名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(2189);角換わり棒銀(升田幸三)

2021-12-02 | 大山将棋研究

今日の棋譜20211202

昭和37年10月、升田幸三先生と第1期十段戦第1局です。升田先生がリーグ1位、大山先生がリーグ2位で7番勝負ということになりました。

升田先生の先手で角換わりです。

棒銀を選んで

後手は端を受けずに73銀~54角の形。この時には角換わり棒銀のブームは終わっていたと思いますが、後手の最新の対策でした。

私が子供のころに読んだ定跡書では、先手の対抗策としては26飛や36角も書いてありましたが、升田先生の新手がこの38角でした。後には角を打たないで58金も指されました。

後手としては(誰が考えたかわかりませんが)44歩を突きます。この図では46歩14歩の交換を入れてからの24歩のほうが得だという説がありますが、

シンプルに24歩同歩同銀と攻めると、同銀同飛33金。44歩を突いてあるので21飛成とできないわけです。飛の引き場所としては26飛(35銀を打たせる)や25飛(24銀あるいは24歩を打たせる)も有力な手です。

升田先生は28飛、27歩を同飛と取って

同角成同角22飛

28歩62金39金、ここまでがセットの定跡手順で(初めて指されたのは何年か前のはず)、飛と角歩の交換は先手の駒得だというのが主張です。

でも今のAIの評価は後手有利。なぜだかわかりますか?(後の定跡書でも後手が指しやすいとされているでしょう。)

飛角の交換は互角だとして、先手の歩得を生かすには、得した筋の歩を伸ばしていくのが筋です。でも28歩を進めるわけにはいかないので、この歩得はプラスではないです。持ち歩の利はありますが。

玉の堅さは今は後手のほうが堅く(22飛の横利きの守りもある)、(後手の飛の打ち込みに備えるので)先手玉を固めるのが難しいという2つの理由です。27角を使った攻め筋が見えないというのもあるでしょうか。後手は歩を手に入れたら26銀~27歩という攻めもありますし。

升田先生は左の銀金を引いて桂を跳ねます。

56歩や36歩は突きたくないのですが、

16角と出て(35歩を見せて)25銀を打たせてどうか。でも後手はこの銀も攻めに使えそうです。

大山先生は右銀を64へ。8筋に誘いの隙を作ります。82角は92飛、83銀は84飛なのですぐに困ることはなくて、

95桂95歩66歩

14歩65歩53銀82角。この角が有効打になるでしょうか。94香は93桂成がある、けれど72金の返しでまずいか。ということは香を逃げても後手が良さそうですが、

96歩91角成93桂

82馬85桂96歩。馬ができた分で升田先生の駒得が広がったわけですが、後手の桂香をさばかせたと見ることができます。(攻め駒が3枚になった。)ここで後手は77桂成同銀67桂も見えますが、

44桂のほう。升田先生は59香の粘りのほうが良く見えましたが86歩で桂を取りに行きます。

56桂85歩68桂成

68同玉で駒得、後手の攻め駒も減ったところですが、67銀と捨てられます。

67同玉には59飛で両取り。

68銀39飛成18角。飛金と角桂香の交換で駒得というのが先手の主張です。でも玉は薄いので有利ではないです。

27歩同歩36銀、これで後手の攻め駒は4枚近くなりました。後手有利は変わらないようです。

32歩(取れば16桂か)26歩(27銀成よりも良い)22香。飛を横に逃げられて苦しいですが、

22同飛31銀32玉22銀成同玉とすっきり応じられてもまだ悪そうです。つまりここで後手玉を寄せるのが難しいのです。

77玉は後手から86歩などと攻められるのを避けた手でしたが、84歩の合わせは憎らしい手です。

93馬(85歩は39馬)28竜

26歩27銀成84馬、苦心の手順で銀を手に入れられるようにしています。

18成銀同香35角、攻防の角打ちで88銀同玉68角ねらいです。でもすぐに攻められても悪かったですが。

36桂82香

57馬同角成同銀、これで寄せ合いに入ります。

29馬69桂38竜、大山先生は桂を手に入れて桂を使わせて待ちます。まだ詰めろではないようですが、先手玉に詰み筋は出来ています。

升田先生は23銀同玉41角、合駒は24飛なので

22玉32飛21玉24桂で詰めろ。大山先生にはまだ23銀の受けはありますが、

86銀同玉94桂、銀を1枚もらったので

並べ詰みでした。

 

