名南将棋大会ブログ 名古屋

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20180323今日の一手(その666);小駒だけの攻めを受ける

2018-03-23 | 今日の一手

20180323今日の一手

1月6日の名南将棋大会から、JさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀歩4と飛角香の交換で竜馬がありますから、歩切れでも先手の大きな駒得です。
玉の堅さは後手玉のほうが堅いです。
先手の攻め駒は11竜と持ち駒飛角桂桂香で6枚(5枚以上あっても4枚と同じに考えます)
後手の攻め駒は87銀85桂と持ち駒金香で4枚

総合すれば先手有利です。

何手で詰めろかを比較すると
後手玉は(61竜でも詰めろですが取り返されるので)62香~61香成で詰めろで現状は3手すきです。
先手玉は33馬の利きがあるので詰まず、(86香は詰めろですが取られるだけなので)76銀成は詰めろにならず、もう一度87成銀と入るくらいの詰めろで現状は3手すきです。
互いに3手すきで先手番ですから先手有利です。

☆ 大局観として

後手は36にあった竜で76香を取って、87銀を打ってしばりました。一番下のクラスですから33馬の利きをうっかりして詰めろ金取りで勝ちだと思ったのかもしれませんが、詰めろではないので悪手でしょう。

まずは寄せ合いで勝てるかどうかを読みます。

危ないのならば受けを考えます。後手は攻め駒4枚ですが小駒だけ。それで3手すきならばどうやっても受かりそうではあるのですが、歩切れで香を持たれている、玉が9段目にある、という条件なので間違えると終わります。安全な受け方はどれか、考えてみましょう。


△ 寄せ合いなら寄せのセオリーで考えて、82玉を直接狙う44馬は詰めろなのですが駒を使わずに53銀

を取れません。馬を見切って78金同銀成同玉(銀を入手した)44銀42飛(詰めろ)74香

42飛は詰めろなのですが、最後の74香が詰めろ逃れです。75桂か75香と応じて、先手有利に見えるのですが。他の変化もありますし、形勢不明としておきます。


× 有力な寄せ合いは62香です。

44馬ははっきりしませんし、端攻めもだめ、72銀を狙うのもだめですから、61金を狙うのが次の候補。小さい駒からで、香を打ちます。71金なら21飛などが先手で入ります。
76銀成61香成86香

88金以外の合駒は詰まされてしまいます。61銀左で

97桂不成同香98金同玉87金以下の詰めろで、後手玉には有力な詰めろもかかりませんから、後手の勝ち筋です。つまりは香を渡す2手すきでは自玉67銀成の2手すきが詰めろになるので負けてしまうということなのです。


× 実戦は78金と受けたのですが

多分33馬の利きが見えていなかったのだとは思いますが、手堅い感じの受けです。でも76銀成と取られて88香

進行がここまでしかわからないのですが、69金85香88桂87金となれば、もう一波乱あるかもしれませんが受けにくいです。


△ 88香を先にして

76銀成に(78金だと合流しますが)85香は86香

88桂合いに87金79金88金同香成同馬87金77金

という攻防は形勢不明です。


○ 金を取られないように移動する手を考えます。桂を取って85金が大胆な手なのですが

これで後手の攻め駒は3枚になります。84香同金同歩88香

これで受けきれそうです。


○ 86金は銀取りで

97桂成や不成も取れば大丈夫です。88香同馬同銀成同玉

角は取られても後手の攻め駒は3枚なので受けきれそうです。


△ 75金は86香

を打たれるのが嫌な手で、78金76銀成79玉75成銀44馬

でもこれなら金を受けに使わせるので何とかなるか。後手が小駒だけの攻めで、先手玉が右辺に逃げ出せれば勝てます。

78金の時に88金

というのも怖いです。88同金同銀成同馬77金

79金と受けて千日手になる変化もありますし、駒を打ち換えて88香成から68銀のほうを取るとか、変化は多く(少なくとも実戦的には)形勢不明です。


× 金を守るなら77銀だと

77同桂成同馬84香

歩切れを突かれます。86香76銀成同馬86香同馬84香

また打たれて香合いは意味なし(85同香同馬84香)、85桂は同香同馬77桂

で悪くなっています。

最初の84香の時に86香ではなく86桂だと

76銀成同馬85銀

も嫌ですし、

あるいは一つ前の図から88銀同馬76銀成74桂打同歩同桂73玉

というのも負けそうです。


× 66馬と引いて金取りを受けると

97桂不成同香98金79玉76銀成

成銀を取れなくて、馬を失うことになります。後手の攻めが切れなくなってきます。


△ 88桂として金取りを受けると

後手からは97香(これを取れない)98香打

で千日手かもしれません。後手に打開の権利があります。


△ 86飛と受けると

76銀成同飛87金78金86金打

千日手にもできますが、86飛同金88香

飛車を切っても先手玉が堅くなれば駒得が大きいので先手有利です。

86飛に97桂不成(あるいは97桂成)が怖い手で

97同香84香85桂98金79玉76銀成同飛85香

歩切れを突いて合駒に打たされた桂を取り返されて攻めが続きます。右辺に逃げ出せれば勝ち(77銀か78金か57銀と受けて)なのですが、形勢不明です。


☆ まとめ

寄せ合いでも先手が勝ちそうに見えたのですが、44馬は53銀で難しかったです。62香は香を渡してしまい、寄せ合いの速度が逆転します。

受けるならどれが良いのか悩みますが、
後手の攻め駒は小駒だけで4枚なのですから、堂々と85桂を取ってしまい、3枚の攻めなら受けきりで優勢になります。
86金で87の銀を取ろうというのも有力です。

76金を取らせる受け方は、手堅いようでも攻めを切らせることにはなりません。後手の攻め駒は5枚に近くなってしまいます。

相手が小駒だけの攻めならば、攻め駒3枚にしてしまえば受けきり濃厚になります。玉の早逃げに成功すれば、追いかけるのに手間がかかって実質3枚以下になることが多いです。


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