名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(1437);升田式石田流(升田幸三)

2019-12-14 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191214

昭和46年4月、升田幸三先生と第30期名人戦第2局です。

升田先生の75歩が早いです。当時は無理筋だとされていました。

先手番でも66歩~76飛が間に合わないからなのですが、構わず48玉とするのが升田先生の研究です。ここで74歩同歩22角成同銀55角と仕掛けるのが早石田の奇襲戦法です。

76飛と浮けば66歩から石田本組にできるので後手から角を交換します。

78金とするのが升田式石田流。多分升田先生は他の棋士相手に試してから使っていると思うので、これが1号局ではないのでしょうが、名人戦で華々しく登場しました。当時の棋譜は手書きで写すしかありませんから、新聞などに載らない限りは知られることはなく、大山先生は初見だと思います。

96角もねらいの構想で、63銀が浮いていれば成功しやすいです。升田先生が解説に使うのは94角85桂同角86飛で先手有利という順です。

大山先生は54角。46飛しかなく

44歩を取らせて31玉。美濃囲いにしてしまうのが大山先生の感覚の良さです。

升田先生は74歩から86歩

桂をさばいて角をぶつけます。

大山先生は角交換を避けますが

升田先生は端をねらいます。

84歩で桂は死ぬのですが、端に捨てて

香を取り返しに行きます。

取り返せばまずます。

大山先生は銀を棒銀で使い

飛角を追います。ここで93歩成は多分入る(87歩成82と78と は先手が寄せ切れそう)のですが、飛を逃げられてよいか悪いか。のちに93歩成と成り捨てる筋が出てくるので大きな違いでもありません。

大山先生は桂を打って角を封じます。

升田先生は93歩成同桂94歩同銀を入れてから87桂を取ります。(銀で取ると97歩がありました。)

角が移動できるように89歩が良い手です。金香交換ですが先手陣がすっきりしているので良い勝負。

大山先生は飛を無理矢理追うのですが

35金を打つのでは、空振りした時が怖いです。

飛角をどうにか封じられたか。

升田先生は36歩同金33歩、こんなところから動いて

歩切れでも金を取りに行きました。45金34香ならばまあまあ手が続きそうです。でも36同金同歩77桂成が嫌だと思うのですが。

大山先生は77桂成のほうではなく角を追います。34角同金同香44銀というのも危なさそうですが

升田先生は58角43角35香、自玉の堅さを選び、金を取れば駒の損得はありません。本局では攻め急がず大事に指しているのがわかります。せっかくの升田式石田流で負けたくはないのでしょう。

大山先生は銀取りを無視して香を打ち

銀角の取り合いというか銀香と角の二枚換えでも

76角から と金を作れば攻めは続きます。升田先生は小駒だけでも4枚あるので

64歩(これは取りにくい)から73金で攻めていきます。

と金を作れば切れにくい攻めですが、無理矢理に角を取りに行くのですか。

43で と金と交換して51角。ここでは升田先生の銀得なので有利ですが、その銀が16なので差はわずか。

26桂が使えて、形勢が良くなっていきます。

すぐに桂で飛を取るのではなく、59金を取らせても、73金をと使っていくというのが本筋。48金には59飛同金から寄せ切るのでしょう。

大山先生は千日手含みで粘る順を選びました。升田先生の攻め駒は3枚だけなのでここだけでは寄せ切れません。

59飛~79飛と使って

77歩に43金から再び攻めます。

まだ戦力が足りないので寄せ切るわけにはいかないのですが

馬を切って送り金から

後手玉を薄くしておいて77銀。桂をもらえば34桂で寄せられます。

大山先生は角を追われつつも飛取りで粘り

68歩成は微妙な利かしです。升田先生は68同竜でも十分ですが

飛を捨てて角桂を取ります。これは34桂からの詰めろ。

大山先生は駒損でも34角~61歩~62飛で粘ります。

升田先生は26桂(詰めろ)89角成67歩(詰めろ)、こういう手が続けば簡単に寄りそうです。

43金打には同竜

34金でおしまいと思ったら44飛。大山先生の粘りもすごいです。

後手玉がしっかりしてきて

まだまだ長そうです。

升田先生は71角から飛を取り

52飛~62飛成が馬取り。

57馬でそれたので、33竜で詰みました。

 

