名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(50);64金戦法

2016-01-30 | 大山将棋研究
昭和47年8月、松田茂行先生との棋聖戦です。


松田先生といえばツノ銀中飛車という知識はあるのですが、棋譜は並べたことはありません。ムチャ茂というあだ名でしたから豪快な気風だったのでしょうか。

大山先生は64金戦法です。(普通は46金戦法、金立ち戦法とも)これに中飛車のまま対抗もできるのですが、松田先生は三間飛車に振りなおします。

スムーズに5筋の歩を交換して54金と構えられるのなら居飛車としてはまあまあやりたくなります。

大山先生はすぐに65歩と仕掛けました。

金立ち戦法は右銀が中途半端で、上に上がることが多いのですが、51銀右と引き付けます。戦いながらも様子を見て固めるというのはよい感覚です。これに松田先生から65歩を取ったのですが、これがどうか。

松田先生からのねらいは63の空間で、角を打ちこみます。

大山先生は角を切って2枚換え。でも桂馬を損した後なので角銀交換ですが

と金を作れば駒損をカバーできます。大山先生が有利になりました。

じり貧になるので、松田先生の勝負手。

激しく1手勝ちを目指します。大山先生としては珍しいはっきりとした指し方です。これに51馬からはがして勝負です。

これで後手玉が詰めろでもおかしくないのですが、大山先生は不詰を読み切って49と。

詰まなくて投了図です。プロなら当然読み切れるのでしょうけれど、どこからわかっていたのでしょうか?

当時のことなので、8月の終わりにクーラーもなく、将棋は淡白な指し方だったのかなあ?と思います。勝手な想像ですみません。大山先生としては珍しく1手勝ちを読み切ったような指し方です。でも松田先生の51馬からの肉薄は相当で、詰まないと読み切るのは大変な気がします。案外、楽勝気分の大山先生が少し肝を冷やしたけれど詰まなかったというのが真相ではないでしょうか。
棋譜並べの内容としては、仕掛けの前の51銀右や67歩の手筋を見ておけばよく、
終盤はどこから勝ちを読み切れるのかという実力試しです。私はさっぱり自信がありません。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:松田茂行8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6六歩(67)
8 4二玉(51)
9 6八銀(79)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 1四歩(13)
13 1六歩(17)
14 8四歩(83)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 6七銀(68)
22 5三金(52)
23 7八飛(58)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 6四金(53)
27 5八金(69)
28 5五歩(54)
29 同 歩(56)
30 同 金(64)
31 5六歩打
32 5四金(55)
33 4六歩(47)
34 6四歩(63)
35 4七金(58)
36 6五歩(64)
37 6八飛(78)
38 7三桂(81)
39 3六歩(37)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 5一銀(62)
43 6五歩(66)
44 7七角成(22)
45 同 桂(89)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 4四角打
49 6六銀(67)
50 8六飛(82)
51 6三角打
52 5三金(54)
53 7二角成(63)
54 8七飛成(86)
55 7三馬(72)
56 6六角(44)
57 同 飛(68)
58 7七龍(87)
59 6九飛(66)
60 7八龍(77)
61 5九飛(69)
62 6七歩打
63 5五歩(56)
64 6八歩成(67)
65 5六飛(59)
66 6七銀打
67 5四歩(55)
68 5六銀成(67)
69 5三歩成(54)
70 5八と(68)
71 5一馬(73)
72 同 金(41)
73 4二と(53)
74 同 金(51)
75 5四桂打
76 4九と(58)
77 4二桂成(54)
78 同 玉(32)
79 5三銀打
80 同 玉(42)
81 3一角打
82 4二飛打
83 投了
まで82手で後手の勝ち


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