名南将棋大会ブログ 名古屋

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20180629今日の一手(その715);歩を使ってから補充する

2018-06-29 | 今日の一手

20180629今日の一手

3月4日の名南将棋大会から、TさんとFさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩4枚と桂の交換ですが持ち歩があり馬を作っているので先手の駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は74馬と持ち駒桂で2枚。19香を入れれば3枚です。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば明らかに先手有利です。

☆ 大局観として

どの要素も上回っているので先手優勢に近いのですが、まだ攻め駒が足りないので後手玉を攻略できる段階ではありません。形勢が良いので1手パスのような手でも逆転はしないのですが、2つ甘い手が入ると怪しくなります。
後手からは65銀左、76歩、56歩、という手の組み合わせで48飛を狙う手があります。これに対処しつつ優位を保つにはどうしたらよいでしょうか。
また、先手駒得と言っても4歩失っているのですからあまりのんびりはしたくないです。1歩使わされてしまうと駒得だとは言えなくなるところです。歩の補充も考えつつ、安全運転で相手の焦りを待つのが良いでしょう。


○ 83桂は両取りで

これが見える人は多いのでしょうか(私には見えにくいですが)。73銀47馬92飛

(81飛なら72歩がありました。)馬の引き場所は47が良い、というのは14歩と打てるからで、32玉15香12歩71桂成82飛37桂

端を詰めて桂を成っておきます。91桂成同飛は後手の91香をさばかせた(先手の持ち駒桂と交換)ということになるので面白くないです。それから右桂を活用すれば堂々とした布陣です。
後手は73銀が移動すると72成桂同飛83馬があるので動きにくく、先手優勢と言えるでしょう。


○ 85馬は1歩補充ですが76歩

の時が難しいです。57角成や56歩がうるさくて、先手失敗のようですが、84馬同飛23歩

に気が付けば先手有利のままです。66角があるのでこの歩を取れず、55角66銀右19角成22角41玉11角成

桂香の取り合いは守りの桂香のほうが価値が高いです。なので先手優勢、のはずですが後手の攻め駒が増えているので激戦になるかもしれません。


× 86歩は

取ってもらえば83歩があります。65銀左85馬76歩

85馬にひもを付けているという意味があるので受けきれるかどうか。66歩56歩はだめそうなので、68桂56歩同桂同銀同銀左66桂

くらいなのですが、つぶれていなくても後手の攻めは続きます。先手が嫌な局面でしょう。


× 77桂と使うと56歩

56同銀左76歩85桂55歩67銀65銀左

これは後手の攻めを誘発したという図です。


× 66銀直は

65歩を狙っています。76歩65歩73銀

85馬には56歩があるので馬を角と交換することになり、先手不満です。


△ 66銀右も

65歩ねらいです。76歩に65歩

今度は56歩とたたかれません。65同銀左同銀48角成同金

65銀同馬ならば先手の駒得が広がるのですが、77歩成同桂73歩

85馬65銀75馬64銀57馬

うまく動かれて39飛~29飛成というのは面白くないです。


○ 66歩はおとなしい手で

後手の攻めを封じています。32玉77桂16歩85桂51角56桂

持ち歩がなくなりますが、左桂を使えば85歩を取れます。馬を引き上げるよりは85桂から攻める手を探すほうが良いでしょう。ここまで来れば攻め駒3枚、飛車を使うようになれば寄せきれます。


△ 37桂は攻め駒を増やそうという自然な手ですが

65銀左85馬76歩

こうなると受けにくくて、84馬同飛となりそう。37桂はすぐに跳ねられる形ではありませんからつまらないです。


○ 実戦は44歩同歩に53歩同金65桂52金(65同銀左で何でもないのですが)15香同香53歩

香を捨てて無理矢理攻めていったのですが指しすぎです。先手の駒損で攻め駒2枚だけでは寄せきれません。42金84馬同飛66銀右86歩同歩87歩同金65銀直

この後は後手の疑問手があり難しくなりましたが、1手負けに終わりました。

さて44歩同歩自体は悪くないです。35歩

と突くのが継続手です。(44歩同歩を入れないで35歩もあり、後で44歩が入るかどうかということになる。)35同歩に34歩が両取りを狙った手で、32金44飛

歩を補充して飛車が使えます。43金右49飛44歩

という図は、後手からの76歩~65銀左~56歩という筋を受けているわけで、後手玉が良い形になったとはいえ問題図よりも先手が指しやすくなっています。
ここでもいろいろな順が考えられ、83桂、85馬、77桂、46桂など。


☆ まとめ

さてどれを推奨するかと言えば、駒得だからしっかり守る66歩です。歩の補充を予定できていればですが。
攻めるならば35歩同歩34歩の筋で、その前に44歩同歩を入れるか、順番はどうか、というのを考えます。相手に歩しか渡さない攻めならリスクは小さいです。その後で持ち歩を補充できるかどうかを確認します。

どちらも1歩使いますがその後で歩を取り返せます。歩の数が1→2→1よりも1→0→1というのが目いっぱい働いているという順で、形勢は良くなっていくものです。


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