名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20160226今日の一手<その286>; 不利なときはやや不自然な手を探す

2016-02-26 | 今日の一手
お知らせ

やりたいことがたまっておりまして、しばらくの間今日の一手は1日おきに更新します。日課にされている方には申し訳ありません。物足りない方は過去の問題をもう一度読んできいただけるとありがたいです。


20160226今日の一手

1月24日の名南将棋大会からSさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は55角と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は49銀1枚。34飛はすぐに使えそうです。

総合すれば互角かやや後手のほうが指しやすいでしょう。

大局観として
戦いが始まってみると玉の堅さはだんだんに影響が出てきます。堅い方が強い戦い方ができるのです。大駒を捨てる手とか少々駒損する手でも成立しやすいので選択肢が広くなるということでしょう。
49銀の割打ちをくらい、金をはがされるとさらに先手玉が薄くなります。
ただ、後手としてはまだ攻め駒が足りないので、49銀は急ぎ過ぎた感じがします。相手玉を薄くしても攻め駒が増えるわけではないのです。34飛や22角や33桂を使うほうが本筋であるとはいえるでしょう。


駒が当たっているので選択肢は少ないです。
× 実戦は48飛で自然な手です。

58銀成同飛(28飛58銀成同飛だったのかもしれません)46歩

これは味の良い手です。逃げるわけにはいかず46同銀47金45銀

格好良い手が出ました。普通は好手なのですが、45同桂22角成58金同金57銀

銀を捨てて遊んでいた角を取った、けれど先手玉に食いつかれた、という結果です。最後の57銀では56歩のほうが本筋ですが、この銀でも十分です。28飛を見て寄せられます。3枚の攻めですが先手玉が薄すぎます。

変化としては58銀成に同銀と取るほうが堅いです。

36歩同歩同飛37銀76飛77歩56飛

26飛があるので37銀と打たざるを得ず、飛車を縦横に使って後手が好調です。66角65歩75角25桂

角と桂馬が働き出せば後手の攻めが切れなくなります。


× 28飛と逃げるほうが後手の26飛を消して少し良いです。

58銀成同銀36歩同歩同飛66角

少し頑張って角を引いて39飛成を受けてみます。
65歩57角56歩75角74歩

48に引くと38金があるので困ります。53角成39飛成27飛25桂44歩13角

いきなり79金もありますが、角を使われて悪いです。

ということで、36飛に37歩76飛77歩56飛66角

ここまで仕方ないでしょう。65歩75角13角

先手は歩切れですから困っています。88金を防いで57銀打には54飛から56歩です。


○ 飛車を逃げない手を探すほうがいいですね。43銀がありました。

38銀不成同銀の形は28飛や39飛の打ち込みに銀を打ってしまえば捕獲も狙えます。後手は54金か飛車か。金のほうは

34銀不成55金21飛

31角打ちは桂馬を取ればいいので角を助けにくいです。65角が両取りですが、22飛成38角成62銀

62同金同竜71銀51竜

あとは65馬に44角の味がいいです。先手有利になりました。

蛇足ですが、71銀には同竜と取りたくなります。

71同玉44角53歩

大駒は近づけて受けよでこの歩がなければ62銀51銀に飛車を打って受けるしかなく飛車を取って攻め続けられるのですが、これは指しすぎ。

後手は54飛とするほうがいいでしょう。

54同銀成同金77角57歩

21飛があるので後手も動いてきます。でも攻め駒が足りないから受けられるはず。57同金左46銀59歩28飛27銀

39銀でもよさそうですが、飛を取りに行くのもありそう。28飛は指しすぎですが先手が有利なのは間違いないです。


問題図の前では後手は54飛56歩を入れてから49銀のほうがよかったのでしょう。先手にチャンスが巡っていました。
形勢が不利なときは自然な手だけでは勝てません。少しずつ悪くなっていきます。すべてそういう手ではだめですが、3番目くらいの手、やや不自然な手を考えなければなりません。一か八かの勝負手を狙え、という意味でもないのですが(それは危険もある)、相手があまり考えていないようなちょっと不自然な感じの手がよいのです。
飛車取りに対してどうぞ、と言ってみる。そういう手も考えるのです。

形勢不利なときは多少なりとも読みの力を要求されます。どちらかといえば広く浅く読む感じで、この選択肢はないのか、と考えます。直線的に自然な手を読んでも負けだとわかるだけでしょう。これは勝負になりそうだな、という手は案外落ちているものです。早く気が付いて探すほうが容易なので、形勢判断の技術をしっかり身につけましょう。




コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大山将棋研究(76);四間飛... | トップ | 大山将棋研究(77); 相矢倉... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の一手」カテゴリの最新記事