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20180613今日の一手(その707);角打ちをねらう

2018-06-13 | 今日の一手

20180613今日の一手

2月25日の名南将棋大会から、NさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前はこの図で

角交換四間飛車に玉頭位取りで対抗した将棋です。後手から歩を突きだすのが意表の手で、64同歩に27歩、54角が飛銀両取りの筋でした。27歩を取れずに68飛26飛

となったのが問題図です。(先手としては64同歩としないのもあるし、後手としては26飛ではなく28角もある。)

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は68飛を入れてもよいでしょう。持ち駒角と合わせて2枚です。
後手の攻め駒は26飛と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角か後手もちか。

☆ 大局観として

ゆっくりしていると28歩成から桂香を取られて飛車を成り込まれます。玉を固めて持久戦というわけにはいかないです。28歩成を防ぐ手段があれば別なのですが。
であれば攻める手を考えたいです。銀を進出させるのは時間がかかりますから飛び道具頼りになりますが、飛角と77桂は使えます。位取りは対抗型でも歩を使って縦から攻めることができるのが強みです。少し不利になっても玉頭戦で逆転を狙うことができます。


× 39角と右を守っても28角

があるので無効です。角を打ったので19角成から28歩成が速くなっています。


× 39金だと

28角とは打ち込みにくいですが、45桂46銀57角

57同銀同桂成69飛28歩成

という順か、

28歩成

28同金39角27歩

57角成26歩68馬同金48飛38飛49飛成

という順か、どちらも少し先手の駒得ではありますが、後手に攻められるだけです。


× 実戦は63角と打ち込みました。

取ってもらえれば64歩が攻め駒になったということになります。放置して72角成同金63銀というのも嫌でしょう。62歩が必然で、85角成28歩成95歩同歩94歩

端を攻めたのですが1歩しかなかったので駒を取れるわけではないです。19と95香92歩28歩29と

桂香を失ってじり貧です。

62歩に36角成とすれば

2筋を守れそうなのですが、21飛26歩54角

馬を消されてしまうのでうまくいきません。


△ 74歩と突きだして

63歩成への応手も考えなければいけないので後手はほぼ74同歩しかなさそうです。46角と据えると

一昨日の一手にもあった角のラインで攻めることができます。73桂(か73銀)には85桂

これは先手が好調で、桂銀交換くらいですすめられそうです。

後手は35角と合わせると

63歩成46角72と同金46歩

銀得ですから先手有利。

35銀の時が難しくて

55角44銀46角35銀・・・というのは千日手です(先手の権利)。打開はやはり63歩成で、46銀72と同玉(72同金もある)46歩62歩

角と銀銀二枚換えの駒得ですが、28歩成は残っているのでゆっくりはできません。先手が攻め続けられるかどうか。


△か× 74歩同歩を入れないで46角だと

35銀55角44銀46角・・・というのは千日手。35銀に74歩は取ってもらえなくて、46銀73歩成同玉46歩62歩

の時に攻め切れません。ということは千日手は後手の権利です。

後手が打開するなら45桂48銀を入れて(取らせて57角は角筋がずれるし、58金57桂成同金ではばからしい)35銀55角56飛

という順です。66角も11角成76飛も先手が面白くありません。

35銀の時に74歩とすると

46銀73歩成同玉46歩が桂取りになります。46同飛

の時に手があるかと言えば、63銀62歩では決め手にならず、47銀打(あるいは63銀から金を取って47金)も同飛成同銀57桂成があるので自信なしです。


△か× 85桂とためると

45桂46銀(56飛を防ぐ逃げ方)62歩

と守られた時に攻めにくいのが難点です。後手が攻め急いでくれたら何とかなるのですが。


△ 95歩として

95同歩93歩同香85桂ならばスピードアップできます。

94香46角

1歩で1手稼ぎました。ここで71玉は73桂成同桂74歩があります(互角)。他には54角が銀取りで63歩成を防いでいるとか。なお85桂が入っているので、ここで45桂74歩は先手よしです。
74歩同歩が入っていないので、35銀55角44銀というのが後手からの千日手の権利で打開するかどうか。

前の変化みたいに74歩同歩を入れてから46角だと71玉

と逃げられます。1歩欲しいところですが、95香同香73歩では62歩72歩成同金

香歩3と銀の交換では駒得ではないです。99角や97角や96歩が残っているので後手有利でしょう。


○ 36歩と突くと

先ほどの35銀を防いでいるというほかに、後の37角が王手飛車になるという狙いがあります。
45桂46銀28歩成

37角を防いで攻められても、74歩同歩45銀同銀63歩成(を入れないほうが良いけれど)63同金37角

やはり王手飛車の筋が実現します。

後手としては22飛

と引き上げるべきで、74歩同歩46角73桂85桂

と攻めるのが好調で、先手有利に進められます。



☆ まとめ

一昨日の問題のように46角(や37角)の筋で美濃囲いを攻めるという問題でした。それ以外はうまくいきません。

単に46角では45桂を利かされて後手よしになりそうです。
74歩同歩46角は有力ですが、先手から千日手打開は難しいところです。
85桂とためると45桂46銀62歩で攻めにくいです。
95歩同歩93歩同桂85桂は歩切れになるのが泣き所で、94香に74歩同歩46角が失敗、46角がせいぜい互角くらいです。

ちょっとのんびりしているようですが、36歩~37角ねらいが有効でした。飛車取り(王手飛車)で角を打つねらいです。飛車を逃げてもらうと後手からの千日手がありませんでした。

細かい違いですが相手の応手まで考えると難しいですね。背景には形勢が後手もち(玉の堅さが違う)だということがあります。(玉頭位取りは組み上げるまでに神経を使います。)
後手から動いてもらったところなので、問題図は反撃のチャンスではありました。


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