(33)
101 5三銀打
102 同 玉(44)
103 4二角打
104 4四玉(53)
105 5四金打
106 同 玉(44)
107 5一龍(31)
108 投了
まで107手で先手の勝ち
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