20180416今日の一手
1月13日の名南将棋大会から、YさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
角と飛の交換で、どちらが得とも言えません。
玉の堅さは先手のほうが堅いですが(守りの桂を跳ねているかどうかの違い)後手のほうが深いです。同程度と見ておきましょう。
先手の攻め駒は持ち駒飛1枚。
後手の攻め駒は69角58角で2枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
後手は攻め駒2枚だけですが、57歩の拠点を生かして角2枚を打ち込んできました。2枚だけでは無理な攻めだと思います。
後手の穴熊は堅くはないのですが、まだ手がついていません。手がつけば早いので、しばらく耐えて、54歩~53歩成などの攻めを間に合わせたいです。どう受けましょうか?
○ 自然な受けは58角を取ります。58同銀から見てみます。
58同歩成同飛ではすっきりしていますから、78角成に57銀
57飛で歩を払うのは66金が嫌味なので銀で払っておきます。
77馬54歩99馬48銀
金桂香と飛歩の交換で少し損なのですが、後手が歩切れなので53歩成を受けにくいです。先手玉のほうが堅いということもあって、やや先手が指せるのだと思います。
後手の有力な変化は57銀の時に飛車を取るのですが
56同銀76飛46飛
銀取りを飛車で受けて、35金43飛成56飛53角
これも金銀と角の二枚換えで駒損なのですが、穴熊に手がつけば先手が指せそうなのです。61金72銀35金という駒が遊んでいるのが原因です。
○か△ 58同金はどうか。
58同歩成同飛同角成同銀59飛
49銀左45桂53角
31角成同銀41飛という攻め方ができます。後手が金を埋めれば攻撃力が下がります。だから駒得の少し先手が指せそうです。
△ 57飛として
拠点の歩を払うのもありそうです。49角成同銀45桂
だけど後手に3枚目の攻め駒ができました。58飛57金53角
これで難しそうなのですが先手玉も薄いので、自信のある寄せ合いではありません。
○ 48金とかわしてみると
次は57飛があります。45桂46歩も後続がないですから、67角成同金78角成57金上
45桂とか68銀とか、まだ後手から攻める手があるのですが、歩切れなので受けやすいです。しっかり守っておいて54歩~53歩成か、駒をもらえば53角から寄せていきます。先手有利。
× 少し悪いと見れば自陣飛車を考えます。79飛だと
47角成同銀同角成38角
これならつぶれるということはありません。
あるいは最初の47角成の時に69飛として
69同馬に54歩
58歩成同飛52歩なら歩切れにさせた、という受けもあります。後手は受けないで攻め合いかもしれませんが、形勢は互角です。
ですが、79飛には78角成があります。
78同銀しかなく68金が両取りみたいなものです。57飛と応じれば
76角成56飛75馬59飛寄78金54歩48銀
結局は銀を取られて二枚換え、78金は遊んでいるものの、これでは思わしくありません。
△ 飛車を打つなら59飛
としておけば、78角成同銀68金に58金
角を取って清算することができますから、78角成の筋は無理で、47角成のコースに絞られます。
△ あるいは68飛と打っても
47角成しかないので同じようなことになりそうです。
× 実戦は54歩で
無視して寄せ合いに出ました。47角成同銀同角成
53歩成56馬同銀59飛67角58金
これは食いつかれた感じです。38角と打って防戦しますが、49金同角右48銀
47飛58歩成
これは58同角引だと49銀不成の時に困ります。48飛49飛成同飛同と
と金を払っても48飛で駒を取られてしまいます。受けきれませんでした。
先手としては53歩成のところで26飛
と逃げておくほうが難しいのですが、48金同銀同馬38金58歩成
というのは少し不利です。
☆ まとめ
受ける場合には
先に受けるほうが手堅い
持ち駒を打つ方が手堅い
という原則があります。原則だけで例外もあるでしょうし、セオリーまではいきませんが。
実戦のように一回54歩と攻めの手を指した後で受けるのでは、受けにくくなります。
持ち駒を打つ方が手堅いのですが、飛車しかないので、自陣飛車に抵抗がある方(攻めが好きだから)が多いかもしれません。でもほかの手でつぶれているのならば仕方ないです。
実は素直に58同銀や58同金でも悪くはありませんでした。後手の攻め駒がまだ2枚だけだったというのが理由です。
それならば後手の57歩が消えることになります。放置して47角成を許すと、後手に持ち歩ができるというのとは大きな違いがあります。
駒得になる反面、先手陣が薄くなるわけですから、後手から駒を取り返す手段があります。その時に54歩~53歩成か、53角~31角成という寄せ合いで勝負します。
一番良い受け方は48金でした。47角成や49角成を受けたというわけです。左の金銀を相手にしてもらえば、遊び駒が少なくなります。こんな手があっては、後手の2枚の角打は失敗でした。
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