☆ 昨日の復習
先手番米長先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年3月、第37期名人挑戦者リーグ(A級順位戦)のプレーオフです。この期は下から二上、大山、米長、森と4人が並んで、下から順番に勝ち抜いて(パラマス方式)挑戦者を決めます。最初が二上大山戦です。つまりここから3連勝が必要です。
大山先生の四間飛車に二上先生は玉頭位取り。珍しい選択です。
昨日と同じで、大山先生は石田流に組み
二上先生は57銀33桂を入れないで6筋の歩交換です。
二上先生は65の位も取るのですが、手数をかけていることになるので今は指さないほうが良さそうです。手が詰まってきてから指す手でしょう。
大山先生はやはり24歩から25歩の筋。
二上先生はおとなしく25歩を打たせて銀を出る、このほうが普通の対応なのです。(昨日は米長先生が意地を張っていたということ。)
二上先生は17桂から25桂を狙うのですが、これは3筋が薄くなるので指しすぎか。位取りの方針と合いません。
もちろん右で互角のやり取りなら位取りが大きくものをいうのですが
大山先生は桂交換から33桂も打ってしまい、と金を作ってやや有利。
あとは6筋を謝り
端も謝ります。米長先生が相手で無ければ我慢するのも平気です。これが二上先生相手にはとても有効で
と金を引き付け竜を作り
竜を引いて47金を誘い(二上先生は玉が薄いのを気にしないタイプ)
23歩にも焦らず と金を使います。
33の桂を取られるのは痛そうですが、とにかく と金を使います。
これで銀と交換になり
86桂には玉を引いて、まだ大山先生が少し良さそうです。二上先生としてはここで56馬としてまだまだだと思うのですが
38歩と壁を作り、55銀を打たせて馬を切って寄せに行く、自玉の薄さを気にしないで、斬り違えていく棋風なのです。
継桂で攻めていき
一手違いを目指します。
大山先生も66歩から19竜と香を取り寄せ合いに行きます。後手玉のほうが手厚くて有利に見えますね。
二上先生の攻めも強烈ですが
合駒に打った香の利きを生かす一瞬のチャンスがあり
投了図。
二上先生は大山先生とは将棋の相性が悪いのです。玉が薄くても動きたいのに、大山先生はじっと我慢してのってくれないので悪い条件でやっと斬り合いに持ち込める、という感じです。位取りの将棋があっていないのだろうと思います。後手をもってならべて、中盤の我慢や、終盤で相手にも指させてなにか狙っているという感じを学ぶところでしょう。相手の棋風を知って誘導している感じがします。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:二上達也9段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 7七銀(68)
20 4三銀(32)
21 7五歩(76)
22 3五歩(34)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 7六銀(77)
26 3二飛(42)
27 1六歩(17)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 3四飛(32)
31 6六歩(67)
32 6四歩(63)
33 6五歩(66)
34 同 歩(64)
35 同 銀(76)
36 5四歩(53)
37 7六銀(65)
38 3三桂(21)
39 5七銀(48)
40 5二金(41)
41 6五歩打
42 5三角(42)
43 6八金(69)
44 2四歩(23)
45 同 歩(25)
46 2五歩打
47 2八飛(26)
48 2四飛(34)
49 4六銀(57)
50 3四飛(24)
51 1七桂(29)
52 4五歩(44)
53 5七銀(46)
54 3六歩(35)
55 2五桂(17)
56 同 桂(33)
57 同 飛(28)
58 2四歩打
59 4五飛(25)
60 3三桂打
61 4六飛(45)
62 3七歩成(36)
63 5五歩(56)
64 3六と(37)
65 6六飛(46)
66 6三歩打
67 9五歩(96)
68 5五歩(54)
69 9四歩(95)
70 9二歩打
71 6七飛(66)
72 3五と(36)
73 5五角(88)
74 4五と(35)
75 6六角(55)
76 3八飛成(34)
77 4六歩(47)
78 4四と(45)
79 5六銀(57)
80 3五龍(38)
81 4七金(58)
82 3八龍(35)
83 2三歩打
84 6四歩(63)
85 同 歩(65)
86 5四と(44)
87 3七金(47)
88 2八龍(38)
89 3三角成(66)
90 6四と(54)
91 6六馬(33)
92 5四銀(43)
93 6五歩打
94 5五歩打
95 6四歩(65)
96 5六歩(55)
97 8六桂打
98 7一玉(82)
99 3八歩打
100 5五銀打
101 同 馬(66)
102 同 銀(54)
103 7四桂打
104 同 歩(73)
105 同 桂(86)
106 7三角打
107 5四歩打
108 6四角(53)
109 6五銀(76)
110 6六歩打
111 7七飛(67)
112 1九龍(28)
113 6四銀(65)
114 同 銀(55)
115 4四角打
116 6二香打
117 5三銀打
118 同 銀(64)
119 同 歩成(54)
120 6七銀打
121 8八玉(78)
122 6八銀(67)
123 6二と(53)
124 同 金(61)
125 6五香打
126 7七銀(68)
127 投了
まで126手で後手の勝ち
