今日(11月25日)読売新聞朝刊一面が「フレイル」問題を取り上げていた。フレイルFrailは虚弱を意味する英語で「高齢化に伴い筋力が低下し運動機能が低下する」現象を指す。
フレイルという英語が一般的に使われているように、フレイルの研究もアメリカで進んだ。読売新聞の記事は「フレイルの兆候に気づかない人は多い。まだ大丈夫と思っている時期から予防に向けた行動を起こしてほしい」という専門家の意見を載せている。
フレイル問題で先行するアメリカの病院のアドバイスはもっと実際的だ。
ジョン・ホプキンス病院のHPを見ると以下の4項目の内3~4項目に該当するとフレイルに陥っている可能性があるという。
- 意図せずに過去1年間で約4.5㎏(10ポンド)体重が減少した場合
- 自ら弱くなったと感じる場合。例えば支えなしに自立することができない場合
- 疲労感を感じる場合。例えば週3日以上の勤務が困難な場合
- 活動レベルが低下している場合。正式な運動に加えて家事雑用、趣味活動などの活動レベルが低下している場合
- 歩行速度が低下した場合。歩行速度が1時間に2.7㎞を下回る場合(原文は15フィート歩くのに6,7秒以上かかる場合だが分かり易い表示に変えた)
アメリカ人は何事も具体化することを好むが、フレイルの兆候もこのようにすると可視化して、一般人にも分かり易くなる。このような兆候を感じた人はかかりつけの医者に相談しなさい、とジョン・ホプキンス病院は述べている。
フレイルの兆候発見を可視化した後の問題は如何にフレイル状態に陥るのを回避するか?ということだ。
ここでもジョン・ホプキンス病院の示唆は具体的で「1日当たり女性は46g、男性は56gの筋肉を育てるたんぱく質を取りなさい」と述べている。
読売新聞は良いテーマを取り上げながら、突っ込みが足りなかった。もっともこれは同紙の突っ込みが足りなかったのか、日本には元ネタを提供するような研究機関がなかったのかどうかは分からないが。
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