昨日(10月30日)の米国株は、好調だった第3四半期のGDP成長率(年率換算3.5%)を評価して、大幅に上昇した。ダウは221.11ポイント(1.3%)、S&P500は12.35ポイント(0.62%)上昇。ダウが大きく上昇した理由は構成銘柄の一つVISAの予想を上回る好決算が同社株を押し上げたからだ。
この状況にあるポートフォリオ・マネージャーは次のようなコメントをCNBCに伝えていた。
Investors were looking at the GDP number as favorable and confirmation the economy is doing well, or enough that the Fed should be stepping back.
「投資家はGDP数値を好感を持ってじっくり眺め、景気はだんだんと良くなっていて、言い換えると連銀が後退しても十分であると確証を得た」
Step backは「後退する」という意味で、この場合は連銀が10月で債券購入プログラムを終了することを指している。
通常米国市場では遅行指標と考えられるGDP成長率が市場を大きく動かすことは少ないようだが、投資家はバックミラーを見て、経済成長の確かさを確認したかったのかもしれない。投資家は連銀のQE3終了にポジティブに評価した訳だ。次の関心事はいつ連銀が金利引上げに動くか?ということだ。
輸出依存度が14%未満と低く、GDPの7割を占める米国は世界的な景気後退の影響を受けにくい(ただしいずれは影響を受けるが)。更に私は中国の製造コスト上昇から製造業の米国回帰、シェールガス革命等米国にはプラス材料が多いと考えている。また米国人がリーマンショック後の超緩和政策から立ち直ったことに自信を深めるとすれば、米国経済はかなり息の長い安定成長路線を持続する可能性があるのではないだろうか?
もっとも欧州や日本が深刻なリセッションに陥らないことが前提だが。