名南将棋大会ブログ 名古屋

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20160605今日の一手<その336>; 良い形が残るように受ける

2016-06-05 | 今日の一手

20160605今日の一手

5月8日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得です。後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は58飛1枚
後手の攻め駒は55銀82飛で2枚。73角は潜在的に働いているので3枚と見ておきます。

総合すれば互角です。やや後手が指しやすいかどうか、というくらいです。

大局観として

後手は攻め駒を増やそうと33の銀を繰り出してきたところです。35銀と出れば4枚目の攻め駒になりそうです。ただし居飛車振り飛車の対抗型で、82飛は先手玉に迫っているわけではなく、角銀銀の3枚の攻め駒を相手にするだけですから、対応策はありそうです。
先手の攻め駒が少なく、攻め合いにはなりませんから、しばらくは受けることを考えます。
多分角交換振り飛車のスタートで角を打ちあったのでしょう、先手の左翼の駒の働きが悪いのでやや苦しいです。局面を落ち着かせて左の駒を活用できればだんだん先手が良くなっていきます。


× 後手のねらいは実戦の手順を見てもらえばわかります。27銀と玉頭を厚くしたのですが

35銀36歩46銀左

これが後手のねらいです。46同金同銀47歩37銀成

37同金に45桂といったのですが、すぐに37同角成と切って45桂

どこに逃げても37金で困っています。46玉でも37金18銀48金打という調子です。

実戦の手順は45桂46銀37桂成同銀の後、78歩97角87金というちょっと変な筋で角を手に入れて

47角成から29金の筋で寄せられました。

先手の工夫は36歩のところで46銀左を許さない57金上ですが後手から36歩と打たれ

36同銀と取れば同銀同金56銀


36同金から取れば同銀同銀35歩

で、なかなか収まりません。


× 手筋っぽいのは34歩の突き出しですが

35銀57金上36歩

となれば角筋を生かした攻撃でつぶされそうです。


× 36金と頑張れば

34歩同歩同金

合わせの歩で応援がきたら3筋は守れず、47銀35歩25金同銀同歩36金

傷ができてしつこく攻められますからこれもだめです。


× 57金上と受けると

35銀36歩26銀

銀に突撃されます。27歩と打てば死ぬとはいえ歩切れになります。37銀成同銀84飛

と一回74銀の筋を受けられて、88飛45歩同歩33桂

これは後手の攻め駒が増えて受けきれません。駒得(実際は桂歩と銀の2枚換えです)だと思ってはいけません。


△ 27銀とするより27玉のほうが角筋を避けているので有力な受け方です。

35銀36歩46銀左同金同銀74銀

これで角をいじめる受けの勝負手でした。37銀成同銀同角成同玉

これなら45桂はあまり怖くないです。37に銀の利きがあったのが27銀との違いです。
後手は35歩同角45金79角35歩

という攻め筋を選ぶのでしょう。28玉36歩38歩でしょうか。あるいは最初の35歩に27玉36歩38歩とか、46歩36歩同玉とか、受ける手段を考えます。後手は3筋に歩が利くとはいえ金銀桂3枚の小駒の攻めですから受けても面白いと思います。将来は左側に逃げて入玉です。


○ わかりやすい受けは53歩成です。

53同歩56歩64銀

と追ってしまえばつぶされることはありません。(ここで45歩として次の変化に持ち込むこともできます。)27銀35銀36歩24銀38金

普通の振り飛車党ならこれで安心できるでしょう。後手のねらいは54歩から55歩とか、75歩から76歩とか。玉の堅さで上回るようになったので、どうにでもなるでしょう。
この時歩切れとはいえ歩損をしていないので互角以上です。後手も3枚持ち歩があるので悪いとは思わないでしょうけれど。


○ もっと頑張った手を見つけました。45歩です。

35銀を許さないという手です。
45同歩25歩33銀36金44銀左

ここで47歩34歩同歩35歩同角同銀同金

と角と銀歩の2枚換えにしても指せそうですし、

27銀(これで34歩の筋が怖くない)54金47歩53歩

でも悪くないと思うのです。

また、最初の45歩に33桂なら36金45桂25歩

で、これも25歩が間に合います。

ということは後手は45歩に34歩と合わせるのですね。

25歩には35銀と出られます。53歩成同歩56歩64銀34歩と避けて

34同金25歩35銀36歩26銀44歩

これでできれば4筋にも位を取り、26の銀は27銀とぶつけて交換する方針で、玉頭で戦えばよくなるのではないかと思います。角の働きに差があります。



問題図では先手の攻め駒が少ない(=攻めの態勢ができていない)のですから、攻められたら受けるしかありません。

実戦の27銀は常識的な受け方でしたが、46の地点に守りの駒が足りなくなってしまいましたから劣勢です。

それと同時に26の歩も守りたい、もちろん36の桂頭もカバーしたい、というのですから、結構大変です。自然なのは36金ですが、34歩と合わせられてだめ、と読んだら

27玉が候補ですが、少し損をしている感じです。(私ならこういうのを考えてしまうのですが)

1手早く受ける53歩成から56歩は安全な手です。この場合は相手に持ち歩があるとはいえ歩得しているから成立するのです。歩損だったら悪くなるのだろうと思います。

45歩で大丈夫とは思えなかったのですが、考えてみると有力です。自信があればここでリスクを取ってもよいでしょう。

どれも受ける手なのですが、結果がかなり違いますね。後手の35歩同歩24銀というのは少し無理をしているのだろう、という気がするのです。まだ桂馬の応援(33桂と跳ねていない)ので、十分対応できるのですが、少し先まで考えてみて、悪い形になりそうならその順はやめたほうが良いです。多少の駒得に目がくらんで、陣形が乱れたら悪くなります。
もし(45歩の変化のように)位が取れてよい形になれば有利になります。


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