升田先生の解説を聞いてみたいところですが、38角の(数年前の)新手はうまくいきません。15銀と出られる形でも36歩~35歩のほうが良いのか、ならば早繰り銀でいいではないか、というのは相手の陣形次第の議論です。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/26
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 2六歩(27)  
   4 8五歩(84)  
   5 2五歩(26)  
   6 3二金(41)  
   7 7七角(88)  
   8 3四歩(33)  
   9 8八銀(79)  
  10 7七角成(22)
  11 同 銀(88)  
  12 2二銀(31)  
  13 3八銀(39)  
  14 6二銀(71)  
  15 7八金(69)  
  16 3三銀(22)  
  17 2七銀(38)  
  18 7四歩(73)  
  19 2六銀(27)  
  20 7三銀(62)  
  21 1五銀(26)  
  22 5四角打    
  23 3八角打    
  24 4四歩(43)  
  25 2四歩(25)  
  26 同 歩(23)  
  27 同 銀(15)  
  28 同 銀(33)  
  29 同 飛(28)  
  30 3三金(32)  
  31 2八飛(24)  
  32 2七歩打    
  33 同 飛(28)  
  34 同 角成(54)
  35 同 角(38)  
  36 2二飛(82)  
  37 2八歩打    
  38 6二金(61)  
  39 3九金(49)  
  40 4二玉(51)  
  41 6八銀(77)  
  42 9四歩(93)  
  43 7九金(78)  
  44 4三金(33)  
  45 7七桂(89)  
  46 5四歩(53)  
  47 5六歩(57)  
  48 3三桂(21)  
  49 3六歩(37)  
  50 4五歩(44)  
  51 1六角(27)  
  52 2五銀打    
  53 2七角(16)  
  54 2一飛(22)  
  55 6九玉(59)  
  56 6四銀(73)  
  57 8五桂(77)  
  58 9五歩(94)  
  59 6六歩(67)  
  60 1四歩(13)  
  61 6五歩(66)  
  62 5三銀(64)  
  63 8二角打    
  64 9六歩(95)  
  65 9一角成(82)
  66 9三桂(81)  
  67 8二馬(91)  
  68 8五桂(93)  
  69 9六歩(97)  
  70 4四桂打    
  71 8六歩(87)  
  72 5六桂(44)  
  73 8五歩(86)  
  74 6八桂成(56)
  75 同 玉(69)  
  76 6七銀打    
  77 同 玉(68)  
  78 5九飛打    
  79 6八銀打    
  80 3九飛成(59)
  81 1八角(27)  
  82 2七歩打    
  83 同 歩(28)  
  84 3六銀(25)  
  85 3二歩打    
  86 2六歩打    
  87 2二香打    
  88 同 飛(21)  
  89 3一銀打    
  90 3二玉(42)  
  91 2二銀成(31)
  92 同 玉(32)  
  93 7七玉(67)  
  94 8四歩打    
  95 9三馬(82)  
  96 2八龍(39)  
  97 2六歩(27)  
  98 2七銀成(36)
  99 8四馬(93)  
 100 1八成銀(27)
 101 同 香(19)  
 102 3五角打    
 103 3六桂打    
 104 8二香打    
 105 5七馬(84)  
 106 同 角成(35)
 107 同 銀(68)  
 108 2九龍(28)  
 109 6九桂打    
 110 3八龍(29)  
 111 2三銀打    
 112 同 玉(22)  
 113 4一角打    
 114 2二玉(23)  
 115 3二飛打    
 116 2一玉(22)  
 117 2四桂(36)  
 118 8六銀打    
 119 同 玉(77)  
 120 9四桂打    
 121 7七玉(86)  
 122 8六銀打    
 123 6六玉(77)  
 124 5五金打    
 125 投了        
まで124手で後手の勝ち


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