先手番米長先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年3月、第37期名人挑戦者リーグ(A級順位戦)のプレーオフです。この期は下から二上、大山、米長、森と4人が並んで、下から順番に勝ち抜いて(パラマス方式)挑戦者を決めます。最初が二上大山戦です。つまりここから3連勝が必要です。
大山先生の四間飛車に二上先生は玉頭位取り。珍しい選択です。
昨日と同じで、大山先生は石田流に組み
二上先生は57銀33桂を入れないで6筋の歩交換です。
二上先生は65の位も取るのですが、手数をかけていることになるので今は指さないほうが良さそうです。手が詰まってきてから指す手でしょう。
大山先生はやはり24歩から25歩の筋。
二上先生はおとなしく25歩を打たせて銀を出る、このほうが普通の対応なのです。(昨日は米長先生が意地を張っていたということ。)
二上先生は17桂から25桂を狙うのですが、これは3筋が薄くなるので指しすぎか。位取りの方針と合いません。
もちろん右で互角のやり取りなら位取りが大きくものをいうのですが
大山先生は桂交換から33桂も打ってしまい、と金を作ってやや有利。
あとは6筋を謝り
端も謝ります。米長先生が相手で無ければ我慢するのも平気です。これが二上先生相手にはとても有効で
と金を引き付け竜を作り
竜を引いて47金を誘い(二上先生は玉が薄いのを気にしないタイプ)
23歩にも焦らず と金を使います。
33の桂を取られるのは痛そうですが、とにかく と金を使います。
これで銀と交換になり
86桂には玉を引いて、まだ大山先生が少し良さそうです。二上先生としてはここで56馬としてまだまだだと思うのですが
38歩と壁を作り、55銀を打たせて馬を切って寄せに行く、自玉の薄さを気にしないで、斬り違えていく棋風なのです。
継桂で攻めていき
一手違いを目指します。
大山先生も66歩から19竜と香を取り寄せ合いに行きます。後手玉のほうが手厚くて有利に見えますね。
二上先生の攻めも強烈ですが
合駒に打った香の利きを生かす一瞬のチャンスがあり
投了図。
二上先生は大山先生とは将棋の相性が悪いのです。玉が薄くても動きたいのに、大山先生はじっと我慢してのってくれないので悪い条件でやっと斬り合いに持ち込める、という感じです。位取りの将棋があっていないのだろうと思います。後手をもってならべて、中盤の我慢や、終盤で相手にも指させてなにか狙っているという感じを学ぶところでしょう。相手の棋風を知って誘導している感じがします。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:二上達也9段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 7七銀(68)
20 4三銀(32)
21 7五歩(76)
22 3五歩(34)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 7六銀(77)
26 3二飛(42)
27 1六歩(17)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 3四飛(32)
31 6六歩(67)
32 6四歩(63)
33 6五歩(66)
34 同 歩(64)
35 同 銀(76)
36 5四歩(53)
37 7六銀(65)
38 3三桂(21)
39 5七銀(48)
40 5二金(41)
41 6五歩打
42 5三角(42)
43 6八金(69)
44 2四歩(23)
45 同 歩(25)
46 2五歩打
47 2八飛(26)
48 2四飛(34)
49 4六銀(57)
50 3四飛(24)
51 1七桂(29)
52 4五歩(44)
53 5七銀(46)
54 3六歩(35)
55 2五桂(17)
56 同 桂(33)
57 同 飛(28)
58 2四歩打
59 4五飛(25)
60 3三桂打
61 4六飛(45)
62 3七歩成(36)
63 5五歩(56)
64 3六と(37)
65 6六飛(46)
66 6三歩打
67 9五歩(96)
68 5五歩(54)
69 9四歩(95)
70 9二歩打
71 6七飛(66)
72 3五と(36)
73 5五角(88)
74 4五と(35)
75 6六角(55)
76 3八飛成(34)
77 4六歩(47)
78 4四と(45)
79 5六銀(57)
80 3五龍(38)
81 4七金(58)
82 3八龍(35)
83 2三歩打
84 6四歩(63)
85 同 歩(65)
86 5四と(44)
87 3七金(47)
88 2八龍(38)
89 3三角成(66)
90 6四と(54)
91 6六馬(33)
92 5四銀(43)
93 6五歩打
94 5五歩打
95 6四歩(65)
96 5六歩(55)
97 8六桂打
98 7一玉(82)
99 3八歩打
100 5五銀打
101 同 馬(66)
102 同 銀(54)
103 7四桂打
104 同 歩(73)
105 同 桂(86)
106 7三角打
107 5四歩打
108 6四角(53)
109 6五銀(76)
110 6六歩打
111 7七飛(67)
112 1九龍(28)
113 6四銀(65)
114 同 銀(55)
115 4四角打
116 6二香打
117 5三銀打
118 同 銀(64)
119 同 歩成(54)
120 6七銀打
121 8八玉(78)
122 6八銀(67)
123 6二と(53)
124 同 金(61)
125 6五香打
126 7七銀(68)
127 投了
まで126手で後手の勝ち