升田大山晩年の名局と言ってよいと思います。升田式石田流の攻めがきれいに決まったわけではないので、途中までは定跡本でも見た(解説してあった)のですが、最後まで並べたことはありませんでした。長いですが並べて面白いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1971/04/20
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 7五歩(76)
4 8四歩(83)
5 7八飛(28)
6 8五歩(84)
7 4八玉(59)
8 6二銀(71)
9 3八玉(48)
10 6四歩(63)
11 2八玉(38)
12 6三銀(62)
13 3八銀(39)
14 4二玉(51)
15 7六飛(78)
16 8八角成(22)
17 同 銀(79)
18 3二銀(31)
19 7八金(69)
20 4四歩(43)
21 7七桂(89)
22 5二金(61)
23 9六角打
24 5四角打
25 4六飛(76)
26 7四歩(73)
27 4四飛(46)
28 3一玉(42)
29 7四歩(75)
30 同 銀(63)
31 8六歩(87)
32 9四歩(93)
33 8五桂(77)
34 9五歩(94)
35 8七角(96)
36 4三銀(32)
37 4六飛(44)
38 6五歩(64)
39 7六飛(46)
40 6三金(52)
41 9六歩(97)
42 8四歩打
43 9三桂成(85)
44 同 香(91)
45 7五歩打
46 8三銀(74)
47 9五歩(96)
48 4四銀(43)
49 9四歩(95)
50 同 香(93)
51 9五歩打
52 同 香(94)
53 9六歩打
54 8五歩(84)
55 9五歩(96)
56 8四銀(83)
57 9四歩(95)
58 8六歩(85)
59 同 飛(76)
60 8五銀(84)
61 5六飛(86)
62 8六歩打
63 9八角(87)
64 3二角(54)
65 6六歩(67)
66 8七桂打
67 9三歩成(94)
68 同 桂(81)
69 9四歩打
70 同 銀(85)
71 8七金(78)
72 同 歩成(86)
73 同 角(98)
74 9五歩打
75 8九歩打
76 5四歩(53)
77 6五歩(66)
78 5五銀(44)
79 2六飛(56)
80 3五金打
81 7六飛(26)
82 8五銀(94)
83 7九飛(76)
84 6七歩打
85 6九飛(79)
86 8六銀(85)
87 7六角(87)
88 8五桂(93)
89 3六歩(37)
90 同 金(35)
91 3三歩打
92 同 桂(21)
93 3七歩打
94 3五金(36)
95 3六香打
96 7五銀(86)
97 6七角(76)
98 6六歩打
99 5八角(67)
100 4三角(32)
101 3五香(36)
102 同 歩(34)
103 7六歩打
104 4八歩打
105 同 金(49)
106 6七香打
107 3九飛(69)
108 6八香成(67)
109 7五歩(76)
110 5八成香(68)
111 同 金(48)
112 7六角打
113 5九金(58)
114 6七歩成(66)
115 6四歩(65)
116 5三金(63)
117 7三金打
118 9二飛(82)
119 6三歩成(64)
120 4四金(53)
121 5三と(63)
122 3四角(43)
123 2六桂打
124 2五角(34)
125 1六銀打
126 4三角(25)
127 同 と(53)
128 同 金(44)
129 6一角打
130 3二金(41)
131 9四香打
132 4二飛(92)
133 3四桂(26)
134 5八と(67)
135 6三金(73)
136 5九と(58)
137 5二金(63)
138 4一歩打
139 4二金(52)
140 同 金(43)
141 同 桂成(34)
142 同 金(32)
143 4三金打
144 3二金打
145 同 金(43)
146 同 金(42)
147 7二飛打
148 4二金打
149 5九飛(39)
150 6七歩打
151 7九飛(59)
152 7七歩打
153 4三金打
154 同 金(32)
155 同 角成(61)
156 3二金打
157 同 馬(43)
158 同 玉(31)
159 5三金打
160 4三金打
161 2二金打
162 同 玉(32)
163 4三金(53)
164 3二金打
165 4二金(43)
166 同 金(32)
167 7七銀(88)
168 6五角(76)
169 7六銀(77)
170 8三角(65)
171 7三飛成(72)
172 6一角(83)
173 6二龍(73)
174 6八歩成(67)
175 6一龍(62)
176 7九と(68)
177 8五銀(76)
178 3四角打
179 6二龍(61)
180 6一歩打
181 6三龍(62)
182 6二飛打
183 2六桂打
184 8九角成(34)
185 6七歩打
186 4三金打
187 同 龍(63)
188 同 金(42)
189 3四金打
190 4四飛打
191 4三金(34)
192 同 飛(44)
193 3四金打
194 3二金打
195 4三金(34)
196 同 金(32)
197 8三飛打
198 4四金打
199 7一角打
200 6七馬(89)
201 6二角成(71)
202 同 歩(61)
203 5二飛打
204 4二金(43)
205 6二飛成(52)
206 5七馬(67)
207 3三飛成(83)
208 投了
まで207手で先手の勝ち


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2 コメント

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Unknown (EZあき)
2019-12-17 19:01:34
初めて書き込みます。
名人戦以前の升田式石田流は、昭和45年12月11日にNHK杯で有吉さん相手に採用、快勝しています。それ以前にも3手目7五歩は採用しているみたいですが、骨子はこの辺で完成していたのではないかと思います。
https://shogidb2.com/games/f4a0abaf23f2158bec15822e44dae42bd359c27c#lnsgkgsnl%2F1r5b1%2Fppppppppp%2F9%2F9%2F9%2FPPPPPPPPP%2F1B5R1%2FLNSGKGSNL%20b%20-%201
Unknown (関)
2019-12-21 20:08:00
EZあき さん、貴重な情報をありがとうございます。
有吉先生が実験台でしたか。TV放送ならば大山先生も知っていて、対策を考えていたかもしれませんね。

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